読んで、観て、呑む。 ~閑古堂雑記~

宮崎の某書店に勤める閑古堂が、本と雑誌、映画やドキュメンタリー、お酒の話などを、つらつらと綴ってまいります。

『THE MAKING』を(ほぼ)コンプリートで観てみた。 【その2】第11回〜第20回

2021-12-10 22:33:00 | ドキュメンタリーのお噂
さまざまな製品が製造されていく過程を、余分な要素を排したシンプルな構成で辿っていく科学技術教育番組シリーズ『THE  MAKING』。その全317回(+スペシャル版)のうち、現在見ることができるすべての回を観た上で、ごくごく簡単な見どころ紹介と感想を綴っていくという物好きな(笑)続きもの記事の2回目です。


シリーズの詳しい説明等は【その1】に譲ることにして、今回はさっそく第11回から第20回までを紹介していきたいと思います。なお、配信停止やリンク切れの節はご容赦くださいませ。
(2022年6月11日追記。該当回へのリンクを、画面埋め込みの形で新たに貼り直しました)


(11)レンズ付フィルムのリサイクル

この回は、製品ができるまでを追っていく通常の回とは趣を変え、使用された製品が「リサイクル」されるまでを追っています(この後も数回、リサイクルを扱った回が製作されております)。
手軽に写真を撮ることができるアイテムとして、かつてはよくお世話になっていたのに、ケータイやスマホで写真を撮ることが当たり前となったいまでは、まったく使うこともなくなってしまったレンズ付フィルム。その最盛期にはこんなに大量に、それも完璧なまでのフルオートメーションによって再生されていたんだなあ・・・と、観ていて感慨深いものがございました・・・。

(12)口紅ができるまで

口紅の製造工程に、まさか電子レンジが登場してくるとは思わなかったな(笑)。口紅の充填のときにできる「収縮孔」(口紅を充填したあとにできてしまう溝のこと)の説明図が手描きのイラストというのも、なんだか微笑ましいものがございました。製造工程の中で何度も、カメラや人の目を用いたチェックが行われていることも印象的でした。

(13)ピアノができるまで

側板(がわいた)の製作など、機械の力を借りて行う前半の製造工程と、弦を張ったり調律をしたりといった、人の手と耳を使う後半の緻密な工程のコントラストが面白いですね。出荷する場所(国内はもちろん海外も)の湿度に慣らすための「シーズニング」なる工程があるのも興味深かったです。そして打鍵と打弦テスト場面の賑やかなこと(笑)。

(14)くつ下ができるまで

冒頭に登場する、回転させながら筒状に編んでいく「編み立て機」が、なかなかよくできているなあと感心。すべてを一気に縫い上げていくかと思いきや、つま先部分は別に縫い上げてから本体と縫い合わせるんですね。紙テープに打ち込んだ刺繍データをコンピュータに読み取らせるというあたりに、時代の流れをしみじみと感じさせられます・・・。
(この回が製作されたのは1998年)

(15)発泡スチロールトレーのリサイクル

この回もリサイクルがテーマ。発泡スチロールの9割が空気でできているということを、恥ずかしながらこれで初めて知りました(汗)。白いトレーと柄もののトレーをセンサーで識別し、柄ものをエアーで吹き飛ばして白いトレーだけを選り分けるラインが、実に見事でありました。

(16)アルミ缶のリサイクル

引き続いてリサイクルの回。回収されて溶かされたアルミからできた、厚さ50センチの巨大なアルミの固まり「スラブ」を、ローラーで薄く薄く(最終的には厚さ6ミリにまで)延ばしていく工程が見ものでした。あのスラブ、重さにしてどのくらいあるのやら・・・。

(17)自動車ができるまで

本体ボディの成形から、流れ作業での組み立て作業、そしてさまざまなテストを経て出荷されるまでの過程が、15分弱の尺でコンパクトにまとまっております。
見どころはなんといっても、本体ボディの溶接や塗装、部品の取り付けなどで稼働するロボットたちの働きっぷりでしょう。なかでスペアタイヤを取り付けるロボットの動きが実に見事なのですが、そのバックになぜかミッキーマウスのテーマが流れてるのには笑いましたな。

(18)時計ができるまで

各部品の製造の多くは機械によるもの。とりわけ、コイルの銅線を目にも止まらぬ速さで24000回巻きつける機械には、見ていて思わずため息が出るほどスゴかったですねえ。その一方で、細かい組み立て作業を正確に、かつ手早くこなしておられる作業員の皆さんの熟練の技もまた、なかなか見事でありました。

(19)ミシンができるまで

ミシン内部の形状やメカニズムが、想像以上に複雑であることに驚かされました。そしてここでも、組み立てにあたる人たちの熟練の技に感心することしきり。機械もスゴいけど、なかなかどうしてニンゲンもけっこうスゴいもんだよなあ。

(20)セロハンテープのできるまで

天然ゴムや樹脂、溶剤などからなる粘着剤を攪拌し、製造する工程で、静電気による火災を防ぐために水蒸気を使ったり(湿気があると静電気が起こりにくいので)、溶剤は蒸発させてから回収して再利用したり・・・と、普段何気なく使うセロハンテープの生産における工夫の数々に「なるほど〜」の連打でありました。


シリーズの過去記事は以下のとおりです。




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