読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

ウルトラシリーズ屈指の問題作4本にあらためて衝撃を受けた、特別上映会「M78からの贈り物」第1夜

2022-07-17 16:10:00 | 映画のお噂
ウルトラシリーズをはじめ、円谷プロダクションが生み出したキラ星のような作品群の魅力に迫る展覧会「TSUBURAYA EXIBITION 2022」が、宮崎市中心部にあるみやざきアートセンターにて、7月16日から始まりました。
同じく16日には、その展覧会の連動企画として、ウルトラシリーズから選りすぐった傑作エピソード16本を、トークショーとともに上映するという「ウルトラマン55周年記念特別上映会 M78からの贈り物」の第1夜も、展覧会の会場にも近い映画館、宮崎キネマ館で開催されました。
トークショーのゲストとして招かれたのは、目下大ヒット中の映画『シン・ウルトラマン』や、『シン・ゴジラ』などの作品を創り上げた映画監督・樋口真嗣さんと、ウルトラシリーズや平成ガメラ3部作など、数多くの作品で特撮美術を手がけておられる特撮美術監督・三池敏夫さんのお二方。日本特撮界を代表する大物2人が来られるとあれば、これはもう行かないというわけにはまいりません。1ヶ月前に購入した前売り券を握りしめ、ワクワクしながら会場の宮崎キネマ館へ参上いたしました。

ワクワクしながらやって来たとはいえ、この日上映された4本はいずれも、ウルトラシリーズ屈指の問題作といえる重いテーマの作品。ウルトラシリーズの基本といえる、王道のヒーローものというイメージを揺るがすようなシリアスかつダークな世界観に、あらためて衝撃を受け、唸らされました。


『ウルトラマン』第23話「故郷は地球」
(1966年 脚本=佐々木守、監督=実相寺昭雄)

国際平和会議に出席する各国の要人を乗せた旅客機が、次々に撃墜されるという怪事件が起こる。科学特捜隊の探索により、旅客機を攻撃していた円盤が発見され、撃墜されるが、そこから一体の怪獣が姿を現す。その怪獣は、かつて某国が打ち上げた衛星に乗り込んでいた宇宙飛行士の「ジャミラ」が、事故により水や空気がない星に不時着したあげく、過酷な環境によって怪獣化したものだった。自分を見捨てた人類への復讐の念に駆られ、破壊を繰り広げるジャミラに対し、科特隊とウルトラマンは葛藤しつつも「あくまでも1匹の怪獣」として葬り去ったのだった・・・。

『ウルトラマン』の中でも異色のエピソードを手がけた佐々木守(脚本)と実相寺昭雄(監督)のコンビによる作品にあって、とりわけ強い印象を残す一本です。科学の発展の陰で人間性を喪失し、命を落としていく現代人の悲劇を、ジャミラというキャラクターは鮮烈なかたちで体現しているように思いました。ラストシーン、美辞麗句で飾られたジャミラの墓碑を見ながら、科特隊のイデ隊員が吐き捨てるように発した「犠牲者はいつもこうだ、文句だけは美しいけれど」というセリフが、気持ちの底に強く響きます。
最初にこのエピソードを観た小学生の頃、子供心にもジャミラが「かわいそうだなあ・・・」と思ったものでしたが、今回かなり久しぶりに観て、断末魔の中で落命していくジャミラの姿に、不覚にも涙したのでありました・・・。

『ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」
(1968年 脚本=金城哲夫、監督=満田かずほ)

海岸でバカンスを楽しんでいる、ウルトラ警備隊のモロボシ・ダン隊員=ウルトラセブンとアンヌ隊員の前に、突然一人の少年が現れる。少年は「海底は〝ノンマルト〟のもの」だから、人間たちは海底開発をやめてほしい、さもないと〝ノンマルト〟たちは人間たちに攻撃を始めるだろう・・・と謎めいた警告を発する。〝ノンマルト〟は現生人類の出現以前に栄えていたものの、現生人類に追われて海底を住処とする古代の人類だった。少年の警告どおり、〝ノンマルト〟たちは潜水艦と怪獣ガイロスによる人類への攻撃を開始する・・・。

重厚なエピソードの多い『ウルトラセブン』の中でも、特に名作との誉れ高い作品です。古代の人類と、現生人類との対立という構図を通して、「大義」を掲げながらなされる現代人の覇権主義に対する鋭い問いかけは、時代を超えて現在の世界にも向けられているように、思えてなりませんでした。「ノンマルトの使者」として登場した少年が、実は・・・というラストも衝撃的です。

『帰ってきたウルトラマン』第31話「悪魔と天使の間に・・・」
(1971年 脚本=市川森一、監督=真船禎)

防衛隊「MAT」の伊吹隊長の娘・美奈子が、友だちである聾唖者の少年・輝男を連れてMAT基地を訪れる。居合わせた郷隊員=ウルトラマンジャックに、輝男がテレパシーで語りかけてくる。輝男の正体はゼラン星人で、ウルトラマンを抹殺して地球を侵略するという自らの企みを明かし、郷を挑発する。輝男=ゼラン星人の企みを知った郷は彼を捕まえようとするが、その正体を知らない周囲から取り押さえられてしまう。やがて、ゼラン星人が操る怪獣プルーマが出現。郷はウルトラマンジャックに変身してプルーマを倒すが、自らの武器である「ウルトラブレスレット」をゼラン星人によって操作され、絶体絶命の危機に・・・。

地球侵略を企む宇宙人が障がい者の、それも少年の姿に化けて、周囲の善意を利用するかたちで悪事を働く・・・という、現在ではとても作れないような刺激的なエピソードです。ですが、誰もが信じて疑わない「善意」が持つ危うさへの、鋭い問題提起に満ちた秀作といえましょう。
ラスト、娘に真実を語ることを決意した伊吹隊長が郷に語る、次のセリフが印象に残ります。
「人間の子は人間さ。天使を夢見させてはいかんよ」

『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」
(1971年 脚本=上原正三、監督=東條昭平)

地球の気候や風土を探査するためにやってきた宇宙人・メイツ星人は、金山という名の老人に姿を変えて、天涯孤独の少年・良と廃屋で暮らしている。あまりにもみすぼらしい風態で金山と暮らす良は、街の人びとから「宇宙人」と呼ばれて差別され、迫害を受けていた。それに心を痛めた郷隊員=ウルトラマンジャックは、なんとか良を守ろうとするのだが、ついに暴徒と化した街の人びとが良をリンチしようと押し寄せてくる。そこに金山が立ちはだかり、良を放すよう迫る。しかし、暴徒の中にいた警官が拳銃を撃ち、金山は絶命してしまう。その直後、金山=メイツ星人の念力によって地中に封印されていた怪獣ムルチが現れ、暴れ出す。一転して「早く怪獣を倒してくれ」とうろたえる街の人びとに対して、郷がつぶやく。「勝手なことを言うな。怪獣をおびき寄せたのはあんたたちじゃないか」と・・・。

『帰ってきたウルトラマン』のみならず、ウルトラシリーズの中でも、一番の衝撃作にして問題作です。なにより、街の人びとが良を迫害する描写の数々・・・首だけ出して土に埋め、頭から泥水をかけたり、リンチしようと引きずっていったり・・・は、あたらめて見ても辛すぎるものがありました。一応子ども向けのはずのウルトラマンという枠において、よくぞここまでハードな話を作ったものだと驚かされます。
とはいえ、「自分たちこそ正しくてまとも」だと思い込んだ多数派が、ひとたび集団心理と同調圧力に取り憑かれると、自分たちとは異質な存在や少数者に対して、いかに凶暴かつ残酷になるのか・・・という本作のテーマもまた、時を超えて今の社会にも、鋭い問いを突きつけているように思われてなりません。重く辛い内容ながら、今こそしっかりと見直されるべき傑作だと思います。
このエピソードでもまた、伊吹隊長が心に重く突き刺さるセリフを発しています。
「日本人は美しい花を作る手を持ちながら、いったんその手に刃(やいば)を握るとどんなに残忍極まりない行為をすることか・・・」


4作品の上映が終了したあと、ゲストである樋口真嗣監督と三池敏夫さんが登壇、トークショーが始まりました。

重いテーマの4作品の上映を受けてのトークショーでしたが、始まるやいなや樋口監督は開口一番「これでウルトラマンのことを嫌いにならないでほしい」と発言して、観客を大いに沸かせてくださいました。上映された4作品について語りながらも、それらの主題の重さにことさら引きずられることなく、トークショーは笑いに満ちた楽しいものとなりました。

作品にまつわる興味深いエピソードも、いろいろと聞くことができました。樋口監督は、シリーズ初期の『ウルトラマン』と『ウルトラセブン』は海外への輸出を前提にして作られていたので、「故郷は地球」などのエピソードに外国人のキャストを登場させたり、日本語の看板が映り込まないような無国籍的な場所を選んでロケを行っていたりしていた・・・と解説。また、「怪獣使いと少年」の脚本家である上原正三さんにお会いしたとき、作中で語り草となっているセリフのひとつ「うちはパン屋だもん!」(街中の人間から迫害される良少年に対して、唯一優しさを見せるパン屋の娘のセリフ)についての意外な事実を知った・・・という話もなさいました。これはある意味、本編の内容以上にショーゲキ的でありましたが・・・ここではあえて記しません(笑)。
三池さんは、「怪獣使いと少年」におけるウルトラマンと怪獣との格闘シーンが、長回しのワンカットで撮られていた裏事情を解説してくださいました。それによれば、この回で特撮パートの監督を手がけた大木淳さんは、その前の回(第32話「落日の決闘」)でも、特撮パートに加えて本編ドラマパートの監督を兼任していて、スケジュールに余裕がなかったこともあって、撮影時間が短くてすむ長回しのワンカットで格闘シーンを撮影した・・・とのこと。なるほど〜〜、でありました。

トークショーの後半では、昨年(2021年)の12月に三池さんの指導、監修のもとで開催された、みやざきアートセンターの特撮ワークショップに参加した子どもたちによって撮影された短篇特撮作品「宮崎県庁怪獣大決戦」も上映されました。
ウルトラマンや怪獣のソフビ人形を使っての、手作り感にあふれる作品ですが、しっかり実景との合成カットもあったりして、なかなか頑張っているのであります。そのワークショップに参加した子どもたちのうちの数人も会場に招かれていて、観客から盛大な拍手を受けておりました(少々戸惑った様子ではありましたが・・・)。
その短篇作品は、みやざきアートセンターのYouTubeチャンネルで視聴することができます。ここでもリンクを貼っておくことにいたしますので、どうぞご覧になってみてくださいませ。


この日の上映会は大盛況で、観客席はほぼ満員状態。宮崎県内はもちろんのこと、県外から来られた方もけっこうおられて、中には九州以外の県からはるばる来られた方も数人おられたのにはビックリでした。さすが、特撮界の大物お二人の吸引力はスゴいなあ。
わたしも、ウルトラシリーズの持つ多面的な魅力をあらためて実感することができて、実に有意義かつ楽しい時間を過ごすことができました。

なお、特別上映会「M78からの贈り物」は、このあと7月23日、7月30日、8月6日(いずれも土曜日)の3回にわたって開催が予定されております。上映作品やスケジュールなどの詳しいことは、以下のサイトを参照くださいませ。
ウルトラマン55周年特別上映会 TSUBURAYA EXIBITION2022 連動企画『M78からの贈り物』 | MIYAENNALE - PAINT MIYAZAKI, WITH ARTS

ウルトラマン55周年特別上映会 TSUBURAYA EXIBITION2022 連動企画『M78からの贈り物』 | MIYAENNALE - PAINT MIYAZAKI, WITH ARTS

7月16日・23日・30日・8月6日の毎週土曜日17時からウルトラマンシリーズを語るスペシャル・ナイトを開催!

JLYp2020 in みやざき

 
そして、展覧会「TSUBURAYA EXIBITION 2022」のほうは、みやざきアートセンターにて8月28日まで開催されます。今度はこちらのほうにも行かなくては、と思っております。詳しいことは以下の公式サイトをどうぞ。

TSUBURAYA EXHIBITION 2022 宮崎

TSUBURAYA EXHIBITION 2022 宮崎

2022年7月16日(土)~8月28日(日)

みやざきアートセンター

 


2022年7月8日に起こった、恐ろしく痛ましい出来事について。

2022-07-08 20:20:00 | よもやまのお噂
2022年7月8日。
きょうの日に起こった恐ろしく痛ましい出来事を、的確にどうこう論じるようなことばが見つかりません。

わたし自身は、安倍晋三さんとは多くの点で考え方は異なっておりましたが、だからといってその人格や存在を否定するようなことはあってはならない、と考えておりました。ましてや、その命を問答無用で奪うような卑劣で残酷な行為は、絶対に許されてはならないでしょう。
いまはただ、安倍さんのご冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います・・・。

そして、この出来事がさらなる恐ろしいことに繋がる「パンドラの箱」とならないよう、心から願いたいと思います。この2年で国中がガタガタとなってしまった今の日本には、そういう恐ろしいことに繋がるような「火種」がたくさんくすぶっているように、思えてなりませんので・・・。

いま一番大事にしなければならないことは、ただひとつ。

「なにものにも煽られることなく、気持ちを落ち着けて、地に足をつけて生きること」

つくづく、そう思います。

『THE MAKING』を(ほぼ)コンプリートで観てみた。 【その10】第111回〜第125回

2022-07-03 23:06:00 | ドキュメンタリーのお噂
さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE MAKING』。300回を越えるそのレギュラー回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという続きもの記事、今回は10回目をお届けいたします。


シリーズの詳しいご説明などは【その1】に譲ることにして、今回は第111回から第125回までを紹介していくことにいたします。サブタイトルに続いて「サイエンスチャンネル」の公式YouTubeチャンネルにアップされている該当回の画面を貼っております。ご覧になる際の参考にでもなれば幸いであります。
諸事情により、現在配信されていない回については、サブタイトルに続き「欠番」と記しております。また、現在配信されている回についても、配信元の都合により動画の公開がなされなくなる場合もあるかと思われますので、その節はどうぞご容赦くださいませ。


(111)手のべそうめんができるまで

暑い夏の時期によく食べられるそうめんですが、作られるのは11月から3月までの冬期。製造工程の多くは機械化されているものの、「なかだて」(小麦粉に塩水を入れてこね合わせ、そうめんの生地を作る)や、生地を細くしていく過程それぞれを指す「こより」や「かけば」などと、各工程に昔ながらの名称を残しているところが面白いですね。
人が2本の箸を使うように棒を動かし、麺を細く細く仕上げていく機械(この工程の名称は「かどぼし」)の絶妙な動きには感心させられました。

(112)プチケーキができるまで

洋菓子の大手メーカーの工場で生産される、ロールケーキやシュークリーム、エクレア、プリンの製造過程を追っていく、甘いモノ好きにはたまらない回であります。とりわけ、シュークリームに入れるカスタードクリームが出来上がっていくところはいかにも美味しそう。
プリンのカラメルは、生地本体を注ぎ込んだカップに後から入れて沈殿させるんですねえ。そのプリンの上に、円を描くようにしてホイップクリームとマロンのモンブランをトッピングするところもまた、実に美味しそうなのであります。

(113)おもちができるまで

四角く成形した切りもちを、鏡餅型のケースに詰めて出荷するまでの過程が紹介されています。円形に並んだ自動餅つき機でぺったんぺったん搗かれるおもちの、なんとも柔らかでつやつやした質感がいいですねえ。搗きたてのおもちは急速に冷やして水分を閉じこめることで、搗きたての状態を保つことができるとのこと。また、米粒のひとつひとつに光をあて、色彩を識別することで虫食い米などを取り除く機械の働きにも感心させられました。

(114)スティック菓子ができるまで

ポ◯キー風のプレッツェル菓子(メーカーは別のところ)の製造過程です。細く切り分けられた生地にアルカリの温水をかけることで糊のようになったでんぷんの膜によって焼き色をつけたり、焼き上がった生地に切れ目を入れて、焼き上がった生地の自重によって一定の長さに折れるようにする・・・などといった、独自の工夫が興味深かったですねえ。
いちご味のチョコでコーティングしたプレッツェルが、そろばんの珠が並んだようなコンベアの上を滑るようにして流れていく映像も面白かったな(一本だけ外れて斜めに滑っていくところには笑いましたが)。

(115)みかんの缶詰ができるまで

90℃の蒸気をあてて柔らかくなった外皮に切り目をいれ、回転するローラーを通すことで皮を剥く。水槽内で高圧の水をあて、水槽の底にある鎖によって身を一房ずつに割り、食品用の塩酸と苛性ソーダによる処理で内皮を溶かして取り除く・・・。缶詰のみかんはどうやってあんなにきれいに皮を剥いてるのか?という長年の疑問(おおげさ)が、これでよくわかりました。

(116)缶コーヒーができるまで

現在もダイドーの主力缶コーヒーブランドとして販売されている「デミタスコーヒー」の製造工程です。缶の供給からコーヒーの充填、缶の密封、製造番号と賞味期限の印字などを、目にも止まらぬ速さでこなす製造ラインのすごさに目を見張りました。宮崎のニンゲンとしては、コーヒーに加えられる牛乳が宮崎産というのが嬉しかったですねえ(今もそうなのかな?)。

(117)地球儀ができるまで

ベースとなる半球型の樹脂の片方のフチを赤く塗って(そこが赤道になる)貼り合わせ、緯度や経度の線を引く。そして18分割の舟形に描かれた地図をハサミで丁寧に切り、ノリで貼り合わせてアイロンを当てる・・・という具合に、とても手作り感あふれる製作過程がなかなか魅力的でありました。こういうのを見ていると、なんだか妙に地球儀が欲しくなってくるな(笑)。

(118)ボールペンができるまで

ふだん何の気なしに使っている、ありふれた文房具のボールペンですが、1分間に600個という速さで切断された直径2.3ミリの線材を、わずか20秒でペン先に加工する精密機械の技術や、遠心力によっておよそ24000本の芯の中のインクから、気泡や空気を抜いていく工程など、生産ラインの素晴らしさはそれこそ特筆モノ。インクのボタ落ちを防ぐために加えられる添加剤に、「泣き出し防止剤」なる呼び名がついているのが微笑ましかったですねえ。

(119)マシュマロができるまで(欠番)

(120)清涼菓子ができるまで

子どもの頃に馴染み深かった、フルーツ味の錠剤型清涼お菓子の製造過程。グラニュー糖や酸味料、果汁液などを混ぜ合わせた粉末状の原料が、たくさんの細い穴から顆粒状となって押し出されるときのサラサラ感あふれる質感がいいですな。混合された原料を錠剤型にする「打錠機」は、1分間でおよそ1400個を加工するのだとか。

(121)バレーボールができるまで(欠番)

(122)ガラスびんができるまで

ビンそのものの製造工程以上に、その原料となる「カレット」を作る工程に目を見張りました。回収された空き瓶から、人の手によって異物を取り除く「手選別」に始まり、ガラスのかけらをこすり合わせることによってラベルを剥がしたり、レーザー光の反射によって認識した異物を瞬時にエアーで吹き飛ばしたりと、何段階もの選別過程を経ることで、純度の高いカレットに生まれ変わるんですねえ。

(123)ノートができるまで

中央を糸で綴じるタイプと、ダブルリングによって綴じるタイプ、2種類のノートの製造工程を紹介。1巻きが約1万メートル(ノート7800冊分)の紙ロールを、少なくなったロールの紙に一瞬でくっつけて入れ替えるところも見事でしたし、罫線などを印刷した紙を裁断して折り曲げたあとミシンで綴じ、ノートの形に仕上げるまでを素早く、流れるようにこなしていく生産ラインにも見とれてしまいました。

(124)ローラチェーンができるまで(欠番)

(125)便器ができるまで

粘土状にした石や土を焼成して作る陶器の一種ということで、茶碗などの焼きものとも重なるところの多い便器の製造過程です。粘土状に固まった本体を組み立てる時、組になった2人が息をピッタリと合わせていたり、釉薬を塗られた便器がスキー場のリフトのような機械(「フリーカーブ」というそうですが)に乗せられて焼き窯へ運ばれていたり、大便の模型を使ってちゃんと流せるかどうかを検査したり・・・と、なかなか面白い見どころの多い回でありました。


これまでご紹介した回については、以下のページにリンク集と内容のもくじをまとめておきました。新しくアップした内容を追加しながら更新していきますので、気になる回をお探しになるときにお役立ていただければ幸いであります。