面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

治山治水に注力を

2019-10-23 23:17:18 | 政治
日本が自然災害大国なのはどうしようもないことだ。毎年台風は来るし、規模が大きいと百人前後の死者が出る。数十年に一度は大地震も起こる。関東大震災の再来はいつ来てもおかしくないのだ。

そうであれば治山治水、防災、減災に国家として注力しなければならない。なにもしなければ国民の生命と財産が喪われるのだから。

今振り替えると公共事業を敵視した風潮は異常だった。自民党政治に飽き飽きしていたからかもしれないが、政治問題を取り扱う漫画やドラマ、警察ドラマなどでも、では必ず建設省、国土交通省が悪役だった。

彼らは土建屋と結託して無駄な公共事業を行い血税を食い物にしているという絵に描いたような設定ばかりが目立った。

「熊しか通らない道路」は無駄だと小泉純一郎は絶叫したが、災害で道路が寸断されることが頻繁に起こる日本では道路は多い方が良い。そうでないと陸の孤島になってしまう。

公共事業を減らせば、それが改革になり、生産性が低い企業が退場し日本経済の構造改革が起こる、と。なんという愚かな妄想であったのか。

公共事業を始め歳出を減らしたことにより生産性が低い企業が倒産あるいは解散し、残ったのは失業者だけだ。職は見つかるが、賃金の安い単純労働しかない。

全盛期に比べ建設業者の数は明らかに減っているから、公共事業を増やして治山治水に注力したくとも簡単には増やせないかもしれない。「生産力」がないのだ。

高度経済成長期に建設した高速道路や水道管も老朽化が著しい。公共事業予算を増やして更新しなければならないが、財政を理由に公共事業に予算が付かない。

台風19号の猛威で国民も治山治水の必要性を強く感じたようだが、他の予算を減らして公共事業を増やすのでは意味がない。

あくまでも歳出を増やす形で公共事業予算を増やさなければGDPは成長しない。失われた30年は債務を過度に気にしすぎて、歳出を減らして、増税で国民から搾り上げ歳入を増やしたのが原因だった。

つまり基礎的財政収支、プライマリーバランス、の黒字化目標を破棄し、国債を大規模に発行し、歳出を大幅に増やさなければならない。

そうしてようやく経済が成長軌道に乗るのだ。他の予算を減らしての公共事業予算を増やすのでは治山治水になっても経済は良くならない。そして削られた分野では予算不足から支障を来すようになるだろう。

科学技術予算を減らせば日本はノーベル科学賞を20年後は受賞できなくなるかもしれない。20年後日本はノーベル科学賞を受賞できるか

日本がノーベル科学賞を毎年のように受賞しているのは日本人が優れているから、ではない。予算を投入したからなのだ。だから日本以上に潤沢な予算を費やしている米国は毎年複数者がノーベル科学賞を受賞している。

つまらない真理だが、予算を投入しなければその分野の発展はない。

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