日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

食料自給率向上のためにも地域活性化は必要

2023年04月26日 10時48分50秒 | 日々雑感
 4月22日と23日の2日間宮崎市で行われていた主要7か国の農相会合では主要テーマとなる食料安全保障の課題が、ウクライナ危機で一気に噴出した。途上国の食料不足が顕在化した上、近年頻発する気象災害が各国農業に与える影響も深刻化し、自国を優先するため、主要な食料や肥料など生産資材の輸出規制に乗り出す国が相次いだ。日本は輸入先の多様化だけでは対応が難しくなっており、食料の輸入依存度が高いため自国生産の拡大に向け抜本改革が求められる。

 日本の食料自給率は38%で、カナダ266%、オーストラリア200%、アメリカ132%、フランス125%、ドイツ86%、イギリス65%、イタリア60%、スイス51% 、と先進国の中でもずば抜けて低く、山国のスイスより低いのだ。

 日本の食料自給率は、1965年は73%であり、現在と比較すると半減している。この自給率の低下は、日本の食生活の欧米化と関係しており、国民一人当たりが1年間に食べているお米は、1962年の118.3kgをピークに年々減少しており、2020年では 50.7kgと約半分になってしまった。

 米食に代わってパン食が主となりそれと共に肉食が多くなり、小麦や牛肉の輸入が大幅に増加した。日本でも小麦や肉牛の生産は可能であるが、土地が狭いため生産効率が悪く、また肥料や餌代の多くを輸入しなければならず高価なものとなり、輸入食料に頼ることになるのだ。

 これを反映して、日本の農業従事者も激減し、1960年に210万人との統計もあり僅か2%弱にもなってしまった。この状態では食料自給率の早期解決は困難だ。

 食料自給率が低いことは、昨今の歴史的な円安で輸入価格が上昇していることも差し迫った問題であるが、食料安全保障から将来の日本にとって深刻な問題となっている。食料自給率を上げるためには日本人の食生活を一昔前に戻すこと、すなわちパン食から米食に戻すことが手っ取り早いが、個人の嗜好が絡み、独裁国家でない日本では難しい。

 さて、自給率の向上とは直接関係が無いが、地域活性化の必要性が叫ばれている。都市圏への人口の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくための活動である。

 この活動の中で農業に意欲を示す若者もおり、かすかな可能性を感ずる。農業はきつい、汚いのイメージであるが、農業の機械化も進んでいる。先日の農相会合の際、日本の農業機械メーカーが製造した電動トラクターの展示があり、参加したカナダやフランス、ドイツ、イタリアの閣僚らは興味深そうに見学し乗り心地を確認していたそうだ。

 また、窒素肥料を6割減らしても収量を維持できる小麦の品種開発に最近成功したとの話もあり、政府や自治体は大いに支援し、農業従事者が増えるように努力すべきだ。農業従事者が増えれば、自然と食料自給率も向上するであろう。2023.04.26(犬賀 大好ー909)


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