安倍元首相が止めようと指示したキックバックを誰が復活されたか、また裏金の使い道が解明されないまま処分だけが先行されため、自民党内部は混乱し岸田首相の求心力が著しく低下しているようだ。当然国民も呆れ果て内閣支持率が20%台を保っているのが不思議な位だ。
岸田首相は2021年安倍派の支持を受けて総裁になったが、今回の不祥事で安倍派は解散し、また処分の対象者が安倍派に多数が含まれている為、次回の総裁選では苦戦が予想されている。また、首相は外交に強いと言われており、今回の米国訪問で国賓待遇で歓迎され、日米同盟は一層堅固になったと誇っているが、国民の人気が高まっているようには思えず、今年9月末の党総裁任期切れまでに退陣が避けられそうにない情勢とのことだ。
自民党の大勢は次期衆院選で苦戦必至とみて「選挙の顔」となる首相を交代し、速やかに衆院を解散して身の保全を図るつもりでいるようだ。自民党総裁選と衆院解散、総選挙の時期について、今秋が一番可能性が高いのではないかと言う。さて、その場合選挙の顔は誰になるのであろうか。新総裁選びで各派閥は前面に押し出せず、候補者も石破元幹事長や小泉元環境相ら無派閥議員や、国民的に人気の高い河野太郎デジタル相等、知名度が高い議員の争いが軸になりそうだ。
石破氏は報道各社の世論調査で次の首相としての支持がトップを占める。裏金事件で安倍派など主流派が総崩れとなり、第2次安倍政権以降、政権中枢から疎んじられてきた石破氏の立ち位置がかえって期待を集めている。氏は裏金事件では、いち早く首相の退陣論に言及し、早速に政策勉強会を開き、党内に幅広く参加を呼び掛けた。無派閥有志会合には菅前首相に近い議員も加わっており、菅氏は周囲に石破氏には最大のチャンスと話しているそうだ。
河野デジタル相も裏金議員への対応に関しけじめが大事と発言し、記者会見で総裁選出馬の考えを問われると敢えて否定はしなかった。前回総裁選は所属する麻生派の支持を一本化できなかったが、今回は派を割ってでも出馬するとの見方が強い。石破、河野両氏と仲の良い小泉元環境相は自身の出馬は時期尚早と、当面様子見の姿勢だ。両者は出馬意欲が高いが、一方で後ろから鉄砲を撃つとも評される石破氏や、態度に柔軟さを欠きがちな河野氏には拒否感も根強い。
石破氏や河野氏は国民的な人気が高いが、現自民党内では反対勢力も強い。総裁選挙が行われた場合、自民党が二つの分かれる可能性もあるとのことだ。かって2大政党が切磋琢磨するのが理想的な国会と言われていたが、現国会は自民党1強で、野党は存在が薄い。これまでに自民党より分かれ新たな党を立ち上げた人も幾人かあるが、まもなくじり貧となり、自民党に復党した人も多い。日本には2大政党は無理と言われているが、この際自民党が二分し、2大政党の可能性を改めて問うことも必要だろう。
2024,04.13(犬賀 大好ー999)