石澄の森 散策!
天候不順と寒暖差のあるおかしな 気候が続いていたのが、
今日は久しぶりに春らしいお天気に恵まれました。
新稲(にいな)の山里を歩くとレンゲ畑があり、野菜畑があり、
お花畑もあり、田植えの準備に田起しの農機を入れている
畑もあり、ファーマーの方々が農作業をされたりしています。
暖かい太陽を浴びながらそんな畦道を歩いていると、
ホトケノザ、ガギドオシ、オオイヌノフグリ、ノゲシやタンポポ
などの野草が花を咲かせ、近くのカンザクラの木からは
ウグイスが美しい鳴声を里に響かせています。
ハナミズキの咲く禅寺・栄松寺の南細道から、ツバメが飛び交う
半町池を抜けて「教学の森」に入りました。
一歩入ると、そこには若々しい新緑に溢れた森が広がって
います。
見上げると白い筒状のウワミズザクラが満開です。
幼児の手を広げたようなイロハモミジが新鮮です。
やがて西尾根道に入り、北へ向って上がっていくと
変化にとんだ気持ちのいい森の散策路が六箇山(395.8m)
まで続いている・・・
大きなヤブツバキの赤い花ガラが落ちていて、彩りを添えて
います。
コバノミツバツツジが美しく咲き、森の中に花火が開いた
ような華やかさです。
急に東のほうから水の流れが聞えてきました。
石澄(いしずみ)の滝の流れ落ちる音のようです。
今日は水量が多いようで、谷にこだまして心よい響きです。
私は予定を変更してその谷へ下りてみる事にしました。
いくつかの下り道をあるものの、ヤブコギをせねばならない
所は避け、いつもの「海の見える丘」前から、新芽の出つつ
あるササヤブを抜けて下りました。
杉木立には野鳥が飛び交い、双眼鏡で見る間にもう別の所に
飛び立ち、中々ゆっくりと捉えることができません。
やがて谷間に近づくと、滝の流れ落ちる音が大きく響いて
きました・・・
それと共にキンコン キンコン ガリガリと、何かを叩く音が
聞えてきます・・・何だろうか?
アオゲラ、アカゲラやキツツキ科の鳥のドラミングとは違うので
緊張が走ります。
双眼鏡で谷間を覗くと、数人のハイカーの方々がいて、何やら
岩をカナヅチで叩き割っている様子です?
実はこの場所で私がハイカーの方に出会うのは、
この10年で3回目・・・
それほど人影を見ることは無く、ましてそんな行為をしている
方を見るのは初めてのことだけに・・・
一体何をしているのだろうか? と、興味を持ちました。
谷間に下りると、挨拶の後で何をされているのか早速
聞いてみました。
・ こんにちわ! それは何をされているのですか?
化石でもあるのでしょうか?
* いえいえ・・・水晶ですわ!
ほれ! これが水晶ですよ。
割ったばかりの岩片を見せてもらうと、太陽にキラキラと輝く
小さな水晶の塊が見えました・・・
ビックリ、感激です。
* この先に昔鉱山があったでしょう?
だから鉱山のあった所には水晶がでるんですわ!
私は全く知りませんでした。
ましてこの先に鉱山があったことなども・・・
もっと詳しくお聞きしたかったものの、皆さん帰り支度をされて
いたので失礼しました。
一人になって近くの小さな岩片を拾ってみると、確かに小さ
水晶の結晶があり、また感激です。
記念に小さな破片を一つポケットに入れました。
この石澄の滝は池田市と箕面市の境界を流れる石澄川の上流にあり、
前回は水量が余りに少なく心配したものの、今日はかなりの水量が
ゴーゴーと豪快に流れ落ち谷間を響かせている姿に安堵しました。
滝壷横の石像に手を合わせ、その前の大岩の上で
しばし休憩し、長らく滝の流れを見つめていました。
もうそれだけで「無」の世界に入れるようで、禅僧にでも
なったかのような気分です?
爆音をかき消すかのようにヒヨドリが二羽、頭上を大鳴き
しながら飛び交っています。
右の大きな絶壁岩から岩清水が流れ落ち、その岩場の窪みに
二輪の小さなタチツボスミレが咲いていました。
爆風にあおられながらも、その清楚な薄紫の花弁を揺らせて
いる姿には感動しました。
少し後ろ手に柑橘類の木を見つけました。
なんと場違い感のある木・・・
しかもオレンジ色した実がたわわに実っているではありま
せんか・・・
八朔か? 甘夏か? それとも箕面特産のユズか?
その後には琵琶の木まで・・・
ハイカーの投げた種か?
それとも鳥たちが食べ落とした糞から芽がでた木なのか?
それを考えているだけで日が暮れそうなので腰をあげました。
戻る山道で小動物に出会いました・・・
テンかな? キツネかな?
イノシシのヌタ場もあり、鹿のフンも見かけるので、
谷川の水を求めて、森の動物たちも沢山周辺にはいることで
しょう。
箕面の森はいつも私に好奇心と心の癒しを与えてくれます。
サムエル・ウルマンの詩・・・
「青春とは心の若さである・・・」 の如く、
今が私の青春のようです!
’13 4・25