「保育園の時、一緒でしたよね?」
この四月に異動してこられた女性職員に、職場で声をかけられた。
「え?」
急なことに、一瞬とまどったが、すぐに合点がいく。
息子を保育園に通わせている時に、同じクラスだった勇太郎君。
なんと、そのお母さんではないか。
何だか似ているなあと思っていたものの、桜田さんという名字と、
「勇太郎のお母さん」という存在が、わたしの頭の中で結びつかなかったのである。
「え~、あら~。県職員だったんですね!びっくりです」
とわたし。
職場での会話だったので、そこまでで本日の会話は終わり。
本当は、
「勇太郎君は、お元気ですか?」
「絵がお上手でしたけど、その道に進まれたのですか?」
「保育園に通われていた頃は、どちらに勤務されていたのですか?」
などと、懐かしさのあまり、いろいろと聞きたいことが湧き上がったものの、
考えてみれば、息子たちが保育園を卒業して、かれこれ15年がたつ。
わたしたちの間にも、それだけの長い歳月が、横たわる。
その間、母親同士で、連絡を取り合ってきたわけでもない。
お互い、同じ地方団体の職員であったことを、今知ったぐらいの遠い関係だったのである。
どこまでプライベートなことを尋ねてもいいものやら……。
同じ職場にいるのだから、これから仕事上のかかわりは増えるだろう。
仕事は仕事、プライベートはプライベート、と割り切って、フツーに会話すれば
いいのであるが、どうも意識してしまいそう。
朝夕、子供を迎えに行った時に、慌ただしく顔を合わせるぐらいの間柄で、それほど
付き合いがあったわけではない。
それでも、わたしにとっては、「桜田さん」という同僚であるというよりも、もはや、
「勇太郎君のお母さん」という感覚の方が、ピンとくるようになっているから、不思議なものである。
この四月に異動してこられた女性職員に、職場で声をかけられた。
「え?」
急なことに、一瞬とまどったが、すぐに合点がいく。
息子を保育園に通わせている時に、同じクラスだった勇太郎君。
なんと、そのお母さんではないか。
何だか似ているなあと思っていたものの、桜田さんという名字と、
「勇太郎のお母さん」という存在が、わたしの頭の中で結びつかなかったのである。
「え~、あら~。県職員だったんですね!びっくりです」
とわたし。
職場での会話だったので、そこまでで本日の会話は終わり。
本当は、
「勇太郎君は、お元気ですか?」
「絵がお上手でしたけど、その道に進まれたのですか?」
「保育園に通われていた頃は、どちらに勤務されていたのですか?」
などと、懐かしさのあまり、いろいろと聞きたいことが湧き上がったものの、
考えてみれば、息子たちが保育園を卒業して、かれこれ15年がたつ。
わたしたちの間にも、それだけの長い歳月が、横たわる。
その間、母親同士で、連絡を取り合ってきたわけでもない。
お互い、同じ地方団体の職員であったことを、今知ったぐらいの遠い関係だったのである。
どこまでプライベートなことを尋ねてもいいものやら……。
同じ職場にいるのだから、これから仕事上のかかわりは増えるだろう。
仕事は仕事、プライベートはプライベート、と割り切って、フツーに会話すれば
いいのであるが、どうも意識してしまいそう。
朝夕、子供を迎えに行った時に、慌ただしく顔を合わせるぐらいの間柄で、それほど
付き合いがあったわけではない。
それでも、わたしにとっては、「桜田さん」という同僚であるというよりも、もはや、
「勇太郎君のお母さん」という感覚の方が、ピンとくるようになっているから、不思議なものである。