『ドラゴン桜外伝エンゼルバンク5』
井野は緒方に資格が生きる仕事より資格が仕事の会社通信教育関連の仕事を紹介したのだった。
しかし海老沢は失敗を願っていたと水を差す。マザー・テレサの言葉を引用して「愛情の反対は無関心である」と説く。部下の小さな成功を喜ぶだけの上司は部下に無関心だからいい加減に褒めているという。成功の反対は何か。失敗ではない。挑戦しないことだ。愛情が憎悪に変わり憎悪が愛情に変わることがある。成功が失敗に変わることがあり失敗が成功に変わることがある。愛情と憎悪、成功と失敗はある意味同義語だという。
でも反日憎悪の韓国が親日に転換するなんて想像もできないんだけどなあ。まあ日本統治時代は大多数の朝鮮人は日本にすり寄って来たが。
海老沢は成功するためには逆の発想が必要だと繰返し言ってきた。なかなか正しく逆の発想をすることは難しい。思いついたとして大概間違っている。日本のニュースのほとんどは誰かが自分の都合のために発表したことでなんの批判も受けずに流されている。だから常にニュースの逆を発想できれば利益になる情報を得られる。そのために真の逆の発想が大切なのだと。
井野は友人の結婚式に参加する。近況報告や高校時代の昔話で盛り上がる。海老沢に以前友達の結婚式や同窓会で隣の芝生が良く見えるからそれがきっかけで人は転職を考えると話をされたことを思い出す。きっかけは何でも良い。感情で動いてもその後論理的に戦略を立てれば成功できると。
井野自身も友人の結婚式に出たことで気持ちがぐらついてしまう。そのために桜木の法律事務所を訪れる。桜木は100人の転職を成功させるように言う。100人転職させれば100通りの会社を知るチャンスがあるから一つ一つじっくり観察するようにと。また良い会社の見分け方は中古物件の賢い買い方が同じだと言う。褒め言葉の常套句が並んでいる商品の価値は疑ってかかれ。褒めているつもりで自らダメだって白状しているからだ。世の中の誰かが何かを強調している時その反対が本当は現実なんだと。表の情報から裏に潜む本質を見抜け。表の情報に踊らされると偽物をつかむ。これが世の中の真理。
そうすると小学校の頃の内申書を思い出す。「明るく正直で活発」とかそんなことを書かれていた気がする。誰でも同じような褒め言葉だ。小学校の先生も内申書を書くのが大変だとかぼやいていた覚えがある。
桜木に相談して悩みが吹っ切れた井野は100人の転職の成功を目標にする。井野は転職代理人は報酬を支払うのが採用先の会社なのが良いシステムと評価する。転職代理人も応募者の年収が上がるように努力するし、転職希望者も一円掛けずに支援してもらえる。もっとみんな利用すれば良いのにと。海老沢は怖いからと言う。タダより高いものはないと。本気度が高いものは値段と一緒に安心も買っている。「怖い」「あやしい」をそのままにせず真実を知りたいと思って調べる人じゃないと大した仕事もできないと突き放す。転職代理人を使った方が有利だって調べて知った人だけが得をする。知らない人は損をする。それが世の中の理屈だと。
東大卒で総合商社勤務の桂木の転職を担当する。絵に描いたようなエリートだが、どうにも人を小馬鹿にしたような感じがする。しかし転職させれば報酬は普段の二人分。井野は張り切るが、桂木は面接で落とされてしまう。その理由は「なんとなく」。なんとなくこの人嫌だなあという理由。桂木は商社でも少し浮いている。正論を述べるのだが、会社はそれだけでは回らない。会社を動かすのは人だから。それが桂木はわかっていない。
海老沢は「答え」がわかりましたと桂木に回答すればすぐに桂木は来るという。その予言通り桂木は来た。海老沢は桂木を挑発しつつ「答え」を教える。人は面接で論理的に決定などしない。感情で決める。会社や社会で起こる問題も同じ。そこにいくら論理的な解決策を示したとしても感情面もついてこなければその解決策に従って行動することはない。紙の上じゃ論理でものが進むけど仕事は人間関係で進む。人間関係を円滑にできる人が仕事で成功する。また社会では誰も問題を用意しない。自分で問題を探し出して自分で解決策を立てる。それが仕事だと言う。
海老沢の手掛ける「日本支配計画」。その名称を聞いただけで桂木は飛び付く。井野を急かしてその計画について説明できる人に聞きに行く。ベンチャー企業社長の岡本である。桂木は計画の前に海老沢の正体を尋ねる。海老沢は投資により莫大な資産を築きそれにより会社から自由を勝ち取った人だと岡本は説明する。それで桜木は「日本支配計画」を理解する。将来日本で成長が期待できる産業に自分と交流のある人材を配置し、自分を中心としたネットワークで人々をつなげて大きなパワーに変えていこうとしている。ついでに経済的利益もがっちりいただく。そのために転職業界にいる。情報収集にはもってこいだから。
桜木はもう一度海老沢に会って話を聞きたいと思い井野に連絡を頼む。そうすると今度の日曜日動物園でならという話になり井野、海老沢、桂木の三人で動物園で会うことになる。
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