TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

行ってみたら意外にも‥‥‥

2021年07月07日 | インポート
昨日は、職場復帰初日であった。朝から落ち着かなかった。
家にいてもそわそわして無駄な動きをするばかりなので、早く家を出た。こういう日に限って電車やバスが遅れ、遅刻でもしたら、ごめんなさいを余分に連発しなくてはならない。
電車には、高校生がみっしり詰まっていた。どうやらこの時間帯は通学時間のようだ。不思議なことに、乗ってしまうと、昨日もおとといも、休まず電車通勤していたような気がする。
最初に言うセリフ、「このたびはご迷惑おかけして申し訳ありませんでした」を復唱。
窓の外に目をやってもどこか上の空、景色など目にはいらない。気のせいか、電車のスピードも速い気がする。
30分以上も早く到着してしまったので、近くのコンビニでお昼ごはんを買う。
店を出て少し歩くと、職場の建物が見えてきた。目の前の建物がドカーンと、消えてしまえばいいのにと思いつつ近づいていく。テストが嫌で校舎に火をつけてしまう子供の気持ちってこんな感じなのかしら。

 入口からはいると、いつものことながらしいんと静まりかえっている。
同じ部署の男性に偶然出くわしたので、お詫びを。
「あ、ども。大丈夫っすかあ」と思ったより機嫌よく答えてくれたのでほっとする。
所属の課に行くと、ほどよく賑わっていてホッとする。あまり静かだと話しかけづらい。どさくさに紛れるというのでもないが、大きな声で、「このたびは‥‥‥」とその辺にいる人々にまとめてお詫びを。ほどなく打ち合わせから戻ってきた課長にお詫びを。
もうこのあたりから気が楽になってきた。
非常勤職員がひとりふえていた。コロナ以降、どんどん職員が増えていき、当初5人だったのが今や9人である。
長い間パソコンを開いていなかったのでパスワードの有効期限が切れていた。そんなこともあり、ばたばたと問い合せなんかをしているうちに、朝の緊張感がいつのまにか消滅し、いつの間にか馴染んだ気分になってきた。もともと、仕事以外の会話はしないので、黙っていても違和感がないのである。
休暇中は、今日が何曜日かわからないような暮らしをしていたので、午前中の時間感覚が怪しかったが、午後にはそれも元に戻った。
朝、電車に乗っている時に感じたのと同じように、まるで、昨日もおとといもずっと、出勤していたような感じがしてくる。
長い間のうちに染みついた感覚は、すぐ、回復するものらしい。
短縮勤務なので、「お先に失礼します」とは、復帰早々さすがに言いづらかったが、割り切りも大事。そもそもフルタイム勤務のときだって、定時になるとすぐさま”お先に”失礼していたのだ。

恐れていた”視線の矢”なんて全く飛んでこなかった。もしかしてわたしが休んでいたことさえ知らなかった人も、たくさんいたのではないかと思うほど。それはそれで存在感なさ過ぎではあるが、前髪を切り過ぎた時と同じ、自分が気にするほど他人は気にしていない、というのがよくわかった。


コメント (2)
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