森で手をふる赤ちゃん!
今日は教学の森から西尾根コースを通り六固山(395.9m)へ
向かいました。
里山の新稲(にいな)バス停から歩かれる方なら山頂までは
約一時間前後でしょうか・・・
最も私はいつもの通り森に浸り、自然を観察しながらゆっくりと
散策するのが楽しみなので人の何倍もの時間がかかります。
(年のせいもありますが・・・)
石澄みの滝の音をかすかに聞きながら「海の見える丘」に
到着して一休みです。
ここからは文字通り海 大阪湾をきれいに見渡す事が出来ます。
早速、双眼鏡の出番です・・・
この前、 ここで双眼鏡で景色を眺めていると、手前の森の
小枝に初めて見る小鳥が眼に入り見とれていました。
黄色い大きなくちばしが特徴でしたが、後で調べたらイカルとの
事・・・
シ~ンとした森の中で一人、一羽の小鳥を眺めて自分の世界に
浸れる事の幸せを感じたものです。
ここから六箇山へは急坂を上りますが、回りはクヌギやコナラの
大木が沢山あり、夏は太陽をさえぎりその木陰のおかげで涼しく
歩けます。
リンボクという桜の仲間の常緑樹もあり、これが秋口に白い花を
咲かせると一面に甘い香りが漂うのです。
そんな中をゆっくりと上がっていると・・・
下のほうから急に赤ちゃんのキャ キャ キャと言う笑声が聞えて
きました。
振り向くと若いご夫婦連れで、ご主人が専用ラックに赤ちゃんを
背負い、後ろ向きの赤ちゃんに向かってお母さんがしきりに何か
話して笑いあっています。
・ こんにちわ!
* こんにちわ! お先です・・・
・ どうぞ! 気をつけて!
あっという間に私を追い越していく・・・
赤ちゃんが私を見て笑いながら手をふっている・・・
私も思わず手を振る・・・
赤ちゃんの笑顔に私は自分が笑みを浮かべ ピュアな気持ちに
なっていることに気づいていました。
ご夫婦とも大学山岳部系と言った感じで、まさに完璧な装備と
服装でした。
一見して同じ趣味で結ばれ、赤ちゃんも同じ楽しみの中にいる
様子でしたよ。
やがて尾根道に出るとこの辺からアカマツの群生地、
モチツツジの森でもある。
この周辺は「みのお里山ふれあいプラットホーム」のボランティア
の皆さんがいつも整備されていて、近年までのうっそうとして
暗かった森が今では明るく気持ちのいい森に変身しつつあるので
いつも感謝しながら通ります。
やがて山頂に到着!
先程の海の見える丘よりかなり上になるので、更に遠くがよく
見渡せます。
気持ちのいいそよ風がふいている・・・
ふと見ると先程の赤ちゃん一家がお昼の準備中でした。
この六箇山は都市近郊の低山なので、余り本格的な登山用具を
用いて食事の準備をする方は少ないのでしばし見とれて
いました。
二人とも手馴れたもので実に手際がいい・・・
小さなテントを張り、その横で鍋をかけて何かを作っておられた。
私はその後方でいつものおにぎりとお茶で簡単に食事をすると、
見るとはなしに一家を眺めながら休憩をしていました。
赤ちゃんは ヨチ~ヨチ と歩きながらテントの中と外を行き来
しています・・・
松ぽっくりを拾ってはお父さんに渡している様子です。
すると突然、赤ちゃんが私を見て指さす・・・
そしてお母さんに みて みて! の仕草をしている・・・
振り返ったご夫婦と会釈する。
すると赤ちゃんはあの笑顔で私に手をふる仕草・・・
私も思わず手を振る・・・
赤ちゃんとは先程、一瞬の出逢いだったのに私をよく覚えていて
くれたもんだ・・・ とても嬉しくなる。
自然と親しみ、自然を愛するお二人のお子さんもまた、自然を
愛する人間として心豊かに成長するんだろうな・・・と
感じ入りました。
それにしても赤ちゃんの純粋な笑顔とは、何と人の心に優しさを
与えてくれるものですね。
風にそよぐ樹木のささやき、優しさ感じる森の緑のトンネルを
抜けて、私はいい気分で落合谷へ向かいました。
葉音にも笑顔感じる森の中 (花詩)