昼間はまだ真夏日予想の蒸し暑さ、島岡美延です。コロナ第7波は減少傾向でも、エンターテインメント、特に演劇界に影響が。
初日が延期され、役者たちの気合はより凝縮されていたかも。KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『夜の女たち』を観てきました(~19日)。コロナ禍で芸術監督に就任して2年目の長塚圭史の演出。1948年公開、溝口健二監督の映画『夜の女たち』はアメリカの占領下、戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、転落していく女性たちと激動の時代を生々しく描いたもの。
それをなんとミュージカル仕立てで(もちろんバンド生演奏)。夫の帰りを病気の息子と待つ女性を江口のりこ。朝鮮半島から引き揚げてきた実の妹を前田敦子。さらに、夫の妹を井原六花。姉妹の人生に関わる社長役に大東駿介。複数の役で物語を引き締める北村有起哉。
占領下という状況に苦しみ、そこから進んだ〈女性の権利〉。セリフと音楽、多彩な出演者だからこそ伝えられるもの。手が痛くなるほど、拍手を送りました。