日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

カスタマイズ化が予想される電気自動車の将来

2017年12月23日 09時34分09秒 | 日々雑感
 モーター大手の日本電産は、12月4日、仏自動車大手のグループPSAと電気自動車(EV)の駆動用モーターを生産する合弁会社を設けると発表した。2018年にも量産を開始し、自動車メーカーに供給する計画だそうだ。

 近年、自動車の贅沢化が進んでおり、1台の自動車に搭載されるモータの数は今や100個以上になっているとのことだ。手回しの窓開閉に慣れていた筆者は、パワーウインドウが登場した当時こんなところに金を使うんだったら自動車の値段を下げるべきだと、悪態をついていたが、今やすっかり飼いなされてしまった。サイドミラーの開閉や角度調整にまで、動くところはすべてモータ駆動となってしまったのだ。日本電産グループは、これら車載用モータのあらゆるモータを手掛けている。

 モータと一口に言っても実に様々なモータがある。DCモータ、ACモータ、ブラシ付モータ、ブラシレスモータ、アナログモータ、デジタルモータ等、限が無い。

 自動車の駆動モータとしては、原則的にはどんなタイプの電気モータでも可能である。しかし、車に適用するためには省エネや制御性等それなりの工夫が必要であり、これまで各自動車企業が独自に開発してきたが、ここに日本電産は乗り込むわけだ。

 世界的にガソリン車から電気自動車(EV)への転換の流れが急である。その最大の原因は地球温暖化対策として、各国の政府の戦略があるからである。技術的な課題が解決されたと言うより、政策的な後押しであるが、今後国際情勢に大きな変化が無ければ、近い将来電気自動車のみとなるだろう。

 現状を見ると、ガソリン車が圧倒的に優勢であり、ガソリンエンジンと電気モータを併用するハイブリッド自動車がようやく普及してきた程度である。

 しかし、このハイブリッド自動車で世界をリードしているトヨタもついに電気自動車の本格的な開発に踏み切ったようである。トヨタが12月18日に明かした計画によれば、2020年以降電池のみで駆動する車種10シリーズの発売を予定しているとのことだ。また2025年の終わりまでに、全車種をハイブリッド電気車ないし全電気車に置き換えるという。トヨタと言えども世界の流れには逆らえないのだ。

 更に、トヨタ自動車は電気自動車の重要な部品であるリチウムイオン電池の全固体化を2020年までに目指すと宣言している。この電池は現在主流の液体のリチウムイオン電池に比べてコンパクト化し易く、充電時間が短いとの特長を有する次世代電池として期待される。

 この目標が達成されれば、1充電当たり500km充分に走行でき、電池の価格は20kwhで10万円になり電気自動車は一気にガソリン車を駆逐するだろう。。

 電気自動車の性能を決定する主要な部品は駆動モータと電池だ。残りの操舵系等の部品はこれまでのガソリン車と同じであり、大抵の部品が入手可能である。駆動モータと電池が安価に入手できれば、誰でも組み立て可能になる。

 パソコン(PC)の世界では、既に部品のレベルで入手可能となっており、オリジナルのPCを作成するマニアが結構いる。そのPC作製の目的は、ニーズに合わせてカスタマイズすることであり、演算速度を重視したPC、あるいは記憶容量を重視したPCと、個人の趣味に合わせて制作することが可能になっているのだ。

 このようなカスタマイズの世界が電気自動車の世界にも遠からずやって来ると予想される。2017.12.23(犬賀 大好-401)