自民党は政治資金パーティで集めた金の処分を巡り揉めている。安倍元首相が止めようと指示したした「キックバックを誰が復活されたか」、また「裏金の使い方」が解明されないまま処分だけが先行されため、自民党内部は混乱し岸田首相の求心力は低下しているようだ。当然国民も呆れ果て内閣支持率が20%台を保っているのが不思議な位だ。
自民党は政治刷新本部を設けたり、国会では政治倫理審査会を開いたりしているが、実体解明にはほど遠い。裏金に関わったとみられる証言者は口を揃えて関与していない、記憶にない等を連発する一方、キックバック再開に関与したと見られる森元首相への審査会出席は実現されていない。出席を本人が拒否しているのか、取り巻きが拒否しているのか分からないが、拒否していること自体が再会を指示した張本人であることを物語っているのではないだろうか。岸田首相は説明責任は本人にあるとの口調が多くすべての責任は首相にあるとの自覚がない。これでは支持率が上がる筈が無い。
もう一つの焦点であるのは、裏金が何に使われたのかである。代表的な使い道は飲食費であるそうだ。政治家にとって選挙での当選は最優先事項だ。そのために普段からいろいろな有力者に自分をアピールし、何を要望しているかを聞く機会をつくっている。こうした懇談の場は飲食を伴うことが多い。飲食の場で行うのはそこには当然アルコールも加わりその方が本音、実情を聞くことができるからだ。このような会合の費用は当然主催者側だ。割り勘では人が集まる筈が無い。とにかくこうしたところにお金がかかり、裏金も回されてきたのだ。
単なる飲食代ならば政治活動の一環として使途を明らかにしていいようなものであるがなぜ公開しようとしないのか。その理由の一つに「お金を配らないと票が集まらないという実態がある」と指摘される。特にお金がかかると言われているのが選挙だ。応援で駆けつけた秘書や後援会員、選挙運動員、地元議員らにお金を配る。選挙運動はボランティアが原則だが、金銭を配った方が熱心に応援してくれるのは人情だ。
また、2019年の参院選で、河井元法務相が妻の案里氏を当選させる目的で、地方議員ら100人に計約2870万円もの現金を配ったとして公職選挙法違反の罪に問われて有罪となり、実刑判決が確定した事件があった。法務相とあろう者がこのような公職選挙法違反を犯すとは信じられない話だがこんなことが日常まかり通っていたのだ。
最近では 昨年4月の東京都江東区長選で、木村前区長を当選させるため江東区議らに現金を渡したなどとして、東京地検特捜部は買収などの公選法違反容疑で、前法務副大臣の衆院議員柿沢容疑者と秘書4人を逮捕した。河井元法務相が買収で捕まる前例があるのに、前法務副大臣が同様の罪で捕まるとは、どういうことであろうか。このような選挙には買収がつきものが常識になっているとしか思えない。現金を配る等は立派な買収であり、政治活動の一環であると言い訳出来ない。それでも行われていたとは、選挙における買収行為が日常的に行われており、捕まるのが不運だと思わざるを得ない。
2024.04.10(犬賀 大好ー998)