新型コロナ以外の話題と関心事を見出すのがむずかしくなっている日々。
スタバもドトールも休業した。
ハンバーガーのチェーン店は、照明をおとして、ひっそりと営業している。
飲食店は生き残りをかけて、「テイクアウトあります」の看板を店頭に掲げている。
開店していると、大丈夫なんじゃないか、ちょっとなら……と葛藤が生まれるが、閉まっているとあきらめもつく。
唯一、外出を許された日用品の買い物だけが気分転換になるらしく、スーパーはいつもの休日よりも、家族連れの客が多い。レジには、客と店員との間を仕切る厚手のビニールがぶらさがる。
前の人と間隔をあけて並ぶようにと、店内放送が流れ、足元には目安のテープが張られている。その存在を知ってか知らずか、テープを超えて接近してくる人がいると、「この線が目にはいらぬか」と言わんばかりについそちらを”ガン見”してしまう。(殺伐としてきたものです)
買い物ひとつ行くのにも、なにやら決死の出陣という様相を帯びてきた。
毎日発表される感染者数も、あまりあてにならない。
検査件数が増えた分、その数が増えているのだ。駐車場が拡張されればされるほど、車で埋まっていくのと同じ理屈だ。検査されずにいる膨大な数がその背後に控えている。
ほんのふた月前までは、このウイルスをもたらしたと思われるお隣の国の人たちに対する嫌悪や差別、彼らと接してしまったという不安の言葉が職場にも押し寄せた。
しかし今や、同じ日本人どうしで同じようなことが起きている。県を超えた行き来をなるべくとどめようという動きとあいまって、感染者数の多い地域に住む人に対する排除と偏見だ。
現に、同じ職場にも、国内で一番感染者数が多いとされる地域からはるばる通っている職員がいる。在宅勤務できる職種ではないので、しかたないのだ。それでも、ちらりと不安がよぎる。「緊急事態宣言」が出た自治体同士なのに、ちょっと感染者数が多いというだけで、だいじょうぶなのかな、と思ってしまう。
電話相談を請け負ってくれている看護師さんいわく、「もう排除するんじゃなくて、共存していこうとしないとだめですよね。コロナに限らないけど」とおっしゃった。
東日本大震災が起きたとき、わたしたちは「放射能」という外からやってくる汚染物質におびえ、排除しようとやっきになった。10年近くたった今でも、その余韻が消えたとは思えない。かの地で生産された農作物や海産物に対する偏見はあとをひいている。
しかし今回は、外にあるものではなく、極端にいえば、わたしたちそのものが汚染物質である。
排除ではなく、共存――。
看護師さんの発言は重い。
スタバもドトールも休業した。
ハンバーガーのチェーン店は、照明をおとして、ひっそりと営業している。
飲食店は生き残りをかけて、「テイクアウトあります」の看板を店頭に掲げている。
開店していると、大丈夫なんじゃないか、ちょっとなら……と葛藤が生まれるが、閉まっているとあきらめもつく。
唯一、外出を許された日用品の買い物だけが気分転換になるらしく、スーパーはいつもの休日よりも、家族連れの客が多い。レジには、客と店員との間を仕切る厚手のビニールがぶらさがる。
前の人と間隔をあけて並ぶようにと、店内放送が流れ、足元には目安のテープが張られている。その存在を知ってか知らずか、テープを超えて接近してくる人がいると、「この線が目にはいらぬか」と言わんばかりについそちらを”ガン見”してしまう。(殺伐としてきたものです)
買い物ひとつ行くのにも、なにやら決死の出陣という様相を帯びてきた。
毎日発表される感染者数も、あまりあてにならない。
検査件数が増えた分、その数が増えているのだ。駐車場が拡張されればされるほど、車で埋まっていくのと同じ理屈だ。検査されずにいる膨大な数がその背後に控えている。
ほんのふた月前までは、このウイルスをもたらしたと思われるお隣の国の人たちに対する嫌悪や差別、彼らと接してしまったという不安の言葉が職場にも押し寄せた。
しかし今や、同じ日本人どうしで同じようなことが起きている。県を超えた行き来をなるべくとどめようという動きとあいまって、感染者数の多い地域に住む人に対する排除と偏見だ。
現に、同じ職場にも、国内で一番感染者数が多いとされる地域からはるばる通っている職員がいる。在宅勤務できる職種ではないので、しかたないのだ。それでも、ちらりと不安がよぎる。「緊急事態宣言」が出た自治体同士なのに、ちょっと感染者数が多いというだけで、だいじょうぶなのかな、と思ってしまう。
電話相談を請け負ってくれている看護師さんいわく、「もう排除するんじゃなくて、共存していこうとしないとだめですよね。コロナに限らないけど」とおっしゃった。
東日本大震災が起きたとき、わたしたちは「放射能」という外からやってくる汚染物質におびえ、排除しようとやっきになった。10年近くたった今でも、その余韻が消えたとは思えない。かの地で生産された農作物や海産物に対する偏見はあとをひいている。
しかし今回は、外にあるものではなく、極端にいえば、わたしたちそのものが汚染物質である。
排除ではなく、共存――。
看護師さんの発言は重い。