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山遊び・海遊びやカメラ・写真、星、電子工作(真空管・スピーカー等)の記事を中心にブログに掲載しています
南竹 成己

スピーカー工作

2012年03月09日 | インポート
Dscn1943
アンプの話が続いたので、スピーカーも。このスピーカーは自分がメインで使ってるもの。9年前に自作しています。10センチのウーファー+ドームツイーターの2ウェイバスレフ型。10センチのウーファーに対しては外形寸法が大きいですが、エンクロージャー(箱)内に工夫をし、エンクロージャー内で発生し音を濁らせる定在波をキャンセルするために断面が三角や丸の断面の木材を貼り付けています。よって内部の容量はそれほど大きくない。7リットルほど。普通のスピーカーはこの定在波を抑えるために吸音材(グラスウールやフェルト)を用いますが、振動版の動きが鈍いというかドロンした感じになる締りのない低音になってしまいます。定在波は平行な面を行ったり来たりする音波で、四角のコンクリートの部屋で手をたたくといつまで経っても音が反響して消えませんね。あれです。要は平行面を無くせばいいですから、構造的にスピーカーの一部を斜めにしたり、このような四角のスピーカーでは吸音材を貼ったり、内部を工夫してみたりします。このスピーカーは吸音材を使用していませんので、低音が非常に明瞭で好結果となっています。

低域、高域をウーファーとツイーターで分けるネットワーク回路はシンプルにコイル、コンデンサ各1個ずつ。ネットワーク回路の設計は理論的には簡単ですが、実際にはカットアンド・トライです。理想は再生周波数帯域の出力レベルが、低域から高域までフラットになることですが、ウーファーとツイーターの役割分担点が存在するので、そこの音の繋がりをうまくやらなければなりません。測定器がないので、耳で調整します。3ウェイになると、これが2つありますから、頭が痛いですね。実際にスピーカーを厳密に測定するとすごいですよ。厳密に言うとフラットなスピーカーなんてほとんどありません山あり谷あり。こんなもんでいいんだって思ってしまいます。

材料はシナ合板。バッフル(正面の板)が写真で見ても材料が違うのが明らかですが、米松の集成材だったかな??当初はバッフルを取り替えられるように考えていましたが、エンクロージャー本体とバッフルが完全に密着しないので音がびびる場合があり、結局接着しました。メーカー製のスピーカーはMDFといって木材の小片を圧縮して作ったパーティクルボードの一種を使用しています。自作では合板を使いますが、これも音響的には優秀と言われています。このスピーカーでは表面のきれいなシナ合板を使っていますが、最近のスピーカー工作ではラワン合板を使います。最近合板が高くて。。ラワンでも表面をしっかり仕上げればとても美しく仕上がります。一枚板を使ったらどうなるか??って思う時もありますが、工作が大変でしょうね。集成材も若干反りがあるし。