選手が指揮官を罵倒する光景

　ディエゴ・コスタがチェルシーに毒を吐きまくっています。

　イブラヒモビッチもそうでしたが、

　「グアルディオラのくそ野郎！！」
　「コンテは監督としては優秀かもしれないが、人間としては最悪だぜ！！」

　と罵れる選手は、素直にすごいと思いますし、僕もこんな風に毒づくことができたら、と思うほどです。

　彼らは勝てる喧嘩をしているわけです。

　監督批判をどれだけしても

　「他のクラブがきっと俺を欲しがる」
　「移籍先でもゴールを量産できる」

　という確固たる自負があるのでしょうし、ライオラのようなやり手からすれば、選手の不満を移籍で解決することは十八番でしょうからね。

　日本は基本、上司や監督に物申しません。

　それは江戸時代から続く連帯責任の存在が、今でも残っているためではないでしょうか。

　日本家屋は木造であり、襖やしょうじのように紙でできていますから、放火はご法度であり、捕まれば家族も連帯で処刑となりました。

　つまり、自分の失言や態度が自分以外の人間に影響してしまうことを、どこかで恐れているように思えますし、同時に突き抜けた自信もない、というのが正直なところではないでしょうか。

　僕は車通勤ですから、帰宅の際に飲酒をしませんが、おでんや焼き鳥、焼酎を飲みながら、ああでもない、こうでもないとお互い吐き出す方が、日本の風景と言えます。

　過去、僕もウマのあわない上司を罵ったことがあり、噂が一瞬にして広がりました。

　らしくない行動をしたことは恥ずかしくもありましたが、欧州サッカーでは日常の光景なのですね。

ヴィッセル、後任人事で話題を振りまく

　ヴィッセルの監督人事、当初はファンハールにラウドルップと、景気の良い話が聞こえてきましたが、さすがに落ち着いてきましたね。

　一説ではフリーであり、Ｊ１を熟知しているミシャ・ペトロビッチに声をかける予定と言いますし、はたまはハヴィエル・アギレ元日本代表監督という声もあります。

　仮にペトロビッチ氏が新監督になると仮定しましょう。

　十八番の３－４－２－１を敷くとして、１トップにハーフナー・マイク、シャドーに小川とポドルスキ、中盤の底に高橋という形になるのでしょうが、この布陣は習得が難しい事でも知られています。

　選手たちが慣れない布陣に挑戦し、約束事が守れないまま順位と落とすよりも、来季の頭から就任したほうがこの場合は良いように感じます。

　アギレ氏が就任した際は、かつての日本代表同様に４－３－３を用いるのかもしれませんが、彼が見初めた田中順也が今ヴィッセルに在籍しています。

　彼が就任すれば、案外ポドルスキと言えども横一線で戦うことになる気がします。

　セレッソが２０１４年に低迷した際に囁かれたのは

　１・シンプリシオを放出したことで、中盤の人選が狂った
　２・フォルランという個性を、巧みに組織の中に入れることができなかった

　という２点があります。

　ランコ・ポポビッチの後任となった大熊清は、ある種の観念

　「フォルラン頼みの攻撃」

　から脱却するために、意図的に彼を先発から外しました。

　ヴィッセルの新監督にとっても、ポドルスキが素晴らしい人材であることは間違いなく、依存しない組織構築が必要となります。