灯油二缶と母を後部座席に乗せガソリンスタンドへ向かった。
昨日、通りすがりのスタンドにテンチョーの姿を見かけたから。
今朝も、きっといるだろうなと確信して。
テンチョーは、いました。
3つのレーンは全て塞がっていて、
その中で真ん中のレーンへテンチョーが誘導してくれた。
そして、そのままテンチョーは左側のレーンへ。
私の担当は初めて見る顔の若い男の子で、
ちょっとたどたどしい応対も不慣れさも新鮮に映る。
左側のレーンからテンチョーが、
その様子を気に掛けて見ているのが感じられた。
いつものようにレギューラー満タンと灯油二缶を頼むと、
ちょっと別々の領収書の件で戸惑ったようだったけれど。
それでもニッコリ笑いながら給油口へ駆けていった、
その後テンチョーは自分の担当の車を見送り私の後部まで来て。
灯油缶を手にして走って行った。
私が灯油置き場のテンチョーへ目を向けると、
そこで立ち話に興じている店員二人の姿が見えた。
テンチョーが灯油を入れ始めると、その二人は話を止めて散り散りに分かれていった。
その姿をテンチョーは目で追い、
それから私の車と私の右隣の車の様子を交互に伺っていた。
程なく空いていた左側にも次の車が入り、
そこへは自分から走り寄ると新人さんに何やら指示を出した。
それから灯油を取りに戻り私の車に向かってきたのが見えたから。
車外に出てドアを開け、それを入れてもらった。
「ありがとうございます」とテンチョーに言うと、
テンチョーは笑顔を返してくれた。
でも、ちょっぴり今朝のテンチョーには疲れの色が見えた。
そのときのメンバーによって活気と熱気、
活き活きとした空気の中で張り張りと働くテンチョーの姿を見ることもあれば。
今日のように、
テンチョーの横顔に影を見ることもある。
店員の溌剌とした声も聞こえないし、
さっき喋っていた二人の姿もどこに消えたのか見えない。
新人さんと前からいる女の子とテンチョーと、
3人で忙しげに走り回っていた。
大変そうだ、と思った。
そんな中、領収書を別々になんて面倒を言って申し訳なく思った。
私のカードと、それを持って来てくれたのもテンチョーだった。
「別々にサインを・・・」
と言ってペンを差し出してくれたのもテンチョーだった。
受け取る時、
私はちょっとだけテンチョーの指に指を触れた。
私の指が暖かい車中で温まっていたせいなのか、
テンチョーの指がとても冷たく感じた。
温めて、あげられたらいいのになと思った。
寒いだろうな。冷たいだろうな。
何か、テンチョーにひと言添えたかったけれど。
とにかく少しでも早く車を出すことばかり考えて結局、
「ありがとうございました」
しか言えなかった。
意気地なしな私。
何か言いたくても何ひとつ言えやしない。
母が乗っていたこともあったけど、
もし乗っていなくてもきっと同じだったね。
やっぱり、もっと距離を縮めたいなあ・・・・・・。
自分で自分を冗談に思っていたけど、
もしかしたら案外・・・・・・
本気になりかけてるかもしれない。私。
昨日、通りすがりのスタンドにテンチョーの姿を見かけたから。
今朝も、きっといるだろうなと確信して。
テンチョーは、いました。
3つのレーンは全て塞がっていて、
その中で真ん中のレーンへテンチョーが誘導してくれた。
そして、そのままテンチョーは左側のレーンへ。
私の担当は初めて見る顔の若い男の子で、
ちょっとたどたどしい応対も不慣れさも新鮮に映る。
左側のレーンからテンチョーが、
その様子を気に掛けて見ているのが感じられた。
いつものようにレギューラー満タンと灯油二缶を頼むと、
ちょっと別々の領収書の件で戸惑ったようだったけれど。
それでもニッコリ笑いながら給油口へ駆けていった、
その後テンチョーは自分の担当の車を見送り私の後部まで来て。
灯油缶を手にして走って行った。
私が灯油置き場のテンチョーへ目を向けると、
そこで立ち話に興じている店員二人の姿が見えた。
テンチョーが灯油を入れ始めると、その二人は話を止めて散り散りに分かれていった。
その姿をテンチョーは目で追い、
それから私の車と私の右隣の車の様子を交互に伺っていた。
程なく空いていた左側にも次の車が入り、
そこへは自分から走り寄ると新人さんに何やら指示を出した。
それから灯油を取りに戻り私の車に向かってきたのが見えたから。
車外に出てドアを開け、それを入れてもらった。
「ありがとうございます」とテンチョーに言うと、
テンチョーは笑顔を返してくれた。
でも、ちょっぴり今朝のテンチョーには疲れの色が見えた。
そのときのメンバーによって活気と熱気、
活き活きとした空気の中で張り張りと働くテンチョーの姿を見ることもあれば。
今日のように、
テンチョーの横顔に影を見ることもある。
店員の溌剌とした声も聞こえないし、
さっき喋っていた二人の姿もどこに消えたのか見えない。
新人さんと前からいる女の子とテンチョーと、
3人で忙しげに走り回っていた。
大変そうだ、と思った。
そんな中、領収書を別々になんて面倒を言って申し訳なく思った。
私のカードと、それを持って来てくれたのもテンチョーだった。
「別々にサインを・・・」
と言ってペンを差し出してくれたのもテンチョーだった。
受け取る時、
私はちょっとだけテンチョーの指に指を触れた。
私の指が暖かい車中で温まっていたせいなのか、
テンチョーの指がとても冷たく感じた。
温めて、あげられたらいいのになと思った。
寒いだろうな。冷たいだろうな。
何か、テンチョーにひと言添えたかったけれど。
とにかく少しでも早く車を出すことばかり考えて結局、
「ありがとうございました」
しか言えなかった。
意気地なしな私。
何か言いたくても何ひとつ言えやしない。
母が乗っていたこともあったけど、
もし乗っていなくてもきっと同じだったね。
やっぱり、もっと距離を縮めたいなあ・・・・・・。
自分で自分を冗談に思っていたけど、
もしかしたら案外・・・・・・
本気になりかけてるかもしれない。私。