森に響く音!
今日は朝から快晴のハイキング日和です。
明日からは雨との予報ですから、梅雨に入る前にと
森へ出かけました。
箕面・新稲の山里を歩くと・・・
土手や畦道がきれいに草刈されていて、
水田に苗を下ろしてこれから田植えをしようとしている人、
田に水を入れている人、耕運機で耕し田植えの準備をされている
人などをみかけます。
先週、外院の里ではすでに田植えが終わった所も多くあり、
カエルの合唱隊の初演奏を聴いて、初夏の風物詩を楽しんだ
ところです。
大阪青山大学の西側の半町池で遊ぶ水鳥を眺めつつ、
教学の森へ入りました。
途中から西尾根道を上っていくと、先ずアカガシの巨木が
迎えてくれます。
斜面に巨大なタコの足のように沢山の根を大地に張り出し、
その堂々たる威容にはいつも圧倒されてしまいます。
乾燥注意報が出ていたことを思い起こさせるように
カサカサの落ち葉が足元で舞い上がり、土の斜面は滑りやすく、
かなり山が乾燥している様子です。
新緑に溢れた気持ちのいい尾根道を上がっていくと、
ウグイスが ホー ホケキョ!! と美しい鳴声で歓迎して
くれます。
エドヒガン、ツブラジイ、ナナメノキ、コナラの大木などが
空を覆い、まさに緑のトンネルの中を歩きます。
見上げると樹冠の先には青空と白い雲が・・・
思いっきり深呼吸をし、新鮮な空気で体中を満たします。
コン、カツン、コツン、ガリ・・・
時折り何か先の方で小さな音がします・・・?
コゲラにしては音が不規則です・・・
何かいるのかな?
少し前に、木漏れ陽の差し込む山道でノンビリと日向ぼっこ中の
爬虫類君に出会い、もっとも苦手な私は ちょっとごめんよ! と
言いながら どいてもらったばかりなので、
まだ何となくドキドキ感が残っている時でした。(笑)
何が出てくるか・・・?
ゆっくりと進んで行くと・・・
人間さまでした。(笑)
ホッとしたものの・・・
・ 何をされているんですか?
* ハハハハハ・・・ スンマヘンな!
ゴルフの練習ですわ!
よく見るとゴルフクラブとマツカサが沢山置いてあり、
谷間に向ってボール代わりのマツカサをドライバーで打っている
ところでした。
ゴルフを始めたばかりとのことで、確かにスイングはぎこちなく
人目の無い山の中で密かに練習をする気持ちは分かります。
涙ぐましいお父さんの努力です。(笑)
何年か前の冬に、ここで三味線を弾きながら大声で唄っている
お爺さんを見かけましたが、家の中では確かに追い出されそうな
音響でした。(笑)
この先の天上ヶ岳付近では、修行中の山伏らの法螺貝を吹く音が
よく聞えます。
森の中で急に エイ ヤー ガオー チャチャ? そんな叫び声に
ビックリして周りを探すと、ブルースリー オタク か?
と思わせるような格好で、ヌンチャクなど振り回している
オジサンの姿を見たこともあります。(笑)
二人の若者が山の中で漫才の練習をしているらしく、
熱心にやり取りをしている姿を見たこともあります。
もっとも格好は面白かったものの、話はちっとも面白くなかった
印象ですが・・・(笑)
それに望海の丘、雲隣台、憩いの丘、こもれびの森、
勝尾寺園地など、森の中で音楽・楽器の練習をされている
方々に出会うことがあります。
バイオリン、クラリネット、トランペット、ドラム・・・
上手な方の演奏は森に美しい調べがこだまし、
小鳥たちも一緒になってさえずっているかのようですが、
その逆となるとこれは大変で・・・
一刻も早く山越えしたくなるような時もあります。
ぎこちない音が森にこだまし、ズッコケ音がいつまでも耳なりの
ように響くのは大変なことです。(笑)
そんな事を思い出しながら「海の見える丘」に着き、大阪湾や
淡路島などの島影を見ながら一休みにしました。
心地いいそよ風が吹き、大きな山桜の新葉がサラサラサラと
葉擦音の演奏をしてくれます。
クヌギ、コナラ、近くにはリンボクの高木があり、
その豊かな葉量が伴奏を添えてくれます。
樹林一帯には野鳥が飛び交い、知識の無い私ですが
メジロ、ホオジロ、センダイムシクイ、イカル、ヒヨドリ、
シジュウガラなどを見つけました。
しばらくして前方の谷間から カッコウ カッコウ!! と
カッコウの高らかな独奏が始まりました。
カッコウが鳴く森は、その奇異なカッコウの習性から
豊かな森の環境指標とされていますね。
托卵という特別な習性をもったカッコウがいると言うことは
それだけ沢山の託される鳥たちがいるという
豊かな森の証拠だとか・・・
それだけに、毎年聴くこのカッコウの独奏は
豊かな箕面の森の響きであり 嬉しく、美しい響きです。
森に響く音はいろいろあるけれど・・・
私はやはり森の自然の営みとその響きに心奪われます。
心地いい野鳥のさえずりと初夏の風、その葉擦音の響きを
聞きながら、私は六箇山へと向いました。
’10-6-12 (晴れ