スキージャンプで52歳の葛西紀明選手の2週連続優勝、島岡美延です。カーリングは五輪代表候補が絞られ、野球、サッカーは開幕目前。
アスリートには「シーズンとオフ」があるけど、この動物のリズムは? 図書館で目についた永幡嘉之著『クマはなぜ人里に出てきたのか』(旬報社)。自然写真家による秋田や山形のツキノワグマの生態観察。
最初に、「アーバンベア」というメディアが恐怖をあおるように使い始めた呼び名への警鐘。クマは昔から人里に出てくることはあり、町に住むようになったわけではない。2023年はブナ、コナラ、ミズナラの3種同時大凶作でクリを食べるようになり、その後、畑に出てきた。減反政策によって豆類、ソバが作られるようになり、それを食べるクマ。
母親グマが駆除され、はぐれた仔グマが里で人間と遭遇、という事態が多いそう(山にいるオスグマを母仔は避けるため)。けして「クマが冬眠に入らない」のではない――。報道もクマと人間を対立構造にしてしまっているのかも。