どうぞ懲りずに森へ!
今朝は、雨上がりの「教学の森」へ入りました・・・
足元がまだ乾かず、時々濡れた枯れ葉に足を滑らします・・・
濡れ落ち葉か・・・!
なんとなく親しみを覚える言葉です。
太陽が森に差し込み、気温が上昇してくると共に、薄霧のように
蒸気が立ち上り、霞みがかかったようになります。
いつものように、ゆっくりと景観や自然の営みを観察したりして
楽しみながら歩いていると・・・
いつになく、沢山の種類の夏キノコが顔を出しています・・・
ざっと数えただけで8種類もあります。
私にはキノコの知識がないので、食用可と思って見ても
採集はしません。
キノコの専門家が、間違えて笑いキノコを食べ、笑いすぎて亡く
なった方も実際にいるそうですから・・・?
笑い事ではなくなります。
それにしても、一つ一つ観察していると面白い形、色、姿・・・
興味が尽きません。
ハリネズミのように、沢山の針毛をまとった灰色の不思議なキノコを
眺めている時でした・・・
下から、二人の女性が登って来ました・・・
朝早くから珍しい事です?
・ おはようございます!
* おはようございます・・・ 暑くなってきましたね!
ほらね! この道ならいいでしょう・・・?
と、隣の人と話している・・・
* この先も問題ないですよね?
ああ すいません!
今度、子供たちを連れてくるものですから・・・
・ この先ですか?
特に問題ある所はないと思いますよ。
大丈夫ですよ・・・ ここは気持ちのいい森ですから、
きっとお子さん達も喜ばれると思いますよ・・・
* ほらね! ありがとうございました・・・
そう言うと、お二人は前に進んで行かれました・・・
どうやら子供会の幹事さんのようで、若いお母さんのようです。
まだ梅雨が明けないというのに、もう子供たちは夏休みに入った
のですから、体をもてあましているのかも知れません。
それを思うと、森の中にはビックリするような発見が沢山あって、
飽きる事はないでしょうね?
しばらくして先のほうで・・・
キャー キャー キャー と、甲高い叫び声!
一体何事が・・・?
私が見に行こうとして立ち上がったとき・・・
上から、先ほどのお二人が急ぎ足で下りて来ました・・・
・ どうされたんですか? なにかあったんですか?
* あの! ヘビです! ヘビがいたんです!
お二人とも青い顔をされている・・・
・ ヘビですか? 私も苦手ですが・・・
* ここにはあんなのがいるんですか?
・ 山ですからね・・・
でも本来はヘビの方が逃げていくんだけど・・・?
どこにでもいますよ。
危険なヘビもいますが、殆どはおとなしいでしから
人の足音で逃げていきますよ・・・
* それに見たこともない大きな虫もいたわ!
ハチも飛んでたわね! 刺されないかしら・・・?
・ 山の中ですから、いろんな昆虫もハチも動物もいます・・・
特にスズメバチは危ないですから、気をつけねばなりま
せんが・・・
子供さんたちを引率されるのですか・・・?
* 私もう自信ないわ! ダメ!
やっぱりお父さんに頼むわ!
すいません、お騒がせしまして!
そういいながら、急ぎ足で下りていかれました。
よっぽどビックリされて、怖い思いをされたのでしょうね・・・
子供たちの引率は誰がするのかな? と、私は少しいらぬ心配を
してしまいました
森の自然観察に、初めて参加したある子供が、動かぬ昆虫を
見つけて・・・
先生! この虫、電池切れやわ! と叫んだという実話がある
そうですが・・・
先生もビックリしたでしょうが、子供も自然界の動く昆虫に接し、
さぞびっくりした事でしょうね。
TVゲームや塾通いに明け暮れる子供たちの多くが、この夏休みに
一日でも森の自然の中で過ごす時間があれば、それはその子供に
とって貴重な財産となる体験をすること、請け合いです・・・
まさに生きた授業になるはずです。
幹事さん!
どうぞ懲りずに、子供たちと共に箕面の森に出かけてください!
私はそう一人でつぶやきました・・・
遠くでウグイスが・・・
ホ~ イイヨ イイヨ ホ~ モリヘオイデ オイデ~ ホ~
と、鳴いているように聞こえました・・・