その小鳥は 狭い世界に住んでいた
目を開いたときから 仲間はたくさんいたけれど 小さなかごの中暮らし・・・
ある時から 優しそうな人に選ばれ 連れられて
空の見える窓際の 少し高いところに置かれた 鳥かごの中で暮らしている
ご主人は いつも笑顔でのぞきこんで 「おはよう」と声をかけてくれる
毎日食べきれるだけのご飯と 新しい水を用意してくれる
鳥かごには ゆらゆら揺れるブランコも用意してくれた
毎朝仕事に出かけるときは レースのカーテンを鳥かごの分だけ
開けて 「いってくるね」 優しくと云った
小鳥はお留守番をしながら ブランコにのって ゆらゆら ゆらゆら
空の移ろいを 長いこと眺めるのが日課になった
時に 窓ガラスの外の塀の上の いい面構えのボス猫と目が合ったり
物干しにとまった大きなカラスに 睨まれたりもした
「大丈夫 大丈夫 ここは安全で あったかい場所なんだから・・・」
ひとしきり 睨みをきかせていたカラスが 大きく羽を広げて
高い空に勢いよく飛び立っていった
その姿は 小さく小さくなって 青い空に吸い込まれていく
小鳥は その姿を目で追った
小さな鳥が 小さな瞳で 見上げた空は
鳥カゴで 切り刻まれた空だった
小さな鳥の心の中に ふっと小さな哀しみが生れた・・・
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今回は ショートストリーお届けしました♪
拙いお話ですが お付き合いいただきありがとうございました (*´-`*)
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