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箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

重いリュックは安心袋!

2020-08-26 | *編集・冬/1月

重いリュックは安心袋!

 今朝、起床して外を見るとうっすらと一面の雪化粧です。箕面の山もきれい

だろうな・・・! と、期待しワクワクしながら家をでました。

ところが瀧道から西の山沿い道を登っていっても、雪の気配がありません・・・?

どうやら局地的な雪だったようです。  残念!

 

瀧安寺の北裏山の「山ノ神コース」から登る事にしました。

しかし、久しぶりなので登り口が分からず、しばし探し回ってやっと小さな崩れた

赤い鳥居を見つけました・・・  その前の石碑には「・・・山ノ神・・・」と、掘り込ま

れています・・・  何の神様なのかな?  まさか頭に角のはえた女の人では

ないだろうな・・・? と、苦笑しつつ横の細い山道を上ります・・・

 

キ~ン とした真冬の冷たさです。

登っていくたびに常緑樹の欝蒼とした森が開けてゆき、明るくなっていきます・・・

休み休みながらも一歩一歩と登っていくと、次第に体が温まり、リュックの重み

が背中のぬくもりとなり、気持ちも楽になってきます。

それにしても私の冬場のリュックは重いです・・・

穏やかなひだまりを見つけて一休みにした時に、改めてリュックの中身を調べ

て見ることにしました・・・

温かいコーヒーを入れたポット、お昼のおにぎりやおやつ類、ミネラル

ウオーター、雨具と折り傘、タオル、ビニールシート(雨や湿りがちな時は

小さな折り小イス)、簡易救急箱、カメラ、双眼鏡、予備メガネ、手帳や地図、

小型防災ラジオ、懐中電灯、笛、小鏡、スイスの小型アーミーナイフ(10種

ぐらいの機能か付いている)・・・ 等などです。

我ながら、アルプスを登るわけでもなし・・・ と、再び苦笑です。

 

しかし、箕面の森はいずれも低山とはいえ、その山の変化には何度も恐い思い

をしてきたので、その都度リュックに加えていったものなのです。

年とともに更に慎重さも加わり、更に冬の服装も重装備になり、帽子も尾根や

山頂で冷たい風が吹きすさんでいても、耳あてを下げると温かく、格好はダサく

て最悪でも、万全のスタイルなのです・・・

それだけに山から街に下りてきて、時折何気なくウインドウに写った我が身を

みて・・・ どこのボンレスハムが歩いているのか・・・? と、笑ってしまうぐらい

です。

 

山ノ神の森を登りきると「ささゆりコース」の尾根道にでます・・・

ここから「こもれびコース」 「松騒コース」を前後してゆっくりと歩きながら

凛とした真冬の森の散策を楽しみました。

ゆっくりと浸りながら歩くこの森は、いつも本当にすばらしい癒しの森だな・・・

と、心から感じ入るのです。

森の中の望海の丘からは、文字通り大阪湾が見えます・・・  

波がキラキラキラと太陽に反射して輝き、丁度大型のタンカーがゆっくりと

進んでいるのが裸眼でも見て取れます・・・  なんと素敵な眺めでしょうか・・・

 

私はハート広場から上の、箕面ゴルフ倶楽部ゴルフ場脇の細い山道を北へ

進み、大ケヤキのある所で一休みにしました。

この何十万枚と言われる大ケヤキの葉は今は一枚もなく、全て秋に落葉し

ひっそりと立っていて、今は鳥たちの遊び場になっています。

毎年春が近づくと、この巨木がその何十万枚もの葉一つ一つに水分を供給

するために、その毛細樹管が活動を開始します・・・

もう始めているかもしれませんね・・・ そう思うと、そっと幹に耳を当ててみた

けれど、まだ何も聞えませんでした・・・ (笑)

今日はまだ一人としてハイカーの方には出会っていません・・・

 

大ケヤキを背にして腰を下ろし、温かいコーヒーを飲みながら目を閉じている

と、ひとり至福感に満たされます・・・

そんな時、ふっと 金子みすず の詩が浮かんできました・・・

大正末期、彗星のごとくあらわれて悲運の果てに若くして命を絶った

天才童謡詩人・・・ その詩に・・・ 

(木)  「 お花が散って     実が熟れて     その実が落ちて 

      それから芽が出て   花が咲く 

      そうして何べん まわったら    この木は御用が すむかしら 」 

 

私は目を開き、背後の大ケヤキを見上げながらつぶやきました・・・

「 いつも幸せをありがとう・・・!」

 

やがて後鬼谷への下り道に入りました・・・

それまでと違い、欝蒼とした暗い杉木立の森です。

その時でした・・・

いつしか空は厚い雲に覆われ、ポツリ ポツリと雨が降り出しました・・・

よりによってこれから足元の悪い岩場の急坂です・・・  戻るにしても、ここを

下って行くにしても、判断の難しい状況です。

そうこうしているうちに箕面山(395.9m)の西側を下っている時です・・・

 

突然・・・  ピカ-!   ドカン!  ド ド ド ド ド・・・

 

山ごと響く大音響に、もうビックリです・・・

 こんな時期に前触れもなく突然に稲妻と雷とは・・・!

やがて どしゃ降りの雨・・・ 

あわてて大きな杉の木の下に移動してリュックを下ろし、折りたたみ傘を

広げる・・・ 容赦ない雨が降りかかるのになかなか傘が開かない・・・ 

それでもようやく開いてその下に入りホッとしたのもつかの間、今度は樹木を

なぎ倒すような、ものすごい強風です・・・

傘などなんの役にも立たなく、あわてて雨具を取りだして簡易カッパを頭から

かぶります・・・ 吹き荒れる暴風雨は10分位続いたでしょうか・・・

余りの激しさに言葉もありませんでした。

 

少し収まると傘をさしながら、タオルで頭から体からよく雨を拭き取りました・・・

たった10分の出来事でも、もし傘やカッパがなかったらズブ濡れになっていた

でしょう・・・  この0度近い真冬に、それでは風邪引きもいいとこですから

助かりました。

やがて静かな森に戻ると、鳥たちが飛び交い始めました・・・  

しかし足元が雨水で濡れ、V字型の細い山道は谷川状態です・・・

しばらくは動けません。

何年か前に、東海自然歩道の降三世道の登り口で同じような突然の雷雨に

合い、その時は20分以上続いたように思いますが、更に霧が出始めて5M 

先が見えなくなり、あわてて雨具を身に付け、足元を確認しつつ急坂を

下っていると、後からザー ザー ザーと言う音が・・・ 

ふっと振り向くと、いま下ってきた上の山道から水が流れてきてビックリです

・・・ しばし、谷川の渓流状態でした・・・

山裾を駆け上がりやり過ごしましたが、こんな経験は初めてでした。

 

そんな経験があるだけに、すぐには行動できません・・・

約15分、コーヒーを飲みながら待機です・・・ こんな時のコーヒーも有り難い

ですね・・・ すっかりなくなってしまいましたが・・・ (笑)

やがて南の空の雲間から太陽が顔を出したのか・・・ 杉木立の間から

木漏れ日が山道に届いたので出発にしました。 

しかしすぐにまた薄暗い森に逆戻りです・・・

 

人間恐くなるといろんな想像をするもので、ぬかるんだ山道を掘り返してミミズ

を探しているイノシシと出会ったらどうしよう・・・ と思うと、リュックから笛を

出して胸ポケットに入れました・・・

これは一度、梅ケ谷の森で実験して、誰もいないと思ったのにどこからか

ハイカーの方が何事? と、探しに来てくれて、恥かしい思いをした事があり

ますが、それだけにイノシシにも逆に音の効果があるかな? と・・・ (笑)

懐中電灯をつけ、ラジオを鳴らし・・・ ガー ガー ガーで電波状況悪くとも

音がすればよし、そして笛があれば安心です・・・ 恐がりです! (笑)

それに、こんな岩場の急坂でもしすべって谷間に落ちたりしたら・・・?

冬場で一日に一人歩くか歩かないかの寂れた山道・・・

事故で動けなければ遭難だ? (恐い!)

それだけにゆっくりと慎重に 一歩 一歩 確かめながら下りました。

 

やがて尾根道と合流し、倒木の多い細い道を滑らないようにゆっくりと下ると

前鬼谷と合流する落合谷に到着です・・・ 

ホッ! と、安堵のため息が出ます。

振り返って、今下ってきた森を見上げると青空がのぞいています・・・

それに足元は乾いていて、雨が降った様子は全くありません・・・

あれは局地的だったのか・・・? キツネにだまされたような感覚です (笑)

 

落合トンネルを抜けて瀧道にでると、いつもと変らない穏やかな光景です。

高下駄のような靴をを履いた今風の若者が、私の格好を見て何やら 

ニヤ ニヤ コソ コソ 笑い・・・

 

いいんです! 

この格好で・・・!  (笑)

 09-1-25 (完)

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