若者にエールを!
天上ヶ谷へ入る百年橋の前で、イロハモミジの若葉に魅入って
いました。
可愛い幼児の手のひらのように小さく弱々しく、
しかし初々しい新鮮な輝きを放っていて、
朝の木漏れ陽に照らされています。
箕面川渓流のせせらぎを聴きながら山斜面を見上げると、
エドヒガン、ヤマザクラがまだ随所で咲いているのが見られます。
いい季節だな~ と大きく深呼吸をしていると・・・
* あの~ すいません!
箕面ビジターセンターはこの先でいいんでしょうか?
急に声を掛けられたので一瞬 ビックリ、ドッキン!
・ エエ~ そうですよ・・・
あと1kmぐらい行くと、左手にあります。
ところでどこまで行くの?
私はその若者の格好、顔つきから相当の覚悟のようなものを
感じたのつい聞いてみたのですが・・・
* ハイ! ビジターセンターから東海自然歩道に入り、
行けるところまで行ってみようかなと思いまして・・・
それから短時間ながら立ち話をして彼の決意を聞きました。
何でも希望する大学を落ちたのだとか・・・
気分転換と今までのストレス解消に、何かにチャレンジして
自信をつけようと思ったとのこと。
それが愛読するシェルパ斉藤さんの本で
「東海自然歩道全走破・213万歩の旅」 を読み、
自分も挑戦してみようと思った・・・と。
明治の森・箕面国定公園から、同じ明治の森・高尾国定公園
(東京・八王子市)までを自然歩道で結ぶ全長、1343kmの
東海自然歩道・・・
相当の難所や危険個所もあるようだが~ 大丈夫か?
しかし、彼の格好は寝袋にテント、食糧を詰め込み、マットをくくり
つけ、傘まで横に取り付けてあり、完全に自給自足での覚悟の
様子・・・
体はひ弱そうだが、その並々ならぬ決意にはやる気がみなぎって
いました。
・ がんばれよ! しかし決して無理するなよ。
撤退も勇気の一つだよ。
親にもちゃんと連絡だけは欠かすなよ。
人に迷惑をかけない、心配をかけさせないことも
チャレンジに対する自信に繋がると思うからね・・・
つい自分の子供に言い聞かせるような口調に苦笑しながらも・・・
若者は素直に ハイ! と応え、元気よく歩いていきました。
まさに青春ですね・・・
遠くでウグイスが美声を張り上げ、エールを送っていました。