土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

正法寺、石のお寺の「鳥獣の石庭」一見の価値。

2015年08月21日 | 京都の古寺巡り




(2015.08.15訪問)


寺友情報はアタリでした。
十輪寺から山道を下ること約3キロ、10分くらいで石の寺正法寺に着きます。いくらか街中に近いので参拝者の方も増
えていますし皆さん「鳥獣の石庭」を目指しているようです。
京には、枯山水や回遊式、白砂庭園などの禅刹を始め有名庭数々有りますが、禅刹庭における侘び寂びや禅問答のよう
な理屈を除いて、この正法寺の「鳥獣の石庭」は一級品といっても差し支えないでしょう。



▼山門。この門からは入山出来ません。





[ 正法寺 ]
●山号 法寿山(ほうじゅざん)
●寺号 正法寺(しょうぽうじ) 通称 石の寺
●宗派 真言宗東寺派別格本山(しんごんしゅうとうじは)
●開基 智威大徳(ちいだいとく)
●開創 天平勝宝六年(754年)
●本尊 三面千手観音立像
▲拝観料 300円 御朱印300円  
▲拝観時間 9:00~17:00
▲京都市西京区大原野南春日町1102 電話 075-331-0105
▲ 阪急電車「東向日駅」下車 阪急バス「南春日町」下車 徒歩約7分
 京都縦貫道大原野ICから約7分
 国道9号沓掛口から約7分



▼手前の駐車場に置いたために最初にこの場所に出ます。石段の上は、不動堂、春日不動尊をお祀りしています。

 



正法寺縁起(正法寺HPより抄出)
天平勝宝六年(754年)中国から渡来して、奈良唐招提寺に住持した鑑真和上の高弟、智威大徳が隠棲した所で春日禅房
と称し、その跡を伝教大師最澄が大原寺の名で寺としました。弘仁年間(810~824年)には弘法大師空海が巡錫、本尊の
三面千手観世音菩薩立像を彫刻されたと伝えられています。応仁の乱の戦火で焼失しましたが、元和元年(1615年)恵雲
律師、徴円律師により正法寺として再興、元禄年間(1680~1703年)には、徳川綱吉の母、桂昌院の帰依を受け徳川家
代々の祈願所となりました。庶民には西山のお大師さんとして信仰されてきました。
通称「石の寺」というのは、境内全体で200トンに及ぶ巨岩が全国各地から集められていることに由来します。幾つも
有る庭園のうちで著名なのは宝生苑で、東山連峰を望む借景式山水庭園ですが、お堂の畳に座って眺めると、庭石の形
が何となく鳥やペンギン、兎など、15種類もの動物の形に似ているため「鳥獣の石庭」と呼ばれています。



▼不動堂正面。






        石段中程左右に金剛力士像が佇立。
        ▼右、吽形仁王さん。






        ▼左、阿形仁王さん。



        東大寺南大門式でしょうか。仁王さんの立ち位置が通常とは違っています。




▼通用門なんでしょう、この門からの入山になります。






        ▼子安地蔵が最初にお目見え。大きい石像ですよ。






▼本堂です。前の石畳は山門からの参道です。






▼本堂内陣の荘厳。






▼中央須弥壇に本尊を中心に四体の仏像が祀られています。






▼本尊三面千手観音菩薩立像(重文)。像高260cm、木造、鎌倉初期の作。
 三面千手観音といってますが、本来は十一面千手観音じゃないかな。頭上の小面のうち、二面を脇面として主面の左
 右に付けたのでは。小面は二段に積まれていますが全体の数が判りません、何個かは欠落していますので断言はでき
 ませんが。






▼本尊お顔のアップ。主面の左脇面は穏やかなお顔、右のお顔は牙が見えますので怒りかな。






▼本堂前庭は石の寺の片鱗を見せています。






▼山内北に阿弥陀三尊の真新しい石像が……。石彫もここまで見事に彫れるとは、本当に美しい三尊です。






        ▼やはり北東の一角に六角二重の遍照塔。このお寺唯一朱色が眩い塔で、
         元々高台寺横に建立された日露戦争戦没者慰霊塔。
         平成二十二年こちらに移築されたそうです。






書院前に広がる白砂の広~い庭園、遠く東山連峰を見晴るかす書院前庭。宝生苑白砂名庭をしばし眺め見い入りましょ
うか。


▼白砂に置かれた大小の石が鳥や動物の形に似ているので、「鳥獣の石庭」と呼ばれているそうです。縁に説明イラス
 トがあります、多少こじつけ気味ですけどね。






▼中央の樹は紅枝垂れ桜。桜花満開の頃の白砂とのコラボはさぞやの感がします。






▼少しアングルを…、






▼白砂庭の右に池と小山が造作、池には白い睡蓮が二つ、心ばかりに咲いてます。











▼小山の奥、僅かに落ちる観音滝の音が心地いい響きです。滝は中央の黒い所です。






▼書院南、境外と思いますが、遊歩道がつく千原池があります。見ようによってはかなり神秘的な池で、今は蓮と睡蓮
 が咲いています。






▼蓮です。











▼睡蓮です。








いずれも花数はかなり少ないのでぼつぼつオシマイかもしれません。




▼御朱印です。






「お庭に対峙し瞑想して、作者の秘めたるコンセプトの理解に努め、だからこのお庭はこういう意図のもとに作庭」さ
れたと云うような理屈の理解に頭を悩ます前に、あくまでも白砂の輝き、あっけらかんとした明るさ、とりどりの石、
ワーいい景色! がボクが見た「鳥獣の石庭」の感想でした。
どなたの作庭かは知りませんし、当然作庭意図はあるんでしょうが、こんな感想でスイマセン。

歴史由緒の古い寺歴ですが、庭園を始め、境内全体が見事に整備され、すべてが美しい綺麗なお寺。ボクは外見上から
歴史を感じることは出来ませんでした。拝観終えてまず感じたことは、「なんというお金持ちのお寺!」

ひょっとしたら来週も大原野を歩くかも知れません。 洛西の古寺巡りとりあえず オ シ マ イ 




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