さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE MAKING』。その全317回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという続きもの記事。旅行のご報告やらなんやらでだいぶ長いことブランクがございましたが(前回は2月のはじめでした・・・)、かなり久しぶりに5回目をお届けしたいと思います。
シリーズの詳しいご説明などは【その1】に譲ることにして、今回は第41回から第50回までを紹介していくことにいたします。今回より、サブタイトルに続いて「サイエンスチャンネル」の公式YouTubeチャンネルにアップされている該当回の画面を貼っております(これまでの4回分も、順次同じ形でリンクを貼り直そうかなと考えております)。ご覧になる際の参考にでもなれば幸いであります。
(諸事情もあってか、現在配信されていない回については、サブタイトルに続き「欠番」と記しておきます。また、現在配信されている回についても、配信元の都合により動画の公開がなされなくなる場合もあるかと思われますので、その節はどうぞご容赦くださいませ)
(41)シャンプー・リンスができるまで
登場するのは石けんの回(第27回)と同じく資生堂の工場。製品の製造過程自体はわりとあっけなく紹介されていて、そのぶん充填前の容器を入れていた段ボール箱やビニールの行方にも時間を割いているところが面白かったりいたします。冒頭部分には、原料の一つである界面活性剤が油汚れを落とす実験の映像も。
(42)羽子板ができるまで
桐の板に押絵を貼りつけて作られる、埼玉県春日部の名産品「押絵羽子板」の製作過程です。東京浅草の押絵師たちが戦火を逃れ、春日部に移り住んだことがその由来だとか。
ていねいに描き込まれた顔の部分や、立体感のある髪飾りや着物を組み合わせる、押絵部分の飾りつけの絢爛ぶりにも息を飲むのですが(いったい全部で何個の部品が使われているのか!?)、裏板の絵を一筆描きできれいに仕上げる「裏絵師」さんの腕前にも魅せられたりして、なかなか見応えのある回でありました。
(43)レトルト食品ができるまで
皆さんにもおなじみのレトルトカレーの代表選手、ボンカレーの製造工程です。
高温の蒸気を当てて皮をむいたジャガイモに紫外線を当てて殺菌したり、中身を充填したパウチ袋を押さえて空気を抜いたり、レトルト釜の中で120℃の高温で30分調理したり・・・と、保存性を高めるためのいろいろな工夫がよくわかりました。
その一方で、粉末調味料の調合が、小さく質素で静かな部屋の中で行われているところが、なんだか妙に印象に残りましたねえ。
(44)食品サンプルができるまで
食堂やレストランなどの飲食店でまだまだ見かける、本物そっくりの食品サンプルの製作工程です。紹介されるのは天丼やミックスグリル、ソーダ水、スパゲティナポリタンなどのサンプル。
ビニールのもととなる「ゾル」を、実際の料理から型取りしたシリコンに流しこんでオーブンで焼き、ていねいに着色していくという工程。エビフライの衣は小さな粉と大きな粉を組み合わせて表現したり、ソーダ水の上半分に気泡を加えたり・・・と、食品それぞれの質感(そして盛りつけ)にこだわった職人技に感嘆しきリ。そのリアルさに、見ていると妙にお腹が減ってきたりもするのでありました。
(45)消火器ができるまで
「粉末ABC消火器」と称される消火器の製造工程。冒頭で消火器の歴史の紹介もあり、日本最初の消火器は明治27年に生まれたのだとか。
中の消化剤の色は、昭和61年以降5年間隔で変えている、ということを、この回で初めて知りました(現在もそうなのかな)。最後には消火器の使い方を説明しつつ、初期消火の大切さを強調するという、なんだか総務省消防庁のPRのごとき締めくくりでございました。
(46)ペットボトル リサイクル
リサイクルされたペットボトルを糸に加工し、ワタやカーペット、Tシャツを作っていく過程を追っています。
粉砕されてフレーク状になったペットボトルを熱で溶かし、細いヒモ状にしたものを細かく裁断すると、まるでクリスタルのような「ペレット」に。それをまた溶かして糸状に加工したものから、ワタやカーペット、Tシャツが生み出されていく・・・。その過程を追っていくうちに、途中からペットボトルのことをすっかり忘れてしまったほど、見事な生まれ変わりっぷりでありました。
(47)カップめんができるまで
2枚の生地を重ねて1枚にすることで麺にコシを与える。蒸気で蒸すことにより麺の中のデンプンをアルファー化して消化しやすくする。油で揚げる前に麺をほぐすことで均等に熱や水分が行き渡るようになる。・・・などなど、いつも何の気なしに食べているカップめんが、美味しく食べることができるためのさまざまな工夫によって作られていることが、よーくわかりました。
(48)墨ができるまで
摺るときに使う固形墨と墨汁、それぞれの製造工程が紹介されています。職人さんたちによる丁寧な手作業(原料を練るときには足まで使っております)を経て作られる固形墨と、完全オートメーションで生産される墨汁との対比が面白い回であります。
成形した固形墨は一気に乾燥するとひび割れるので、湿った灰の中で1〜2週間かけて(しかもその灰を毎日取り替えたりもしながら)ゆっくりと乾燥させたりする(さらにその後、また1か月かけて乾燥させる工程も!)など、ずいぶん手間ひまかけてつくられるんだなあ。
(49)ファスナーができるまで(欠番)
(50)ハイテク野菜ができるまで(欠番)
これまでの回は以下のとおりです。↓
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