中華門の見物は50分ほどで終わり・・次はいよいよ“南京大屠杀纪念馆nanjing datusha jinianguan”
「南京大虐殺記念館」の見学・・南京に来てここを外すのは後で後悔すると思って行くことにしたが
あまり気が進まない
南京はタクシーが少ないのであまり利用することは無かったが・・運良くつかまり、タクシーで行く
運転手はどこの人間だと聞く気配もない、「案ずるより産むがやすし」とはよく言ったものだ
初乗り7元(安い!)で20分走り20元で到着
遠くからでも大勢の人が並んでいるのが見える(中央分離帯の向こうに見える灰色の建物)
取り敢えず列に並ぶがなかなか前に進まない・・館内の混雑を避けるためか、一定の人数を数分間隔で
入れているらしい
今日は特別お天気が良く・・気温はそんなに高くないように思うが陽射しが強く日傘が随分役に立つ
意図して撮った訳ではないのにこの様な写真があった・・分かり辛いが正に日傘の波
後ろに並んでいた若い女性が前に詰めてきたので、日傘を差しかけてあげると
彼女も強い陽射しを我慢していたのか「私が持ちます」と言って入館までずっと傘を差してくれていた
その間、話をすることができたのは幸いだった
何処の人かと尋ねられたので・・日本人だと答えると、一瞬「ん?」と言うような顔をしたが何も言わなかった
日本人が何故ここに来るのかと思ったのだろう
近くにいた若い女性とも話をした・・彼女たちは厦门大学xiamen daxue(アモイ大学)の学生だった
私たちも青島大学の留学生と言うことで話が弾んだ
何故だか・・行列の周りを中国国旗を持った男性たちが国旗を売って回っていたので、私も1本買うことにする
なぜそのような気になったのか・・・私自身も不可解だ
やっと入れた!と思ったのは敷地内で、入館できるまでには又、この列に並ばなければならず
結局1時間もかかってやっと入ることができた
この南京大虐殺記念館は2006年6月25日を最後の開館日にして、2006年6月26日から南京大虐殺70周年の
2007年12月13日落成を目指し拡張工事が開始され一時閉館となった。
完成後の敷地面積は2.2ヘクタールから4.7ヘクタールに大きく拡張される。敷地内の構成は東部地区に新資料館が建設され、中部地区に旧資料館、西部地区には和平公園が建設される。
新資料館は地上1階、地下2階で構成され屋上と旧資料館の広場を使用すると3万人規模の集会が開催できる広場となる
改修以前は入館は有料で10元必要だったが、改修後は無料となっている
感の強い私は入るなり何とも妙な気がした
中国がここを作った意図が強く感じられるからであろうか
南京大虐殺は、侵華日軍が国際公法と人類の基本的な道徳規範に公然と違反し、1937年
12月から1938年1月までの六週間にわたって、南京で兵を使って無辜の人々への虐殺をほしいままに行い、その
手立てが野蛮残忍で、その上強姦、略奪、放火、破壊などの愚行も行ったと言う事件である。戦後、国際軍事法廷と
東京戦犯軍事法廷が特別案件として調査審判を行った。その中で、東京戦犯軍事法廷は、調査した結果、日本軍に
よる集団は、28件で、その犠牲者数は19万人に達し、個別分散虐殺は858件でその犠牲者数が15万人にも達した
と言う判定を下した。 それはこの世のものとも思われない大惨事であり、歴史に凄惨で恐ろしい一ページを残した。
と言う説明文が書かれてある
近年、「南京大虐殺30万人の信憑性」に付いて問題ありと言うニュースが流れていたが、館内の至る所に
この数字が掲げられており、何とも不思議な感じがした
日本は世界で唯一の原爆被爆国で・・私は長崎と広島で生活をし、度々「原爆資料館」を訪れたが
この様な被害を前面に出して、相手国アメリカを非難してはいなかったように感じた
余りにも惨いので写真を撮る気にならなかったが・・夫が撮ったものと合わせて少し紹介しておくことにする
このように大勢の中国人が、写真に収めている
書かれている言葉は“許すことはできても、忘れることはできない”
“起こった事は忘れず、今後の師としよう”
勉強不足の私には多くを語ることはできないが・・何とも辛い
中国での生活の5年間・・1度も嫌な思いをしたことが無い、むしろ中国人はとても親切で暖かい
中国と日本の国家間の問題と、今を生きている国民の思いには幾分の温度差があるように感じる
この資料を集めながら・・櫻井よしこさんの 『異形の大国 中国』と言う著書の一文を目にした
今度帰国したら買って読んでみたいと思っている
50分ほどで見学を終え・・夫が近くに地下鉄駅があるのを見つけ地下鉄で南京南駅に戻る
バスは14:30なので午後からもう一か所くらい行けそうだったが
遅れると困るのでパスし、バスセンターへ急ぐ
途中で見つけた南京南駅地下道にある食堂街
夫;椒牛柳セット38元(手前) 私;铁板洋葱茄汁猪扒八 セット38元・・夫は牛を私は豚を食べたのでした
他にサラダとスープ、万頭、梅ジュースが付いていましたが
焼き飯もスープも全く味が付いていない感じで・・写真は美味しそうだったので期待していただけに、残念!
さて、腹ごしらえも出来た所で・・揚州へ行くバスを待ちます
ある中国人の友人が「中国人は自分の利益の為なら嘘をつく」と言いました
「あなたも?」と聞くと・・ちょっと考えて「はい!」と答えました
彼女は真面目な学生なのです
私に中国人の特徴を教えてくれたのでしょう
昨年の尖閣諸島沖漁船事件の際、「日本は『大人の対応』をすべきである」といった意見がありました。
しかし、こちらがどんな態度をとっても
中国は自国中心の考えを貫くでしょう
日本人のお行儀の良さが外交面のよわさになっていると
こちらで生活していて強く感じています。
私もどうしたらよいのか分からないので
取り敢えず櫻井さんの本を読んでみようかと思っています。
ただ、尖閣諸島の問題等を見ると中国側の主張を信じられない気持ちにはなります。