土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

御杖神社は むらまつり が聞こえてきそうな鎮守様。

2011年08月10日 | 奈良の古寺巡り


(2011.08.06訪問)

御杖神社は東禅寺からほんの少々、村道の脇に今はヒッソリと鎮座しています。

▼社標石。



[ 御杖神社 ] みつえじんじゃ
●社格 延喜式内小社 旧社格は郷社
●祭神 久那斗神(くなどのかみ)
   八街比古神(やちまたひこのかみ)
   八街比女神(やちまたひめのかみ)

御杖神社縁起
垂仁天皇の勅命で皇女倭姫が天照大神の御杖代となり、遷宮の地を求めて巡幸の
おり、この地に行宮を造り御休座になられた処と伝承され、残された玉杖をお祀
りしている処から社名と村名が付けられたと伝えています。
祭神久那斗神の久那斗とは杖という意味で、久那斗神は人生行路の安全と幸福を
もたらす神様だそうです。祭神三神のほか、須佐之男尊をはじめ十三神が合祀さ
れています。

▼境内口。



▼手水舎。



▼拝殿。
入母屋造りの重厚な拝殿で、屋根は銅葺き。



▼拝殿扁額。



▼拝殿から本殿を。



▼拝殿前両側の大杉はご神木「上津江杉(かみつえすぎ)」樹齢600年。



▼神社前を流れる小川。



拝殿の前に立つと何やら聞こえてきそうな気がします。

村の鎮守の神様の
 今日はめでたいおまつり日
ドンドンヒャララ ドンヒャララ
 ドンドンヒャララ ドンヒャララ
朝から聞こえる笛太鼓

夏祭りや秋祭りの日には村の子供たちの声でさぞや賑やかに、御杖神社はそんな
郷愁を誘う村の鎮守様でした。

御杖村東禅寺は雨の中。

2011年08月10日 | 奈良の古寺巡り


(2011.08.06訪問)

奈良県の東端、あと2キロくらい東に行くと三重県というところに御杖村は在り
ます。西名阪針ICから伊勢本街道(国道369号)宇陀から山越えで曽爾村を経て御
杖村に向かいました。この日はこの村の東禅寺、安能寺、全昌寺を訪ねるつもり
でしたが、行き着いたのは残念ながら東禅寺のみ。御杖村役場で所在を尋ねたの
ですが、「道は細いですよ、行き違いできませんよ」の一言で急遽東禅寺と御杖
神社のみに変更。帰途、針の観音寺と円成寺に立ち寄りました。
それにしても皆さん、御杖村にはガソリンスタンドが二軒しかありませんご注意
のほどを。

▼寺標。



[ 東禅寺 ] とうぜんじ
●山号 龍谷山(りゅうこくさん)
●寺号 東禅寺(とうぜんじ) 
●宗派 曹洞宗 
●開基 不明
●創建 不明
●本尊 釈迦牟尼仏

東禅寺縁起
創建年代や由緒縁起などは不明ですが、鎌倉期には真言宗のお寺で、村の檀那寺
としてこの地に在ったそうです。

▼山門。重層の立派な山門で、上層には外廊が巻いています。



▼手水舎。



▼木を刳りぬいた樋に生紫陽花の粋な演出。



▼本堂。
本堂正面に木組みがあり、何か法会の後のような感じなので入堂は遠慮しました。
昭和二十五年近隣の火事で本堂などが焼失したそうで、このお堂は再建堂です。



▼山門。



ちょうど東禅寺に着いたとたんに大雨、山門の下で雨宿りのはめになりました。
西空みればピーカンの青空、御杖村は道も複雑ですが、天気も気分も複雑な一日
の始まりでした。