(2014.08.30訪問)
相変わらず週末は晴れたり曇ったり雨だったり。天気予報の当たらないこと全く頭に、来ませんか、皆さん。
久々に西国三十三カ所観音霊場を訪ねました。大阪札所四寺のうち二十二番札所、 補陀洛山総持寺、我が家
からきわめて近い札所であります。
▼仁王門。
[ 総持寺 ]
●山号 補陀洛山(ふだらくさん)
●寺号 総持寺 (そうじじ)
●開基 藤原山蔭 (ふじわらやまかげ) 従三位中納言、藤原北家房前の嫡流
●開創 元慶三年 (879年)
●宗派 高野山真言宗
●本尊 千手千眼観世音菩薩
▲拝観料 境内自由 朱印300円
▲拝観時間 6:00~17:00
▲西国三十三カ所観音霊場第二十二番札所
▲大阪府茨木市総持寺1-6-1 Tel.072-622-3209
▲http://www.sojiji.or.jp/
▲阪急京都線「総持寺」駅下車 徒歩5分
▼西国二十二番総持寺寺標。
総持寺縁起 (総持寺縁起旧記、総持寺パンフより抄出)
承和年間山陰父高房太宰大弐に任ぜられ下向中、漁夫等巨亀を捕らえ甲を穿たんとす。高房我念願する所あ
り、その亀を得させよと単衣一領取らしめ、水中に放たしむ。翌朝継母若君亡き者とせんと水中に陥れたり。
高房痛悼限りなく至心合掌南無観世音菩薩我恭啓信心照覧あれ、今一度亡児の姿見せしめ給え。念願成就時、
尊像を刻し伽藍建立し安置奉らんと祈願を凝したり。然るに不思議なるかな水中に陥れらし若君は巨亀の甲
上に安座せる也。嗚呼奇なる哉。その後高房逝去す。山陰造仏の意志を継ぎ日夜これ成就せんと念願、果た
さんと長谷観音へ参籠、童子に逢えり、童子曰く尊像刻すべき願主の調味を受けん。漸く三年の星霜を経た
り、暁天夢うつつともな空中に声あり、山陰急ぎ仏舎に往き開扉、内を拝し見るに御丈三尺許りの千手観音
亀の座に立たせ給う。実に長谷観音化現童子の刻給う本朝無双の尊像也。歓喜雀々深く崇信限りなく尊像を
本尊として安置し奉れり。
早い話が…
藤原山蔭の父高房は、任地に向かう途中に、漁師たちが大亀を捕らえているのを見て、漁師達に物を与え亀
を逃がしてやりました。あくる朝、子の山蔭が継母に川に落とされてしまった。高房はこれを悲しんで、観
音様に祈ったら、高房が助けた亀が、山蔭を甲羅に乗せて現れた。高房の没後、山蔭が父の意志を継ぎ観音
像を刻し祀ったのが総持寺縁起の起源だという事です。
▼黄金の蓮葉からセンサー手水。
▼仁王門。三間一戸十二脚、重層楼門、入母屋造、本瓦葺。初層左右に金剛力士像。
▼補陀洛山山号扁額。
▼阿形仁王さん。像高 227.5cm。檜寄木造り、彩色、玉眼、鎌倉後期。
▼恐いですね。
文化財指定はないのですが、表情は実に豪快、玉眼が生きてるようです。
▼吽形仁王さん。像高 226.7cm。檜寄木造り、彩色、玉眼、鎌倉後期。
▼恐ろしいですね。
▼千社札が貼りまくられている仁王さんの個室。
▼仁王門を潜ると正面に銅製燈籠。
▼左手に鐘楼。
▼本堂です。本尊 千手千眼観世音菩薩(秘仏)。毎年4月15日~4月21日特別開扉されるそうです。
桁行七間、梁間五間、一間向拝付、入母屋造、本瓦葺。左側面に入堂階段敷設。
▼本堂は入堂で来ません。前面ガラス越しの拝観になります。
▼本堂、角度をかえて見ると屋根の流れがキレイです。
▼金堂。桁行三間、梁間四間、一間向拝付、寄せ棟造、本瓦葺。
▼金堂内陣。本尊薬師さんと日光、月光さん。
▼金堂を下から見てみました。
▼境内の一部です。
▼大師堂。桁行三間、梁間四間、一間向拝付、入母屋造、銅板葺。小さいながらも複雑な屋根の構成をとり、
二重破風で大屋根に千鳥破風、その前向拝は唐破風の体裁を取っています。扁額は弘法と揮毫。
▼須弥壇中央に空海さん。右は弥勒菩薩、非常に怖い顔の印象です。左はお不動さん。
▼観音堂。ボケ封じ近畿十楽観音霊場の第六番札所です。
▼観音堂入口にスラリの本尊、ボケ封じ観音(晋悲観音)。
ボケませんように、ボケませんように、ボケませんように。
ほんの本気です。
▼宝篋印塔。
▼包丁塚。刻字全部が梵字で刻され、まったく読めません。
▼鎮守社。大黒天、弁財天、青面金剛の三神をお祀りしています。
▼経蔵。
▼扁額。
▼荒神社。
▼扁額。
▼不動堂。
▼百日紅が頑張ってます。奥は不動堂の屋根宝形です。
▼お稲荷さんの鳥居。境内西に小高い丘が造られ、五社稲荷が祀られています。
▼本殿。一扉一社で神号を梵字で表していますが、
どれがどなたかはわかりません。
▼小さな池の小島に祀られている閻魔堂。
▼庭園。
▼健気にも咲き残っています。
▼亀が起源のこのお寺、大切に飼われているようです。
▼懸造り風開山堂。宮中料理を四条流包丁式として大成した藤原山蔭を祀っています。
山蔭は料理の名人で、魚に手を触れないで箸と包丁でだけで魚をさばくという山蔭流庖丁の元祖といわれ、
日本料理中興の祖とされているそうです。
▼扁額。
▼庫裏。
▼書院玄関。
▼東門です。
▼新造、ピカピカの亀に乗った寺標碑。
▼若い僧が書いてくれた御朱印です。
街中のお寺ということもあり、境内は決して広くはなく、新旧建物混在で、多くの堂宇や社が見事にまとめ
られ、配置されています。俯瞰で見れば恐らく寺院のジオラマと見紛うでしょう。
駅から近く、札所ということで多くの参拝者や巡礼の方がおられ、非常に親しみあるお寺なんでしょうネ。
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