2021年産ボジョレー・ヌーヴォーの会を催しました。
今年のヌーヴォーは受難の年と言えます。ワインは人手の掛かる農産物で、均質な品質に仕上がる工業製品の対極にあります。最近は特に異常気象による被害が多発しており、フランスでは葡萄の芽吹きのタイミングで冷害に見舞われてしまいました。カリフォルニアの山火事やオーストラリアの熱波、そして度重なる水害など、例を挙げればきりがありません。年々ワイン産地を取り巻く環境が過酷なものになっています。
今年はそうした造り手の苦労を忍びながら味わうワイン会になりました。
今年の解禁日は 11 月 18 日です!なかなか難しい年となったようです…。生産量は 50%減…。結実後、ようやく葡萄果実が硬くなった時に襲ってきた雹害で葡萄が激減した後、雨が続いた事で湿気の多い状態が続き、カビが蔓延。ベト病により葡萄果実は腐ってしまったのです。大手生産者は農薬を撒き病気を食い止めようとしましたが、パカレ、デコンブ、ラピエールは、出来る限り手作業で毎日畑に出て腐敗果を取り除いていきました。中でも酷い被害だったのがラピエール。デコンブ、パカレの畑は比較的標高が高く、雹害も軽い地域でしたが、ラピエールの畑は低地で雹害が直撃。生産量の 50%以上を失ってしまいました。マリー・ラピエールとシャヌデの決断は生産量を減らしてもラピエールらしいヌーヴォーを少量造りました。腐敗果を粒よりして選別。考えられない厳しい選別を施し、完璧な葡萄だけを発酵槽に入れて、例年通り野生酵母のみで発酵。なんとか少量のヌーヴォーが出来上がりました。生産量は 50%以下。世界中からの注文を断り、昔からの顧客であり、最も古いサポーターでもある日本を優先して出荷してくれました。昨年の太陽の味。濃いブラックベリーのような味わいとは正反対。ストロベリーのような爽やかで華やか、アルコール度数も12%以下の軽やかなボジョレー・ヌーヴォーが出来上がりました。これもボジョレーの楽しさ、面白さです。今年は苦しみながら手作業で毎日仕事をしてきた造り手の努力を思い浮かべながら乾杯しましょう!
場所は水戸のWineBar Cou Couです。
コロナ禍で暫く足を運んでいませんでした。今回久しぶりの訪問です。
繊細で瑞々しい果実味のフーヴォーに合わせてシェフが腕を振るって下さいました。美味です。
■マリー・ラピエール&シャヌデ・メッセージ
「シャヌデ」2021 の不安定な天候の影響でなかなか難しい年となりました。2020 年のような太陽、日照量が無かったんです…。そして、更に深刻だったのが、かなり大規模な霜害です。※霜害の影響で 50%の葡萄を失いました…。雹害だけでなく、その後に雨が続いたことで葡萄畑は湿気が多くなりました。この影響でベト病が発生しました。※更に葡萄はカビてしまい、手作業で腐敗果を取り除きました。それらの影響で今年のヌーヴォーはアルコールが低く、フレッシュな果実の味わいになっています。良い点としてはアロマティックで綺麗な酸があり上品。2020 年と比べると多少硬い感じがするかもしれません。
「マリー」今年のヌーヴォーは昔に戻ったみたい。私達が造っていた、私達の好きな軽やかなスタイルになっていると感じます。昨年は異常なほど日照が多かったのですが、今年は異常なほど少なく、11.5 度のアルコール度数となっています。フレッシュな果実味が溢れ、赤い果実のアロマでいっぱいなんです!※2020 年→黒系果実 2021→赤系果実
最後に日本の皆さんに伝えておきたいことがあります。今年は葡萄の収穫量が非常に少なく、世界各国には供給できませんでした。日本の皆さまのみに優先的に造りました。今年のヌーヴォーは私からの日本の皆さんへのプレゼントです!
■ジョルジュ・デコンブ
2021 年のガメイはここ何年間と比べるとアルコール度数が低く仕上がりました。11.5 度~12 度です。※例年より 1.5 度
位低くなっています。だから、いつもの年より、沢山、沢山飲めるんじゃないかな!
■フィリップ・パカレ
皆さん、こんにちは!2021 年のヴィンテージ情報、特にボジョレー・ヌーヴォーについて伝えられることを嬉しく思います。今年のボジョレー及びブルゴーニュのワインはクラシックで伝統的なスタイルと言うべきでしょうか。※ヌーヴォーのスタイルでブルゴーニュも予想ができます。雨が多かったので苦労しました。ワインの色は濃くなく透き通るようです。フレッシュさが際立ち、昨年のヌーヴォーのような豊満で重厚な味わいではなく、花の香で果実の華やかさが楽しめます。スルスルと飲めちゃいますよ。皆さんが 2021 年のボジョレー・ヌーヴォーを美味しく、楽しく、飲まれることを願っています。またお会いしましょう! さようなら。
上のワインはカリフォルニアのシラー種を使った濃密な赤ワインです。
デザートのモンブランにはソーテルヌをチョイス♪
たとえ冷害に見舞われても、優れた腕の造り手にかかれば、素晴らしい味わいのヌーヴォーに仕上げてくれます。
バブルの頃はそれはそれは盛大なイベントでしたのにな~
ジジイも大昔解禁日のカウントダウンパーティーに
参加してグダグダになった記憶があります、
遠い昔のお話・・・
昔は腐るほど宣伝してましたね。