読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

第19回宮崎映画祭観覧記(その5) 高い音楽性と圧巻のステージ『クイーン ライブ・イン・ブダペスト’86』

2013-08-30 23:44:03 | 映画のお噂
会期も残すところあと2日となった、第19回宮崎映画祭。本日、宮崎キネマ館での上映の掉尾を飾った『 ハンガリアン・ラプソディ:クイーン ライブ・イン・ブダペスト’86』を、仕事の帰りがけに鑑賞いたしました。

『ハンガリアン・ラプソディ:クイーン ライブ・イン・ブダペスト’86』(2012年、ハンガリー)
出演=フレディ・マーキュリー、ブライアン・メイ、ジョン・ディーコン、ロジャー・テイラー(ドキュメンタリー)

今なお伝説的な存在であり続けているイギリスのロックバンド、クイーン。本作は1986年、ヨーロッパ11ヶ国を巡る「マジック・ツアー」(これがクイーン最後のツアーとなりました)の一環として行われたハンガリー・ブダペストでの公演の模様を収めたライブドキュメンタリーです。

2部構成になっていて、まずは「マジック・ツアー」の過程を、メンバーのインタビューを交えながら凝縮したドキュメントから始まります。
「観客は多ければ多いほどいい。大きいことはいいことだ」と語る、ボーカルのフレディ・マーキュリー。その言葉どおり、「マジック・ツアー」はどこも巨大な会場が何万もの観客で埋め尽くされていて、それにまず圧倒されました。
メンバーのインタビューからは、それぞれの豊かな個性を尊重しつつも、バンドとしてより良いものを作り上げるべく、力を合わせようとする姿勢が垣間見えてきます。その姿勢は曲づくりはもちろん、ライブのステージづくりにも一貫していました。

そして、メインであるブダペストでのライブの模様がたっぷりと綴られていきます。ハンガリーの映画人によって記録された映像が、デジタルリマスターおよび5.1サラウンド音響を施され、四半世紀の時を経て甦ります。
実をいえば、それほどクイーンに詳しいわけではなかったわたくし。ライブで歌われる曲には初めて聴くものが多くありました。そんなわたくしも、一曲一曲の音楽性の高さと圧巻のステージには大いにシビれました。中でも、ボーカルのフレディの伸びやかな美声とライブパフォーマンスは、やたらカッコ良くて素晴らしいものがあり、すっかり引き込まれてしまいました。

さらに興味を惹かれたのは、集まった大観衆の熱狂ぶり。まだ当時は共産圏だったはずのハンガリーをはじめ、近隣諸国からもやって来たのであろう観衆の熱狂ぶりは、そこが共産圏であったことを忘れさせるものがありました。
やはり音楽というものは、国や政治体制の違いを軽々と越えるものなんだなあ、と思うと、なにか感慨深いものがありました。

すっかりクイーンにシビれてしまったわたくし。「1200円だしなあ•••買おうかなあ、買わないでおこうかなあ」と、購入するかどうか迷っていたパンフレットをしっかり買ってしまいました。そのうちCDも買ってみようかなあ。



宮崎キネマ館での最後の上映となった本作。観客はわたくしが見たところ9割方ぐらい入っていて、平日の夜なのになかなかの盛況ぶりでした。それもけっこう、嬉しいものがありました。
さあ、明日あさっては会場を、より大人数が入る宮崎市民プラザ・オルブライトホールに移して、ラストスパートに入っていきます。
台風が接近しているのが気にかかりますが、残り2日もそれを吹き飛ばすような盛況となってくれたらいいなあ。

口蹄疫を描いたドラマ『命のあしあと』、宮崎映画祭で上映および、全国で地上波放送されます。

2013-08-29 22:34:20 | 宮崎のお噂
今週の27日。宮崎に深く大きな痛みを与えた口蹄疫の終息が宣言されてから、3年という節目を迎えました。
その節目を踏まえ、あさって31日(土)、口蹄疫をテーマにNHK宮崎放送局が製作したドラマ『命のあしあと』が、現在開催中の第19回宮崎映画祭で上映されます。加えて、同じ日には全国向けに地上波放送もされます。



『命のあしあと』は、実際に口蹄疫の被害を受け、家畜を殺処分された畜産農家の方々などへの取材をもとに製作されたドラマです。脚本は『あぐり』や『3年B組金八先生』などのドラマを手がけた清水有生さん。今年1月にBSで放送されたあと、宮崎県、そして九州沖縄地区では地上波放送されました。
主人公の畜産農家夫妻を演じるのは、陣内孝則さんと高岡早紀さん。家族同様に手塩にかけて育ててきた牛たちを奪われ、殺処分されてしまう悲しみと苦悩を熱演しています。他には原田夏希さん、大地康雄さん、泉谷しげるさん、そして宮崎県出身の温水洋一さんといった面々が脇を固めます。
わたくしは宮崎県での地上波放送のときに視聴しました。実際の口蹄疫の被害は、ドラマよりもさらにさらにひどいものであったと思います。それでも、これまで十分に伝えられることのなかった畜産農家の悲しみや、殺処分にあたらねばならなかった獣医師たちの苦悩の一端を思い知らされ、観ていて胸が詰まりました。そして、悲しみから這い上がろうとする主人公に、口蹄疫を乗り越え宮崎牛を2年連続日本一へと育て上げた、多くの畜産農家の方々の存在を重ねました。
ともすれば、われわれ地元の人間からも薄らぎがちになる口蹄疫の記憶。それをあらためて忘れることなく心に刻むためにも、ぜひとも多くの方に観ていただければと願います。

宮崎映画祭での上映は午前10時30分から12時30分まで。会場は宮崎市役所横の宮崎市民プラザ・オルブライトホール(定員500名)。本編59分に加えスペシャルプログラムも上映予定です。また、出演の温水洋一さんをゲストに迎えてのトークショーも開催されます。このプログラムのみ入場無料で、日本語字幕および副音声つきの上映となります。
そして地上波放送は「宮崎発地域ドラマ」として、総合テレビで午後4時から5時までの放送です。
会場に足を運べる方も運べない方も、どうぞお見逃しなく!


【関連オススメ本】

『ドキュメント口蹄疫 感染爆発・全頭殺処分から復興・新生へ』
宮崎日日新聞社著、農山漁村文化協会、2011年

宮崎県を襲った口蹄疫の被害の実態を、農家や県民の立場から徹底的に取材し、伝え続けた地元新聞社が、終息の1年後にまとめあげた貴重な記録です。発生から終息までの詳細なドキュメントに加え、国や県の対応や報道のあり方まで含めた検証により、口蹄疫禍の全体像が描き出されます。
地元の人間としては、読んでいるとあのときの重苦しい日々が鮮明に思い出されてつらいところがありますが、それでも記憶をつなぐためにしっかりと読んでおきたい一冊です。

第19回宮崎映画祭観覧記(その4) 思った以上に面白く楽しめたラブストーリー『ルビー・スパークス』

2013-08-29 22:33:49 | 映画のお噂
宮崎映画祭の会期も折り返しを迎えた昨日(28日)。仕事からの帰りがけに2本、立て続けに鑑賞してきました。1本目はアメリカ映画『ルビー・スパークス』、2本目はフランス映画『スカイラブ』です。

『ルビー・スパークス』(2012年、アメリカ)
監督=ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス 出演=ポール・ダノ、ゾーイ・カザン、アネット・ベニング、アントニオ・バンデラス

デビュー作を出して以来スランプに陥り小説が書けない上、恋人や友達もいない青年小説家カルヴィン。夢の中に出てきた素敵な女性を「ルビー・スパークス」と名付けてヒロインにし、小説を書き始める。
そんなある日、突然カルヴィンの自宅にキュートな若い女性が現れる。なんと、その女性はカルヴィンが書いている小説のヒロイン、ルビーが実体化した姿であった。こうして、2人は奇妙ながらも楽しい日々を送ることになるのだったが•••。
自分が生み出した理想の女性が現実に現れる、という、非モテ男の夢というか妄想を具現化したかのような(笑)、奇想天外なラブストーリーを作り上げたのは、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006年)の監督コンビ、ジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリス。ふだん、恋愛ものはほとんど観ないわたくしなのですが、これはなかなかの拾い物。恋愛に対して不器用極まりなかった冴えない男•••個人的にはなんだか親近感が湧きましたが(笑)•••が、真実の愛に目覚めていくさまが笑いを交えながら描かれていて、けっこう楽しく観ることができました。
何より、ヒロイン役のゾーイ・カザンがすごくキュートで魅力的でした。わたくしは初めて知った女優さんですが、実は本作で脚本と共同製作も兼ねているという、なかなかの才女。『エデンの東』(1954年)などで名高い名匠、エリア・カザン監督のお孫さんでもあるとか。

『スカイラブ』(2011年、フランス)
監督=ジュリー・デルビー 出演=ジュリー・デルビー、エリック・エルモスニーノ、オーレ・アッティカ

1979年。アメリカの宇宙ステーション、スカイラブが落下するかもしれないとの噂でもちきりのフランスはブルゴーニュ。そこに住むおばあちゃんの誕生日を祝うべく、大人数の一族が次々に集まり、賑やかに宴が始まる。だが、この一族には一癖も二癖もあるメンツが揃っていて、何かと騒動やトラブルが起こったりする中で、大家族の夏の日々が過ぎていくのであった•••。
序盤、ある種の郷愁さえ感じさせる大家族の夏の一コマが描かれたかと思いきや、ちょっと風変わりな一族の面々によって、少しずつタガの外れたものになっていきます。そんな一族の悲喜こもごもを、フランス映画らしい機知や皮肉(時にきわどい会話も交えながら)に富んだセリフのやりとりで見せてくれる、大人が楽しめるコメディ映画に仕上がっておりました。
本作も、主演女優であるジュリー・デルビーが監督と脚本も兼ねています。この日観た2本とも、主演女優が作り手としても才能を発揮した映画だったのでありました。


映画祭の会場となっている宮崎キネマ館には、「がれきに花を咲かせようプロジェクト」展と称した展示スペースが設けられています。
おととしの東日本大震災で被害を受けた、福島県は伊達市にある県立保原高校美術部の生徒さんたちが、「震災で発生した瓦礫に花の絵を描くことで地域の復興と建物の再建を願い、それを伝えることで、人々の心に明るい希望や元気が生まれるように」との願いをこめて立ち上げたプロジェクトだとか。今回の宮崎映画祭で2作品が上映されている大林宣彦監督も、プロジェクトを立ち上げた生徒さんたちと交流しておられるそうです。


展示を見ていると、自分たちの愛するふるさとを想う生徒さんたちの気持ちが、ストレートに伝わってくるようでありました。
映画祭の会期もあと少しですが、会場に足をお運びの際には、ぜひご覧になっていただけるよう願います。

第19回宮崎映画祭観覧記(その3) スカッとする痛快な娯楽作『カリフォルニア・ドールズ』

2013-08-27 23:03:09 | 映画のお噂
昨日は鑑賞をお休みした宮崎映画祭。きょう仕事が終わったあと鑑賞したのは『カリフォルニア・ドールズ』でした。
『何がジェーンに起ったか?』(1962年)、『特攻大作戦』(1967年)、『ロンゲスト・ヤード』(1974年)などの作品で知られる、反骨の姿勢を貫き続けた娯楽映画の巨匠、ロバート・アルドリッチ(もしくはオルドリッチ)監督の、最後の作品となったスポーツ活劇映画であります。作中に使われている音楽の権利問題から、現在に至るまでDVDやブルーレイ化されていないというお宝映画でもあります。

『カリフォルニア・ドールズ』(1981年、アメリカ)
監督=ロバート・アルドリッチ 出演=ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、バート・ヤング

女子プロレスで「カリフォルニア・ドールズ」という名前のタッグを組んでいるアイリスとモリー。そのマネージャー兼トレーナーで、ちょっと傲慢なところのあるハリー。
場末の試合でファイトマネーをケチられたり、恥も外聞もない文字通りの泥仕合をさせられたり•••。不遇な境遇にもがき、時に反目しながらも、3人は成功を夢見ながら過酷な巡業を重ねていく。
そんな3人に、賞金1万ドルの北米チームタッグ選手権に出場するチャンスが訪れる。対戦相手は、因縁の仇敵でもある強豪のタッグ「トレドの虎」。かくて、二組による制限時間30分の激闘へのゴングが鳴らされる•••。

いやはや、実に面白い映画でありました。特に、後半の「トレドの虎」との対戦シーンの痛快な展開には、けっこう燃えるものがあり、わたくしは手に汗を握りながら観ておりました。
『刑事コロンボ』でおなじみのピーター・フォークが演じた、いまいち冴えない(けども妙なところで頭が回る)ハリーがなかなかいい味でした。また、『ロッキー』シリーズでエイドリアンの兄を演じていたバート・ヤングが、本作では実に嫌ったらしい悪徳興行師を演じていて、これもまたいい感じでした。
しかしなんといっても、「カリフォルニア・ドールズ」を身体を張って熱演した、ヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンの2人が見事でした。なんでも、プロレス場面もトレーニングを受けてスタントなしで演じ切ったそうな。2人と対戦する日本人レスラーの1人がミミ萩原さんというのも見ものであります。
プロレスが題材ゆえ、ちょっと痛そうな場面もあったりしますが、観ればスカッとすること間違いなしの痛快娯楽編でした。


映画単体のパンフレットはなかったのですが、その代わりに物販コーナーで買ったのが、この『ロバート・オルドリッチ読本 1』(遠山純生編著、boid)。監督の歩みや代表作の解説、インタビューの再録などに加え、『カリフォルニア・ドールズ』と『合衆国最後の日』(1977年)についての詳細な解説やエピソード、出演者の紹介が載っております。表紙の写真も、それこそ『~ドールズ』のものであります。

第19回宮崎映画祭観覧記(その2) 再び談志師匠の至芸に触れる喜びに浸れた『映画 立川談志』

2013-08-26 23:46:13 | 映画のお噂
宮崎映画祭2日目となった昨日(25日)。わたくしは2本の映画を鑑賞いたしました。大林宣彦監督の最新作『この空の花 -長岡花火物語』と、立川談志師匠の一周忌追善プロジェクトとして製作された『映画 立川談志』であります。


『この空の花 -長岡花火物語』(2011年、日本)
監督=大林宣彦 出演=松雪泰子、高嶋政宏、原田夏希、猪股南、柄本明、富司純子

2011年夏。熊本県天草の地元紙の記者を務める玲子は、かつての恋人から届いた「長岡の花火と、自分の高校の女子生徒が書いた脚本で演じられる、戦争を題材にした舞台を見てほしい」との手紙に導かれ、新潟県長岡市を訪れる。行く先々でさまざまな人びとに出逢う中で不思議な体験を重ねながら、少しずつ長岡の歴史を知っていく玲子。長岡の花火は単なるお祭りではなく、過去の戦争や中越地震で亡くなった人びとを追悼し、復興を誓う祈りの花火だったのだ。
舞台当日。太平洋戦争末期に起きた、長岡大空襲の悲劇が生徒たちによって演じられていく。そして夜空には、鎮魂と祈りの花火が次々と上がっていくのであった•••。
長岡の花火と、そこに込められた歴史に惹きつけられた大林監督が、長岡の人びとともに作り上げた一大映像叙事詩です。
物語は時空と虚実を自在に往還しつつ、戊辰戦争や太平洋戦争での長岡大空襲、2004年の中越地震、そして3年前の東日本大震災の記憶とが紡ぎ合わされていきます。イメージの奔流の中に浮き彫りにされる、平和へのメッセージと祈りには胸打つものがありました。
舞台のシーンでのセリフにあった、「人間が人間にできる最も残酷なことは、想像力を奪うことだ」ということばが、強く印象に残りました。
出演者も実に多彩で、大林作品ではおなじみの面々や、地元長岡の人びとも多数出演しているほか、意外な人が意外なところで出ていたりしておりました。そんな中、本作で映画デビューを果たした女子高生役の新人・猪股南さんが鮮烈な印象を与えてくれました。


『映画 立川談志』(2012年、日本)
監督=加藤たけし 出演=立川談志、松岡弓子 ナレーション=柄本明(ドキュメンタリー)

おととしの11月に逝去した落語家・立川談志師匠。「落語は人間の業の肯定である」や「イリュージョン」といった考え方により、古典落語を現代にも通じる藝能として再生させた、まさに現代最高の落語家でありました。また、破天荒な毒舌家として喝采を浴びる一方で、数々のトラブルに事欠かない方でもありました。
本作は、2005年の「やかん」と、2006年の「芝浜」の高座映像をメインに据え、それに未公開のプライベート映像などを織り交ぜて製作されたドキュメンタリー作品です。
独演会の終盤、まだ時間があるから何かやるか、と言いつつ始められる「やかん」。八五郎にあれやこれやとモノの由来を尋ねられる知ったかぶりの長屋のご隠居が、適当な答えを連発してやり過ごしていくという「根問いもの」噺を、談志師匠が自在にアレンジ。次々と繰り出される奔放かつ馬鹿馬鹿しいイリュージョンや、「冒険家とは恐怖に対する感度が鈍い奴のこと」などの“名言”の数々に爆笑させられました。
そして、談志師匠十八番の「芝浜」。酒にだらしない魚屋の勝五郎が、芝浜での釣りで大金の入った財布を拾います。これでもう働かなくってもいい、と祝杯を上げて寝入り、翌朝目覚めると財布がありません。夢でも見たんじゃないか、という女房・おはまのコトバを信じ込み、真面目に仕事に打ち込む勝五郎。それから3年後の大晦日、勝五郎がおはまから打ち明けられた話は•••。
豊かな表情で巧みに演じられる夫婦のやりとりに大笑いさせられるとともに、ラストでの夫婦愛を際立たせる情感あふれる熱演には胸を打つものがあり、あらためて引き込まれました。噺が終わったとたん、画面の中の高座の観客のみならず、なんと映画を観ていた観客からも大きな拍手が!
没後2年足らずの間、談志師匠のいない空白感を覚えたりしていたわたくしでありましたが、本作で久々に、その至芸を堪能できる喜びに浸ることができました。
上映終了後は、談志師匠の愛弟子にして大の映画好きでもある(どころか映画監督でもある)、立川志らく師匠によるトークショーが開催されました。亡き師匠の思い出の数々を語りながらも湿っぽさは微塵もなく、それこそ落語のような語り口で大いに抱腹絶倒させられました。
この回の上映はほぼ満席状態。これ1回きりの上映ということもあったのでしょうが、やはり少なからぬ人たちが、今でも談志師匠を愛していることの証左だったのではないかと感じられ、嬉しい気持ちになりました。

終映後、物販コーナーにてこの2点を購入しました。『映画 立川談志』のパンフレットと、若き日の談志師匠が初めて出した1965年の著書『現代落語論』(三一新書)。パンフレットには、今回の宮崎映画祭で『この空の花』と『転校生』が上映されている大林宣彦監督のほか、吉川潮さんや松尾貴史さん、太田光さんなどが寄稿しておられます。