TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

平和なお祭り騒ぎ

2012年03月25日 | インポート
 異動の季節である。

先日、意向打診が行われた。
まだ3年目のわたしには、お呼びがかからず。
 環境の変化が苦手なたちなので、ホッと一息つく。
寒ければ寒いなりに、気持ちが落ちたが、暖かい風が吹き始める今の時期も
ざわざわと胸が騒ぐようで、落ち着かない。

 管理課のメンバーは、異動もなく、このまま続行となるだろう。

休職者は引き続き休職のまま。
 一方、役人の割りには、意外に早くウツから復帰したG氏。
薬が効き過ぎているのか、居眠りとハイテンションを繰り返し、
「やる気茶屋」などと、茶化され、おだてられ、利用されながら、残業の日々を送っている。、

 ニコチン中毒の隣人はといえば、相変わらず、客がたてこんだと言っては、ガレージで一服、
パソコンの入力量が多いといっては、再び一服。
あれこれ理由をつけては、席はずす。
 そして、たっぷりの余韻をからだにまとわりつかせて、部屋に戻ってくる。

 ”残り香”も、立派な受動喫煙である。
 わたしは、目の下までたっぷり隠れる大きなマスクで防護し、
それでも隙間から闖入してくる有毒ガスの気配に、ある時はこれ見よがしに書類でバタバタと煽ぎ、
またある時は、椅子の位置を彼から目いっぱい遠ざけ、
なおかつ、あさっての方向を向いて、仕事をする。
「臭いんだよ!」という嫌煙のオーラも、一年もたつと、このように情け容赦もなくなってくる。

 そして見落としてはならないのが、何かにつけ、オーバーアクションの班長S氏。
追い詰められれば追い詰めれるほど、張り切るたちである。
 なぜか3月のこの時期に監査があるのでなおさら。
”ヒマは罪悪”だと思っているかのごとく、不必要な仕事を自ら作り出し、あるいは押し付けられ、
汗びっしょりになりながら、事務所中を駆けずり回るのも、今や見慣れた光景。

 管理課で作り置きしておいたコーヒーが余ったと言っては、
締め切り間際の仕事を放り出して、
「デニーズへようこそ」
などと言っては、職員のコップについで回るというサービス精神も、相変わらずである。 
 
 本庁の仕事にまで、首をつっこんでいるのか、頼りの電話がかかってくるたびに、
「死んだと言ってくれえええ」と大げさに頭を抱えて見せるサマも、
今では、これほど頼られる俺ってホント、すごいやつでしょ、というパフォーマンスのセリフのひとつらしいと、
今では誰も同情しない。
ともあれ、「被害者性」をたっぷりとアピール。
 わたしとは違った意味での、悪意をこれまたぷんぷん飛び散らせている。

 悪意は人を活性化する。

異動した、仕事がたてこんだ、新たに覚えるべき事柄が盛りだくさん、とんでもないミスが発覚…などという事態が生じれば、他人の放つニオイに、待ち構えたように反応したり、ウエイトレスの真似ごとなどしたりする余裕などない。
(イヤ、S氏ならあり得るか…)

 そういう意味では、平和な年越しならぬ、「年度越し」であると言える。






コメント
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