日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

コロナウイルス終焉後の日本社会の変化は何処に生ずるか

2021年02月10日 09時13分11秒 | 日々雑感
 2月2日、政府は11の都府県を対象にした緊急事態宣言について、栃木県を除き東京や大阪など10の都府県は来月7日まで延長すること、また飲食店の午後8時までの営業時間短縮や、不要不急の外出自粛などの要請を継続する考えを示した。

 新型コロナウイルスの新規感染者数は急減しているが、重症者用のベット数が逼迫していることが継続の主な理由であるが、緊急事態宣言の効果がこれ程あるとは予想していなかった。コロナ慣れやコロナ疲れのため、外出自粛が大して守れないだろうとの予想からであったが、マスコミが取り上げる深夜の若者の酔っぱらいは極一部であったようで、大部分の国民は従順に従ったのであろう。

 一方、観光業、飲食店、旅行業、アパレル産業の経済的落ち込みが激しいらしい。東京でも多くの人に愛された老舗や有名店が相次ぎ閉店しているようだ。

 コロナ騒動が無くても、消費税率の引き上げに伴う利益の減少や、後継者不足などもあって厳しい経営が続いていたが、コロナに止めを刺された格好だ。コロナ騒動が終息すれば復活する所もあるかも知れないが、後継者不足が主原因であれば期待は出来ない。後継者不足は日本社会の構造的な問題でもあり、店舗に限らず、中小の町工場、農業や漁業と全ての分野に見られ、コロナが単に拍車を駆けただけだと見ることもできる。

 老舗店舗の閉鎖も一つであるが、コロナウイルス騒動で社会のあり方が大きく変化しそうと多くの識者が主張する。感染拡大防止の掛け声の下、ステイホーム、テレワークやワーケーションの横文字がマスコミを賑わしている。ワーケーションとは、リゾート地や地方など、普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇を過ごす仕組みのことだが、遊びと仕事は完全に別物で、一時的なものに過ぎないと思ってしまうのは高齢者だけでは無いだろう。在宅勤務やテレワークも気分転換としては良いかも知れないが定着するのは極一部だろう。菅首相も施政方針演説で地方へ人の流れを作ると宣言したが、一極集中を解消するのであれば、大いに歓迎すべき話であるが、大山鳴動して鼠一匹の感じがする。

 間違いなく定着するのはネット通販である。最近の物流の進歩は激しく、日常品であれば翌日届く程であり、わざわざ買い物に出る煩わしさが一掃される。ネット通販はコロナ騒動が無くても盛んになりつつあったが、外出自粛のムードが一層掻き立て、この点では社会構造を一変させること間違いない。

 コロナ騒動後のもっとも恐ろしいと想像されるのはインフレの到来とそれに伴う社会構造の変化である。コロナ騒動以前から日本の国の借金は1千兆円を超える借金大国であったが、コロナ禍の経済落ち込みを軽減するため空前の財政出動で借金は雪だるま式に増えている。

 現代貨幣理論(MMT)に従えば、借金を外国に頼らない限り問題無しとなろうが、無事で済む筈が無い。昨年の政府の債務残高見通しはGDP比258%だそうで、これだけの借金を誰かがして、誰かが貸しているのだ。すなわち貧富の格差が大きくなっているのだ。

 国家の借金を減らすためには、増税かインフレ誘導だ。どちらにしても富むものは富み、貧しきものはいっそう貧しくなる。これこそ日本の社会を大変貌させるに違いない。2021.02.10(犬賀 大好ー677)