日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球温暖化対策はすっかり忘れ去られている

2020年03月11日 09時11分15秒 | 日々雑感
 今年は暖冬のお蔭で桜の開花時期が記録的に早そうで、本来であれば気分的に浮かれる季節であるが、最近の新型コロナウイルス騒動でお祭り騒ぎの自粛が要請され日本人は従順に従っている。この異常な状況も互いに無関係と思われるウイルス問題と地球温暖化問題がたまたま同時に現れたと理解するのが普通であろうが、果たしてどうであろうか。

 インフルエンザ等の風邪の原因になる菌は暑さや湿気には弱く、冬が終わるころには終焉するのが常であり、トランプ大統領もう少し待てば収まると楽観的な見通しを演説したが、米国のアメリカ疾病管理予防センター(CDC)は新型コロナウイルスはどうもそうとは言い切れないと言っている。このウイルスは地球環境の変化に適応して変化してきたと想像すると自然の不思議さを感ずる。

 コロナ騒ぎでこのところ地球温暖化の話題は影を潜めている。しかし、今年11月開催予定の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)に向けて、この2月末までに削減目標を見直し再提出する必要があった筈であるが、日本政府の見直し論議に関しては全然聞こえてこない。目下新型コロナウイルス騒動でそれどころでは無いと言ったところか。

 しかし新型コロナウイルス感染症対策本部の閣僚会議(2/16)に小泉進次郎環境大臣が欠席したとマスコミで批判されたが、削減目標見直し検討のためならまだしも、地元横須賀での後援会の新年会に出席していたためだと分かり大いに失望した。

 小泉環境相は昨年12月11日、COP25の閣僚級会合に出席し、日本では石炭などの化石燃料発電が大半を占め、大量の炭酸ガスを排出していると各国から批判されていることに対し、日本なりに努力をしていることをアピールをしたが、単なる言い訳にしか聞こえなかったであろう。しかも、石炭火力発電の廃止など脱炭素に向けた具体策や現状の温暖化ガス削減目標の上積みも見送り、いつもの大臣の前向き姿勢はすっかり影を潜めた。

 さて各国が現時点での削減目標を達成できたとしても産業革命以降の気温上昇は今世紀末に3℃となるとの予想で、出来れば1.5℃に抑えたいため各国に一層の努力と、削減目標の見直しを求められていた。これを受けて欧州連合(EU)は1990年比で40%削減という現在の目標を50%に高め、できれば55%に増やそうとの努力を示した。

 ところで日本は2015年には2020年度の温室ガス排出量を「13年度比26%減」とする削減目標に掲げ、「50年には80%減らす」という長期目標も閣議決定しているが、それすら出来ず削減目標の修正も迫られている。

 前述の26%削減目標では、総電力量の2割強を原発で賄う電源構成が必要となるが、現在の総電力に占める割合は約5%で遠く及ばない。原発は福島第1原発事故依頼国民のアレルギー反応が強く、自然エネルギー利用に切り替えるべきであるが、現状自然エネルギー17.4%で、炭酸ガスを排出する石炭や天然ガス発電が78%と大半を占め、多くの国から批判を受けている。

 政府の取り組みは多くの識者を集めて検討はしているようだが一貫したビジョンがなかなか出て来ない。2016年に環境省主催の「気候変動長期戦略懇談会」で長中期的な地球温暖化対策を、2018年には内閣総理大臣から、パリ協定に基づく長期戦略策定に向け有識者会議を設置するよう指示があったそうだが、何が話し合われたのだろうか。2020.03.11(犬賀 大好-581)

新型コロナウイルス検査の信頼性は大丈夫か?

2020年03月07日 09時30分27秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスの感染判定は、PCR検査が現時点では感染を判断する唯一の検査方法とのことである。この検査法は、私たち生物の遺伝子の中に生物固有の情報が収められていることに基づいており、このウイルスの遺伝子情報を見つけ出すことであるが、ウイルスの量が少ないと判定できないため、増殖させるのに4~6時間要する欠点があるとのことだ。

 そのためか検査を欲する人がいても検査をしてもらえず、例えば、クルーズ船での3千人を上回る乗員の全員検査が中々できず拡散を広げた一因になった。

 ところで、安倍首相は2月29日に、国内で1日あたり4000件の検査能力があると明言した。また加藤厚労相も3月2日には4600件の検査能力があると言明したが、活用されているであろうか。

 さて、2月18日から23日までの1日当たりのウイルス検査の件数は、少ない時で656件、多い時で1594件で、5日間合わせて5700件程度になっていることが明らかされており、1日当たり約1000件だ。最近の検査実績は定かでないが、大幅に改善されたとの報道は無く、また先の政府の発表も検査能力が発揮できる見通しに関しては明確にしていない。どこかにボトルネックがあり宝の持ち腐れとなっているのが現状だ。

 また、新型コロナウイルスのPCR検査について、厚労省は2月28日、早ければ3月第1週半ばにも保険適用する方針を固めた。保険適用により、保健所を通さずに医師が検査の実施に踏み切ることができるようになれば、検査実施までのスピードが速くなると期待されるが、ことはそんなに単純では無さそうだ。

 現在のところ、都道府県に医師会や病院団体、感染症指定医療機関、衛生検査所協会らで構成する「都道府県PCR検査調整会議(仮)」を立ち上げ、地域内で可能な検査数などの実績を踏まえて、都道府県が調整に当たるとしている。この仰々しい名前の調整会議で調整するとは時間がかかりそうな気がする。限られた資源を重症化する恐れのある人の検査に集中させる為らしいが、これでは町の1医師がどんなに必要と叫んだところで、検査は容易に受けられそうにない。

 このコロナウイルスの特徴は発症しない潜在感染者が他の人に感染させる可能性があることらしいが、重症化する前に検査が受けられないことから、このような潜在感染者の実体把握が難しく、結果として重症化する患者が多発する結果となることが予想され、痛しかゆしだ。

 現在実施可能な4600件/日を有効に活用する為、先の調整会議の調整能力を期待したいが、船頭多くして船山に登るの感もする。

 一方PCR検査能力の限界も垣間見えてきた。一度陰性と判断されても再び陽性となる可能性があるとはっきりしてきた分けだがその原因は分かっていない。エボラ出血熱のように回復後に再び症状が出現する再燃の可能性もあり、また梅毒のように一度罹っても抗体が出来ず何度でも感染する可能性もあるとのことだ。

 現時点では特効薬は見つかっておらず、抗体が出来ないとなると果てしなく拡散する恐れがある。2020.03.07(犬賀 大好-580)

中国の報道はどこまで信じて良いのか

2020年03月04日 09時42分10秒 | 日々雑感
 昨年12月8日、中国湖北省武漢市で新型のコロナウイルスによる肺炎患者が発症したが、中国は厳しい報道規制を行い事実を隠していたため初期対応が遅れ、今や世界中に広がりを見せている。

 中国は何事によらず体制側に有利な情報は積極的に流すが不利な情報を隠蔽しているようである。しかし、1月20日からは毎日、「疑いのある感染者数」、「感染確定者数」、「死亡者数」、「完治者数」など、四つの数値を隠すことなく公表していると言っている。これらの数値の統計が公正に出されておれば問題無いが正直なところ信ずる気にならない。

 現在、中国のウイルス検査能力は、中国全土で1日50,000件に達し、必要に応じて1日あたり80,000件に増やすことが可能であるとその検査能力の高さを誇っており、日本国内で新型コロナウイルスの検査数が少ないことを受け、在日中国大使館は、1.25万人分の検査キット250箱を国立感染症研究所に無償提供したと明らかにしたが、日本国内で有効に使用されたとの報道は聞かれない。

 日本での検査数が少ない点に関しては感染症研究所の姿勢が問題視されているが、中国製検査キットの信頼性にも問題があるのではないかと勘繰っている。

 兎も角中国公表の統計を信ずれば、2月19日現在,新規増加の感染確定者数は2月13日のピーク時の5,093人/日から2月19日の399人/日に減少したとのことだ。また終息の時期に関しては,中国専門家グループの首席専門家は、新型コロナウイルスによる感染は2月中下旬にピークに達し再度の感染拡大は考えられないと公表し、3月には湖北省以外の地域、4月には湖北省は終息するであろうと予測しているそうだ。

 更に発生地の中国では2月25日、治癒して退院した患者が感染者の3分の1を超え、この1週間は新たに確認される感染者より退院する患者の方が多い状況が続いているそうだ。

 またWHOの事務局長の談話として、現在深刻な懸念があるのは日本、韓国、イラン、イタリアの4か国だとのことであり、中国は入っていないとの報道がつい3日あったばかりだ。

 これだけの報道を聞けば、中国の新型コロナウイルス騒動も4月いっぱいで終わりとなる信じて良いような気になるが、中国は自分に都合の良い報道しかしないことを考えると、まだ引っかかる。

 しかし、一方では暗いニュースも報道されている点で、中国側の報道も少しは信ずる気になる。すなわち感染者が陰性と判断されても退院後に再びウイルス検査で陽性となった例も報道しているのだ。

 日本でも同様な報告がある。大阪府は、医療機関を2月1日に退院した女性が、PCR検査で再び陽性になったと2月26日夜に発表したのだ。この報道は中国側の報道の正しさを裏付けるが、更に勘繰れば再度陽性と判定された患者の数は無視できないほどになっているのだろう。

 兎も角中国側の報道の遅れが世界的な蔓延を引き起こし、世界経済に多大な影響を与えていることは間違いなく、中国の報道のありかたを見直さなくてはならないと中国指導部は考えるようになるであろうか。2020.03.04(犬賀 大好-579)