森の湧き水!
箕面の森に、湧き水場はそうありませんが、今日は久しぶりに
箕面と茨木の市境にある、湧き水場を訪ねる事にしました。
勝尾寺園地に着き、周辺を散策すると、紅葉しかけたモミジ、
ヤマザクラ、ミズキ、ハゼノキ、ヤマガキなどが迎えてくれました。
一本の大きなケヤキの木が、見事に黄葉に染まっています。
イヌブナ、トサノミズキ、イタヤカエデ、コナラ、ユリノキ、
ウリカエデやヤマハゼ、リョウブなどが色とりどりに美しい秋の
舞台を見せてくれます。
自然8号路をゆっくりと登っていくと、すぐの所にアオキがあり、
楕円形の真っ赤な実が目を引きます。
ここからしばらくくねった登りが続くので、私はいつもの振り子
スタイルのカメ歩きで一歩一歩と進みます。
余談ながら・・・
私の故郷・信州、安曇野へは、名古屋からJRの特急「しなの」に
乗るものの、この電車が険しい山岳地帯を走るために、左右に
大きく揺れながら、独特の振り子スタイルでスピードを保つ走り方
なのです。
これをヒントにして・・・
急坂の登りには、体を左右に揺らしながら斜め前に一歩づつ
進む歩き方が気にいっているのです(笑)
森の風は冷たいのに、体は汗が滲んできます。
やっと尾根筋の分岐点に出ると、山裾沿いに細い山道を北へ
向かいます。
東側が深い谷間なので、木の根につまずかないように慎重に!
もうこの辺から、樹間から茨木、生駒山方面が垣間見えますが、
双眼鏡で見ても今日は厚い雲に覆われていてボンヤリとしか
見ることができません。
大きな切り株の上で一休みにしました。
リュックを下ろし、汗を拭い、ほっと一息です。
景観を楽しむ間もなく、冷たい風が吹き抜け、思わず襟を立てる
ぐらいです・・・ 私の体感温度では10度前後か?
リュックからポットを取り出して、温かい珈琲をそそぎます・・・
美味い!(笑)
ノドにしみわたる琥珀の香り!
このひと時がまさに私の至福です。
ふっと崖っぷちをみると、白い花が咲いている・・・
サザンカのような?
その横にはムラサキシキブの紫色の丸い実が、群がるように
なっています・・・
それにしても紫式部とは、すごい名前ですね(笑)
野鳥が賑やかにさえずっています。
ハックション!
森にこだまするクシャミ!(笑)
10分ほど座っているだけなのに、急に体が冷えてきたようです。
東海自然歩道に出ると北摂霊園横から、再び下り道になり
茨木方面へ向います。
この杉林の急斜面の下りはいつも気をつかいます・・・
足をつまずかせれば、もう大変なことになります。
薄暗くなった木立の中をやっとの思いで谷間に下ると、今度は
岩場で歩きにくい道です。
今日は倒木の多さが目に付きます。
しかも根こそぎの枯れ杉が多く、その古枝葉が山道を覆っています。
これも先日の台風の影響でしょうか?
途中、今朝にでも倒れたような大きな生木の杉3本が横倒しに
なって道をふさいでいます・・・
その上を乗り越えて進みます。
やがて谷川のせせらぎの音が聞えてきて、下りも終わりになり
ます。
小さな谷川の流れの前でお昼にしました。
対岸に野菊が美しく群生しています・・・ノコンギクかヨメナか?
ススキの穂が風になびき、ヤマブドウの葉が紅く色づいています。
森の中で一人・・・こんな秋の風情を心行くまで楽しめるなんて、
なんと贅沢な時間なのでしょうか・・・最高です!(笑)
湧き水場に近づくと、いつもと様子がおかしい?
静か過ぎです・・・
大阪のオッちゃん! オバちゃん!の賑やかな声が全くしない?
近づくとフェンスで囲い閉鎖状態で、下には岩が崩れ落ちて
います。
近くに表示板があり・・・
「・・・山崩れ、落石危険につき、通行禁止・・・
強行通行されて事故がおきても当局は一切責任を
持たない・・・」 旨の厳しいお達しです。
しかし、その横2ケ所の岩場の裂け目から、いつものように
とうとうと湧き水が流れ落ちています。
両手ですくって飲んでみると、まろやかで美味しい感じ・・・
横の看板には、蹴られてボコボコになった水質検査の結果が
表記されていて、46項目中、大腸菌群とヒ素の2項目が基準を
クリヤーできていない旨です。
しかし、この水を長年利用してきた人やプロの業者の方々は
口々に・・・
* そんなんワシらに関係あれへん!
美味い水に変りあらへんのに・・・!
と、大量のポリタンクに採水していた事を思い出します。
でも、この崩落石を見たら、そうも言っておれないのはよく
分かります・・・ 残念です!
私は再び今来た道を戻り、また振り子スタイルで急斜面を何とか
しのぎ登りきると、しばらくして東海自然歩道から南への脇道、
降三世道を再び下り、帰路につくことにしました。
ところがこの杉林を下っていると、まだ3時過ぎだというのに急に
真っ暗状態になり、寒気がしてきました・・・
この暗さだとイノシシが早く目を覚ますのかな?
目覚めに鉢合わせはゴメンだな!(笑)
しかし懐中電灯はリュックに入れていないし、どうしよう?
今更引き返すわけにもいかず、眼が少し慣れるまで待って
慎重に下ります・・・
途中からはまたすごい急坂が続き、気が休まりません。
腰をかがめ、ストックでバランスをとり、カニ歩きで一歩一歩
神経を使いながら下りてきたのに・・・
突然!
足を絡ませたと思ったら体が宙に浮き、思い切り滑り2回転半!
尻を嫌というほど打ちつけ、木の根っこでやっとストップです・・・
何があったのか? 恐かった!
幸い腕を少し擦りむいた程度でよかったものの、左右の谷間に
落ちなくてよかった!
もうこうなったらヤケクソです。
ビクビクせずに開き直って堂々? と下ってきましたよ(笑)
もう二度と、この下りコースはヤメだ! と決めました。
やっとの思いで、下の谷川の所まで到着・・・
早速、冷や汗の顔と首筋を洗い、土ぼこりの手や体、すりむいた
腕などを洗い一休みにしました・・・
安堵感と共に、足がいつまでもガクガクと震えているのには
参りました(笑)
勝尾寺林道に入ると、いつになく枝葉が道を覆いフワフワした
林道を楽しみました。
郷土の森では、各県の樹木が秋の舞を競演しているかのように
黄葉、紅葉を散らせていました・・・
秋もだんだんと深まってきますね。
それにしても、今日は湧き水場を訪ねたものの、帰路の斜面で
2回転半したためか?
わく(惑)水のように目が回ったままでした・・・(笑)
09-10-25 (完)