国連の気候変動の公式Twitterが日本時間の10月27日夜、1本の動画を投稿した。
映像の舞台は国連本部が置かれるニューヨーク。国連総会が開かれている会議場内に突然、絶滅したはずの恐竜が入ってきて演説を始める。恐竜は何を訴えたのか。
絶滅した恐竜が必死に呼びかけたこと
投稿された約2分半の動画は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が10月31日から開幕するのを前に気候危機を訴える内容だった。
このまま人を食べてしまうのかと思いきや、1人の男性に向かって「大丈夫か?少し時間が必要か?(Are you OK?You need a minute?)」と呼びかける。
皆さん、よく聞いてほしい。私は絶滅について、1つか2つのことくらいは知っているんだ。だから、あなたに話をさせてくれ。
これは明らかなことだと思うが、絶滅に向かうことは悪いことだ。人間たちは自分たち自身も絶滅させるのか?それは、過去7000万年の間に私が聞いた話の中で、最も馬鹿げている。
少なくとも、私たちは小惑星の直撃を受けた。あなたの言い訳は何なのだ?あなたは気候災害の責任者なんだ。しかしながら、政府は毎年、数千億の化石燃料に公的な助成金を費やしている。巨大な隕石への助成金として年間数千億ドルもの大金を費やすと想像してみたらよい。それが、今あなたたちがしていることなのだ!
それらのお金で出来る他の全てのことに、考えをめぐらしてみてほしい。世界を見渡せば、貧困の中で暮らしている人がいる。(お金の使い道として)彼らを助けることの方が理にかなっていると思わないか。私には分からないが...このまま、人類の絶滅にお金を払っていくのか?
ちょっと真面目に言わせてほしい。あなたは今、経済を立て直し、このパンデミックから立ち直るとても大きな機会を手にしている。これは人類にとって、大きなチャンスなんだ!
だから、私の大胆なアイデアを披露しよう。絶滅を選ぶな。手遅れになる前に種を救おう。あなたたち人間が言い訳をするのをやめ、変わり始める時が来たのだ。ご静聴ありがとう。
恐竜による演説が終わると、聞いていた人々は次々と立ち上がって拍手をした。動画の最後は「it’s now or never(今やるか、やらないか)」というメッセージで締め括られ、国連開発計画の「Don’tChooseExtinction.com」という特設サイトのURLが表示される。
このサイトでは、気候変動の脅威を地球に迫る隕石の姿で示されている。
動画にはTwitterで「シンプルかつ効果的なメッセージだ」「今こそアクションを起こす時ということだね」などと感想が寄せられていた。
国連の気候変動の公式Twitterはこの投稿で、IMF(国際通貨基金)によると、世界政府は温室効果ガスの排出を引き起こす化石燃料を支援するため、1分間に約1100万ドル(12億5000万円相当)を費やしていると綴っていた。