これを書いているきょう、5月29日は宮崎でも蒸し暑さを感じたのですが、全国的にもけっこう暑かったようで、北海道にいたっては最高気温が33~4度と、全国で一番暑かったんだとか。北海道が沖縄をも上回る全国一の暑さとは。ううむ。
とはいえ、季節はまだ5月が終わろうとするところ。まもなく、ジメジメした梅雨の6月となるわけであります。自転車乗りの身としてはちょいとばかりユーウツなのでありますが•••ココロにまでカビを生やすことのないよう、いろいろな知識や情報で気持ちに刺激を与えたいものであります。
というわけで、6月に刊行予定の新刊新書の中から、個人的に気になる、面白そうな書目を10冊ピックアップしたいと思います。何か興味をひくような本がありましたら幸いです。
刊行データや内容紹介については、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の5月26日号、6月2日号とその付録である6月刊行の新書新刊ラインナップ一覧に準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
『ドキュメント 豪雨災害 そのとき人は何を見るか』 (稲泉連著、岩波新書、20日発売)
「紀伊半島を襲った未曾有の大水害の渦中で、人々は何を見たか。首都水没予測も含め、豪雨災害の実態を描く」。
東日本大震災から立ち上がろうとする書店人たちを取材したルポ『復興の書店』(小学館)を書いた稲泉連さんが、同じ3年前に起こった紀伊半島豪雨災害を取材したドキュメント。これから雨が多くなる時期、あらためて紀伊半島豪雨を見つめ直し、そこから教訓を汲んでいくことはとても大事なことではないかと思います。個人的には、6月刊行分の中で一番注目している本です。
『ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実』 (松本博文著、NHK出版新書、10日発売)
「プロ将棋棋士とコンピュータが真剣勝負を繰り広げる電王戦シリーズ。なぜプロ棋士は敗れたのか?迫真のルポルタージュ」と。将棋対決で人間を制したコンピュータは、さらにどこまで強くなれるのか。そして、プロ棋士の巻き返しはなるのか。これもなかなか気になる一冊であります。
『生命のからくり』 (中屋敷均著、講談社現代新書、17日発売)
「福岡伸一『生物と無生物のあいだ』から7年。新たなる才能を持ったサイエンスライターが誕生した!」だと。著者の中屋敷さんのことはまったく存じ上げないのですが、福岡伸一さんに続く!といわんばかりの、内容紹介のアオリが単純に気になって仕方ないのであります。これはちょっと、期待しておくことといたしましょう。
『頭が良くなる文化人類学(仮)』 (斗鬼正一著、光文社新書、17日発売)
「『文化人類学的な視点で世の中を見渡すと、常識を疑う思考が身につき、頭が良くなる』。江戸川大学教授がその方法を著した」とか。「頭が良くなる」うんぬんは別段どうでもいいのですが(笑)、文化人類学的なものの見かたには大いに興味がありますゆえ、ここにピックアップしておくことにいたします。
『書物の達人 丸谷才一』 (菅野昭正著、集英社新書、17日発売)
「小説、随筆、評論、翻訳、連句など幅広い領域で活躍し、文学における『達人』であった丸谷才一の業績を多角的に解読する」とのこと。わたくしも、ユーモアと博識に裏打ちされた、丸谷さんのエッセイや書評などが好きでしたので、それらの仕事にもしっかりと光を当てるような一冊になっていたらいいなあ、との期待を込めつつピックアップいたします。
『ルポ 介護独身』 (山村基毅著、新潮新書、中旬発売)
「独身貴族を謳歌していたはずが、ある日突然介護に直面ーー。非婚化と超高齢化の同時進行が生んだ『介護独身』たちの日々をルポ」という内容紹介は、現在40ン歳のわたくしとしてはどうにも見過ごせないものを感じましたので。現代社会の一端を記録したルポとしても注目しておきたいと思います。
『図解・化学「超」入門』 (左巻健男・寺田光宏著、サイエンス・アイ新書、18日発売)
「化学のキホンから、化学結合、物質量、有機化合物、高分子化合物までをわかりやすく解説。Q&A形式で絶対にわかる!」という内容紹介文の、化学結合だの高分子化合物だのといった語句を見ただけで敬遠してしまうような向きも少なくなさそうですが、科学の世界をわかりやすく伝えることで定評のある書き手を迎えてのこの一冊、期待していいのではないかと思いますぞ。
『ヒトラー演説 熱狂の真実』 (高田博行著、中公新書、25日発売)
「ヒトラーの何が人々を熱狂させたのか。25年間、150万語の演説データで『語りの手法』の変遷を辿り、煽動政治家の実像に迫る」。以前、記録映像で観たことのあるヒトラーの演説は、なんだかある種の「魔力」のようなものが感じられたものです。当時のドイツ国民を引き込んでいった、その演説手法がどこまで詳らかになっているのか、興味が湧きます。
『男のパスタ道』 (土屋敦著、日経プレミアシリーズ、11日発売)
「茹でるのに塩はいらない?ニンニク選びで味が激変?美味しいパスタをつくるのに必須の知識・技術をわかりやすく解説」という本書。内容以上に気になるのは、著者がオススメ本紹介サイト「HONZ」の編集長でもある土屋敦さんであることです。これはきっと、読み物としても面白いものになっているのではないか、と期待したくなるのであります。
『魚がつくったヨーロッパ ニシンとタラで始まる世界史』 (越智敏之著、平凡社新書、13日発売)
「オランダはニシンの骨の上に殷賑を極め大航海時代は干しダラによって可能となった。牛肉ではなく魚がつくったユニークな世界史物語」と。ニシンや干しダラが世界史を動かした、という視点はなかなか面白そうなものがありますね。読んでみたいです。
そのほか、6月刊行予定の中で気になる書目は、以下のとおりであります。
『音のない世界と音のある世界をつなぐ ユニバーサルデザインで世界をかえたい!』 (松森果林著、岩波ジュニア新書、20日発売)
『ロックの歴史』 (中山康樹著、講談社現代新書、17日発売)
『穀物の科学』 (井上直人著、講談社ブルーバックス、19日発売)
『社会人のための必須数学帳』 (佐藤恒雄著、講談社ブルーバックス、19日発売)
『現代アートの経済戦略(仮)』 (宮津大輔著、光文社新書、17日発売)
『警視庁科学捜査最前線』 (羽富宏文著、新潮新書、中旬)
『昭和40年代ファン手帳』 (泉麻人著、中公新書ラクレ、10日発売)
『やくざの経営戦略』 (溝口敦著、文春新書、20日発売)
『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』 (畑中三応子著、ベスト新書、6日発売)
とはいえ、季節はまだ5月が終わろうとするところ。まもなく、ジメジメした梅雨の6月となるわけであります。自転車乗りの身としてはちょいとばかりユーウツなのでありますが•••ココロにまでカビを生やすことのないよう、いろいろな知識や情報で気持ちに刺激を与えたいものであります。
というわけで、6月に刊行予定の新刊新書の中から、個人的に気になる、面白そうな書目を10冊ピックアップしたいと思います。何か興味をひくような本がありましたら幸いです。
刊行データや内容紹介については、書店向けに取次会社が発行している情報誌『日販速報』の5月26日号、6月2日号とその付録である6月刊行の新書新刊ラインナップ一覧に準拠いたしました。発売日は首都圏基準ですので、地方では1~2日程度のタイムラグがあります。また、書名や発売予定は変更になることもあります。
『ドキュメント 豪雨災害 そのとき人は何を見るか』 (稲泉連著、岩波新書、20日発売)
「紀伊半島を襲った未曾有の大水害の渦中で、人々は何を見たか。首都水没予測も含め、豪雨災害の実態を描く」。
東日本大震災から立ち上がろうとする書店人たちを取材したルポ『復興の書店』(小学館)を書いた稲泉連さんが、同じ3年前に起こった紀伊半島豪雨災害を取材したドキュメント。これから雨が多くなる時期、あらためて紀伊半島豪雨を見つめ直し、そこから教訓を汲んでいくことはとても大事なことではないかと思います。個人的には、6月刊行分の中で一番注目している本です。
『ルポ 電王戦 人間vs.コンピュータの真実』 (松本博文著、NHK出版新書、10日発売)
「プロ将棋棋士とコンピュータが真剣勝負を繰り広げる電王戦シリーズ。なぜプロ棋士は敗れたのか?迫真のルポルタージュ」と。将棋対決で人間を制したコンピュータは、さらにどこまで強くなれるのか。そして、プロ棋士の巻き返しはなるのか。これもなかなか気になる一冊であります。
『生命のからくり』 (中屋敷均著、講談社現代新書、17日発売)
「福岡伸一『生物と無生物のあいだ』から7年。新たなる才能を持ったサイエンスライターが誕生した!」だと。著者の中屋敷さんのことはまったく存じ上げないのですが、福岡伸一さんに続く!といわんばかりの、内容紹介のアオリが単純に気になって仕方ないのであります。これはちょっと、期待しておくことといたしましょう。
『頭が良くなる文化人類学(仮)』 (斗鬼正一著、光文社新書、17日発売)
「『文化人類学的な視点で世の中を見渡すと、常識を疑う思考が身につき、頭が良くなる』。江戸川大学教授がその方法を著した」とか。「頭が良くなる」うんぬんは別段どうでもいいのですが(笑)、文化人類学的なものの見かたには大いに興味がありますゆえ、ここにピックアップしておくことにいたします。
『書物の達人 丸谷才一』 (菅野昭正著、集英社新書、17日発売)
「小説、随筆、評論、翻訳、連句など幅広い領域で活躍し、文学における『達人』であった丸谷才一の業績を多角的に解読する」とのこと。わたくしも、ユーモアと博識に裏打ちされた、丸谷さんのエッセイや書評などが好きでしたので、それらの仕事にもしっかりと光を当てるような一冊になっていたらいいなあ、との期待を込めつつピックアップいたします。
『ルポ 介護独身』 (山村基毅著、新潮新書、中旬発売)
「独身貴族を謳歌していたはずが、ある日突然介護に直面ーー。非婚化と超高齢化の同時進行が生んだ『介護独身』たちの日々をルポ」という内容紹介は、現在40ン歳のわたくしとしてはどうにも見過ごせないものを感じましたので。現代社会の一端を記録したルポとしても注目しておきたいと思います。
『図解・化学「超」入門』 (左巻健男・寺田光宏著、サイエンス・アイ新書、18日発売)
「化学のキホンから、化学結合、物質量、有機化合物、高分子化合物までをわかりやすく解説。Q&A形式で絶対にわかる!」という内容紹介文の、化学結合だの高分子化合物だのといった語句を見ただけで敬遠してしまうような向きも少なくなさそうですが、科学の世界をわかりやすく伝えることで定評のある書き手を迎えてのこの一冊、期待していいのではないかと思いますぞ。
『ヒトラー演説 熱狂の真実』 (高田博行著、中公新書、25日発売)
「ヒトラーの何が人々を熱狂させたのか。25年間、150万語の演説データで『語りの手法』の変遷を辿り、煽動政治家の実像に迫る」。以前、記録映像で観たことのあるヒトラーの演説は、なんだかある種の「魔力」のようなものが感じられたものです。当時のドイツ国民を引き込んでいった、その演説手法がどこまで詳らかになっているのか、興味が湧きます。
『男のパスタ道』 (土屋敦著、日経プレミアシリーズ、11日発売)
「茹でるのに塩はいらない?ニンニク選びで味が激変?美味しいパスタをつくるのに必須の知識・技術をわかりやすく解説」という本書。内容以上に気になるのは、著者がオススメ本紹介サイト「HONZ」の編集長でもある土屋敦さんであることです。これはきっと、読み物としても面白いものになっているのではないか、と期待したくなるのであります。
『魚がつくったヨーロッパ ニシンとタラで始まる世界史』 (越智敏之著、平凡社新書、13日発売)
「オランダはニシンの骨の上に殷賑を極め大航海時代は干しダラによって可能となった。牛肉ではなく魚がつくったユニークな世界史物語」と。ニシンや干しダラが世界史を動かした、という視点はなかなか面白そうなものがありますね。読んでみたいです。
そのほか、6月刊行予定の中で気になる書目は、以下のとおりであります。
『音のない世界と音のある世界をつなぐ ユニバーサルデザインで世界をかえたい!』 (松森果林著、岩波ジュニア新書、20日発売)
『ロックの歴史』 (中山康樹著、講談社現代新書、17日発売)
『穀物の科学』 (井上直人著、講談社ブルーバックス、19日発売)
『社会人のための必須数学帳』 (佐藤恒雄著、講談社ブルーバックス、19日発売)
『現代アートの経済戦略(仮)』 (宮津大輔著、光文社新書、17日発売)
『警視庁科学捜査最前線』 (羽富宏文著、新潮新書、中旬)
『昭和40年代ファン手帳』 (泉麻人著、中公新書ラクレ、10日発売)
『やくざの経営戦略』 (溝口敦著、文春新書、20日発売)
『体にいい食べ物はなぜコロコロと変わるのか』 (畑中三応子著、ベスト新書、6日発売)