小鳥からの警戒注意報に・・・!
東海自然歩道から自然8号路を下り、清水谷林道へ向かっている時で
した。
なぜか私の目の前の木の梢に一羽の小鳥がとまり、さえずり始めました。
めずらしいな・・・ 何という鳥かな?
黒い頭上と白い頬、のどから腹にのびるネクタイ状の黒色縦線、翼には
白い線が・・・ ツツーピー・・・ ツツーピー・・・ と鳴いています。
シジュウガラ だと思いますが、ここはスギ林の林立する森の中なので、
針葉樹で採餌する鳥、低山の針葉樹林に多くいるという ヒガラかも
しれません?
その小鳥が逃げずに、とにかく私の歩く道の前に前に飛んで来ては
しっかりとさえずるではありませんか・・・
うん? おかしいな・・・ 何かあるのか?
一瞬、気の弱い私の体に緊張感が走りました (笑)
と 言うのも、こんな些細な事に気づくのも意外と自然界では役に立つ
事があることを、今まで何度か体験してきたのだが・・・ 今回は?
私は歩きをゆるめ、回りを警戒しながらゆっくりと歩きます・・・
気になればなるほどに、森の散策気分は吹っ飛び、楽しむどころではなく
なってしまいます・・・
何がでてくるのかな・・・?
考え出すと余計な事までいろいろ考えてしまいストレスがたまります。
そこで気を取り直し、気持ちを切り替えて、今日は何でもないさ・・・!
たまたま人懐こい鳥だったんだ・・・と、歩みを速めました。
その時、また目の前の梢から尾をふりふり ツツピー ツツピー の
あの鳥の鳴き声・・・
よく鳴く 人なつこい鳥だな・・・
そう思ったときでした・・・
横の岩場から ブ~ン という震えるような大きな羽音・・・
驚いて見ると大きな クマバチ? が飛んでいるではありませんか・・・
太った黄色いお尻に、大きな羽を広げて私を威嚇しています。
木の室の中には沢山の群れがいそうです・・・
私の体は一瞬こわばってしまいましたよ (笑)
今の季節に? 何でここに?
毎年 秋口にはハイカーの方が森の中で騒いだり、団体で賑やかに通る
時などに、たまたま近くにあった巣を守る スズメバチ の毒針に襲われ
て、救急車のお世話になる出来事がありますが・・・
思えば私の子供の頃、よく田舎のガキ大将の後ろについていって
ミツバチの巣を見つけては棒で叩き落し、その中の甘い甘いハチの子を
よく食べさせてもらいました。
しかし、時には怒った親バチに襲われて、逃げても逃げても追いかけ
られてとうとうみんな嫌と言うほど刺されて、泣きながら家に帰った事も
ありました・・・
それだけにその痛みは今でも忘れられずに、ハチを見ると一瞬体が
固まるのです(笑)
でもその体験から、ハチが人を襲うのはハチの子を取ったりして悪さを
したり、急に驚かしたり、子育て中で巣を守っている時などなんだ・・・
と子供ながら肌で実感したものです。
しかし、急に頭上で大きな ハチ が羽音を立ててくるとビックリして、
思わずステッキや帽子やあるもので振り払いたくなります・・・
でも、そうすればするほどハチは偵察、警戒飛行から襲われたと判断し
て、急に攻撃モードに早代わりして襲ってきたりしますからね・・・
恐いです!
そっと・・・
私は ゆっくり・・・ 静かに・・・ そこを後にしました・・・
しばらく歩いて・・・ ほっ!
それにしても、あの時の小鳥に感謝せねばと・・・回りを見渡しても全く
姿が見えず、それ以降は鳴き声も聞えてきませんでした。
あの ハチの巣に注意・・・ を発っする為に、私に鳴いてくれた注意報に
違いないと確信しました・・・
もういいかな! と 何処かへ飛んでいったようです。
春の芽吹きの始まった清水谷を下りながら、私の心も春になりました・・・
( * こんな話を人に言うと メルヘンの世界・・・ と 笑われますが・・・
森の中の 自然の営み事 には、科学では解明できない不思議な世界
があり、私がいつも生きている森に 畏敬の念 を持つところなのです。)
(PS)
翌日、たまたま通った箕面ビジターセンターの森の博物館でハチの標本
を何気なく見てビックリです。
あのハチはクマバチではなく、恐い毒針を持ったスズメバチそのもの
でした・・・
ぞ~ !
くわばら くわばら~ です。
08-4・5 (完)