「チュイチュイ」の台本執筆のおかげで
鈴木鎮一先生とご縁のあった偉大な方々のことも
知る機会となって、本当に有難い。
その中のお一人
偉大なチェロ奏者パブロ・カザルス氏の言葉と
カザルス地方の「鳥」の演奏が
今を生きている私たちへのメッセージのように思えて・・・
ウクライナとロシアの戦争問題
北朝鮮のミサイル発射・・・
円安の影響、コロナの動向・・・
難題が山積みの世界情勢で💦
それらを踏まえた上で
パブロ・カザルス氏の言葉や演奏等を
ここでご紹介させていただきます。
君は奇跡 パブロ・カザルス(1876-1973)
この宇宙で 僕らは毎秒あたらしい刻を生きている
二度とくりかえさない自分自身の時を……
では 僕らは子供たちに何を教えているだろうか
2たす2は4 フランスの首都はパリだと
彼らが何者であるかを いつ僕らは教えるのだろう
ひとりひとりに 僕らは言わなければならない
君は自分が何者であるかを知っているかい?
君は驚異 君は奇跡 君はとても素晴らしい存在なんだ
そうさ 君は二人といない
過ぎ去った何百年もの昔から 君と同じ子供はいなかった
気味の足 君の腕 君の器用な指 君が動くそのやり方
君はシェークスピアにもミケランジェロにも
ベートーヴェンにだってなれるんだ
君は何者にもなれる可能性を持っている
そう 君は奇跡の子ども
だとすれば 君が大人になった時
君と同じように奇跡の存在である他の人を
傷つけることができるだろうか
君は努力しなければいけない
いや 僕らみんなが努力するべきだ
世界を子供たちに与えるに値するものとするために
「君は人を殺したり 殺されたりするために生まれてきたのではなく
この世の全てを愛するために生まれてきたのだよ
だから戦わず 互いを大切にしておくれ
世界中の誰もが皆 一本の木につながる葉っぱなのだから」
もし これを世界中の母親が我が子に心から伝えることができたら
きっと世界から争いはなくなるだろう
世界は変わるはずだ
世界の夜明けは子供から始まる
そして 私は信じたい
音楽や芸術の美しさにも 世界を救う力があるということを
Pablo Casals receives the U.N. Peace Medal
20世紀最大のチェリストと言われるパブロ・カザルス。
《音楽で平和を訴えることが、自分が生まれてきた意味ではないか》と語ったと言われる。
1876年にスペイン・カタルーニャ地方に生まれ
11歳でチェロを弾き始める。
1936年、カザルス60歳の時にスペイン内戦が勃発。
63歳のとき、フランコ政権のスペイン制圧により、フランス領プラードに亡命。
フランコ独裁政権が続くうちは故郷には帰らないと言い
世界平和、反ファシズム、核兵器廃絶を唱えた。
1961年4月、カザルスは来日し、東京・文京公会堂にて
スズキ・メソードの子どもたち400人による合奏を聴き
鈴木鎮一先生を抱きしめ感動の涙を隠そうとしなかったという。
「私は、世界のどこにおいても、このような愛情と誠実の心に遭遇したことはない」「音楽は世界を救うであろう」と語ったという。
同年11月13日、85歳のカザルスは
ケネディ大統領の招きに応じてホワイトハウスで演奏。
時代は東西冷戦の真っただ中。
祖国の姿に胸を痛めカザルスは1938年以降
アメリカ国内における公の席での演奏を中止。
祖国スペインのフランコ独裁政権を承認する国では
絶対に演奏会を開かない、というのが信条だったそうだ。
そのカザルスが、招きに応じたのは
ヒューマニズムの指導者・大統領の姿に心を打たれからだという。
演奏者は、メンデルスゾーン、クープラン、シューマン
そしてカザルスへと続く。
会場には大統領夫妻始め各界の大御所
音楽界からはサミュエル・バーバー
レオポルト・ストコフスキー、レナード・バーンスタインなど
錚々たる顔ぶれが集い、一般には非公開だったが
この演奏会は、世界中の大ニュースとなった。
この時、アンコールで演奏したカザルスの「鳥の歌」ライブ音源には
カザルスの壮絶な唸り声が入っている。
何と悲しい音色だろう。
何と優しい音色だろう。
平和への願いが、心の叫びが声となって発せられたのだろうか・・・
1971年、アポロ14号が月に着陸してアメリカ軍がラオスに侵攻
中華人民共和国が国連に加盟、ジョン・レノンが『イマジン』を発表。
この年の10月24日、94歳のカザルスは
ニューヨーク国連本部で演奏。
席上、カザルスは出席者に静かに語りかけた。
「私はもう14年もチェロの公開演奏をしてませんが
今日は弾きたくなりました。
これから、短いカタルーニャの民謡『鳥の歌』を演奏します。
私の故郷では鳥たちは Peace、Peace、Peace と鳴きながら空を飛んでいます」
この日、国連平和賞が授与される。
1973年、プエルト・リコのサン・フアンで永眠。享年96歳。
松本市のスズキ・メソード才能教育会館の西隣
まつもと市民芸術館の3階屋上にパブロ・カザルスの胸像がある。
1961年に来日した際、才能教育運動に深く共鳴する言葉を残されたカザルス氏。
鈴木鎮一先生は、その高い音楽性と人間性に敬意を込め
1978年、当時才能教育会館の前にあった「ライラック公園」に
カザルスの胸像(城田孝一郎氏制作)を建て松本市に寄附されたそうだ。
その後、まつもと市民芸術館建設にあたり
北アルプスの山々が見渡せる現在の場所に移設されとのこと。
先人の思い、願い、祈りを受け継いでいきたい・・・
そうそう!
先日の日曜日に「チュイチュイ」に出演していただく
井田亜彩実さんのバイオリン練習がスタート❣
コンテンポラリーダンサーのあさみさんにまで
バイオリン演奏を?!
と思う方もいるかもしれが、この作品を上演するには
鈴木先生のお考え、牧さんの足跡を知る必要がある。
そのためのバイオリン練習であって
実際舞台で演奏するかどうかは別の話。
なかなかサマになってますね~
素晴らしい‼
真摯に敬意を持って創作にあたっていきたい💛