土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

葛城古道の古刹、菩提寺を訪ねました。

2011年02月16日 | 奈良の古寺巡り


(2011.02.13 訪問)
高鴨神社から五~六分、西山中山麓伏見の里に菩提寺はあります。さすが葛城山
麓、11日の雪が相当残っています。訪ねて先ず驚いたのは、なんと小さなお寺。
山門と本堂それに庫裡のみで境内は極めて狭く、ささやかなお寺、それが印象で
す。庫裡にはどなたもいらっしゃいません。寺歴は古そうなんですが、時代の波
に揉まれながらもなんとか法灯を守ってきたしたたかさを応援したいお寺です。

山門前に雪が積もっていますが、人の足跡が残っていません。最近の入山はどう
もボクが初めてのようで、当然境内もまっさら雪のまま、ボクの足跡のみです。

[ 菩提寺 ] ぼだいじ
●山号 伏見山(ふしみさん)
●院号 菩提院(ぼだいいん)
●寺号 菩提寺(ぼだいじ)
●宗派 高野山真言宗
●創建 奈良時代後期
●本尊 十一面観音菩薩

菩提寺縁起
奈良時代行基さんが布教行脚中留止し、この地に道場「菩提院」を建てた後裔と
いい、奈良朝最後の光仁天皇が仏法興隆を願い田三町を施入、繁栄の基が出来た
そうです。平安初期、空海さんもこのお寺で参籠修行をしたと伝えられ往時は子
院三十余坊を誇ったそうです。

▼山門。
昭和59年再建。大きくはありませんが立派な八脚門です。



▼山門の仁王さん。両像とも腰に草鞋をぶら下げています。





▼本堂。新しいお堂です。



▼境内の石仏。



金剛葛城の西山中一帯は古来葛城一族の発祥の地で、役行者を始めとする修験者
の修行地として歴史を彩ってきました。先の役行者や行基さん、空海さんと時の
エンターテナーの名が頻繁に登場するのがこの地の特色です。付近には、高天寺
橋本院、吐田極楽寺、九品寺、船宿寺や高鴨神社、高天彦神社、一言主神社など
中堅の古刹や古社がこれでもかと残っているボク達にとって垂涎の地です。

まだしつこく葛城古道を走りますゆえ、明日につづくのです。

全国賀茂社の総本宮、高鴨神社に寄ってみました。

2011年02月16日 | 奈良の古寺巡り


(2011.02.13 訪問)
八紘寺から葛城古道菩提寺をめざします。もと来た道を引き返し再びR24を南下、
風の森を右折西へ県道30号線へ。
途中高鴨神社の前を通りましたので寄ってみました。春の日本さくら草で有名な
神社です。高鴨神社は京上賀茂神社、下賀茂神社を始めとする全国の賀茂社、鴨
社のいってみればお寺の総本山みたいなもので賀茂社の総本宮。

[ 高鴨神社 ] たかがもじんじゃ
●祭神 阿治須岐高日子根命(あじすきたかひこねのみこと)
 事代主命(ことしろぬしのみこと)
 阿治須岐速雄命(あじすきはやおのみこと)
 下照姫命(したてるひめのみこと)
 天稚彦命(あめわかひこのみこと)
●由緒 弥生中期前より祭祀を行う日本最古の神社で官幣名神大社。最高の社格
 をもつ神社で当地に住んだ鴨一族の氏神といわれているそうです    
 摂社 二社 東宮、西宮。 末社 十六社。

▼一の鳥居。



▼一の鳥居扁額。



▼鳥居前の狛犬。



▼参道。



▼手水舎。



▼二の鳥居越しの拝殿。
二の鳥居は石造なのですが、かなりヒドイことになっています。柱二本、笠及び
笠木共に折れて各部共鎹で留めているだけ。左貫はセメント補強のみ、オーコワ!



▼拝殿。



▼本殿。
本殿は室町時代再建の三間社流造の建物。(重文)
平成二十二年屋根葺替、彩色復元が完了され非常に美しい姿を見せています。



▼摂社の東宮。



▼末社の五社。



▼鐘楼。
神社の鐘楼は初めて見ました。珍しいですよネ。神仏習合の名残でしょうか。



古社は何処も鬱蒼の森に神秘的神々しさを備え、森厳な「気」が辺り一帯に満ち
ているように感じませんか。
ここから菩提寺はスグ、続くんです。