蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

人間に潜む狂気

2014年07月28日 23時51分25秒 | 日記
野外劇に必要なのはパワーだ!

と、再認識したのが2週間まえ。

そして今、改めて声の振動と振幅
言霊を持つ言葉のパワーの重要性を痛感している。

口先ではない言霊が乗った声
小手先ではない集中力のある表現
その役だけが持つ特殊な色のエネルギー
その役の典型と思われる感情表現

どんなに役作りを考えたとしても
どんなに台本を分析したとしても
それだけでは、お客様に振動は届かず
振動が届かなければ、心を揺さぶることも出来ない。

大げさ、とか、オーバー、とか
そういうことではなく…

いや…
もしかしたら、それらを超越した領域と言えるかもしれない。

自分の中に潜んでいる計り知れないパワーの源を
発見することから始める必要があるかもね。

計り知れないパワーの源とはどんなものか?

突出した感情(喜怒哀楽)
様々な欲望(煩悩、好奇心)
集中力

そして、欲望が高じると狂気が顔を覗かせ
その狂気に支配されると制御不能となり
やがて破綻する―


人間は誰しも狂気を孕んでいる―

狂気とは、常軌を逸脱した精神状態

狂気というと「恐ろしい」イメージがあるが
確立した規準(一般常識)からの逸脱は
負のエネルギーだけではなく
正のエネルギーにもある。

大胆に慣習にとらわれないことに対して
狂気と言う言葉をあてはめることも。

科学や芸術の世界において
世紀の大発見や逸脱した芸術作品を生む原動力は
正の狂気と言えるかもしれないし
普通の人が出来ないことを成し遂げた人は
もしかしたら正の狂気を原動力としていたかもしれない。

なぜ狂うのか
なぜ狂いたいのか
なぜ狂わざるをえないのか

そこには様々な理由が存在するだろう。

しかしながら…
負の狂気は恐ろしい。

どちらにしても…恐らく…であるが…
狂っている人は、自分が狂っていることに気付かない。

気付かなければ、軌道修正できるわけもなく
故に、狂気の道をまっしぐら~
そして(負の狂気の場合)やがて破綻する―

捉え方で異なるかもしれないが…
戦争は狂気の為せる業
兵器の人体実験は狂気の為せる業
テロは狂気の為せる業
殺人は狂気の為せる業

宗教も一歩間違えれば狂気
恋愛も一歩間違えば狂気
怒りも一歩間違えば狂気
嫉妬も一歩間違えれば狂気
権力欲も一歩間違えれば狂気
etc…

しかしねぇ…
日常では狂いたくないですね~

けど、狂ってしまう時があるんだよね~

狂っている人は、狂っている、と言っても
まず理解できない。

それは何故か
その人にとって、その狂っている状態が
今、一番心地良いから。

そして、この状況が永遠に続くことを願っている。

が、残念なことに
環境も状況も心も感情も…変化していく。

狂っている時って、非常に視野が狭く
その反面、ある一部分だけ突出して過敏だったりする。

なので、変化を受け入れることが出来ず
考えた方や捉え方を変えることも出来ず
ついに破綻してしまうケースが多いが
この狂った時のエネルギーほど
大きなエネルギーはないんじゃないかと…

で、それを芝居に利用できたらいいのに~と思ったり。

要するに…

(非日常の世界において)
狂気に準じるパワーを自在に表出するのも
役者の技なのではないかと…

本当に狂うとは異なる狂気の疑似体験とも言えるかな。

「疑似体験」

どんな感情でもいい
どんな欲望でもいい
どんな集中力でもいい

自分が表出しやすい作用を選んで
第一の壁まで突き進み
壁にぶちあたったら、その壁をぶち壊し
更にその先、またその先へと突き進むと…

そこに、自分自身が知らないパワーが存在する。

これは疑似体験。
本当に狂っちゃったら、芝居はできませんから(笑)

自分自身に潜む潜在能力とも言える底知れぬパワー
言葉が言霊になるために必要なパワーでもある…

役者陣から、そんなパワーを引き出すには―

まずは「触発」かな…

演奏隊&声楽隊合同稽古

2014年07月26日 23時18分03秒 | 日記
9:00、稽古場到着!
出演者が15人(?)程度集まり、稽古準備中。

今日は、9:00~21:30までの長時間稽古(汗)
これと並行して、朝から夕方まで
演奏隊&声楽隊(音楽隊)の合同稽古を行った。

音楽隊の稽古会場へ行くと、ベースの多美ちゃんの姿が。

キャスト陣は、劇団員中心に自主稽古をしてもらい
私は音楽隊の稽古に参加。

音楽隊は稽古というより、どちらかというと
台本に沿った綿密な音楽プランの確認という感じ。

私が前もって作成したプランを皆さんに確認していただきながら
作曲家の森さんのご意見を伺いつつ
オープニングから一つ一つ決定していく地道な作業。

音源を使用するか否か、使用楽器の決定
声楽隊の歌声パートなど、細かい指示を出し
曲の尺や、使用するメロディ部分を限定したり…

フルートの徳嵩さんは初参加。
何も言わず、最後までお付き合いくださったけど
実はびっくりされていたかも(汗)

皆さん真剣に私や森さんのやり取りに耳を傾けてくださり、感謝!

有難いメンバーですヽ(^o^)丿
そして頼もしいメンバーですヽ(^o^)丿

昼食後もプラン作成は続き、全てが決定したのは
ナント…16:00!!

皆さま、長時間お疲れ様でしたm(__)m

この間、2度ほどキャストの稽古に顔を出して
若干指示は出したものの
ほぼ劇団員に預けっぱなしの自主稽古だった。
けど、みんな集中して頑張ってくれたようで
難易度が高く、通りが悪かったシーンも
随分通りが良くなっていました。

そして…
16:00過ぎ、音楽隊の稽古会場にキャスト陣に来てもらい
演奏隊&声楽隊に、エンディング曲を演奏していただいた。

 この曲を、歌を聞けば、みんなのテンションが
 倍増するに違いない!

それくらい素敵な楽曲♪
作曲者の森さんに感謝です。

案の定、演奏が終わると稽古場内は拍手の渦に包まれた。

こんな素敵な曲で踊れるキャスト陣は幸せモノだね。
お客様もきっと心を震わせてくださることだろう。

本番が益々楽しみになって来たヽ(^o^)丿

夜の稽古も、パーカッションの波田野さんと
ベースの多美ちゃんが残ってくれて稽古見学。

ありがとうございましたm(__)m

キャスト陣は、18:00からオープニングの不備修正
そして、難関と思われるシーンに着手。

このシーンは、大勢が出演しているというだけでなく
特殊な演出手法を使うシーン。

今はネタバレになるので、記述できないのが残念。

複数の家族が、規則的な時間の流れの中で
フッと現れ、フッと消えていく…
そんな風に見えるといいなぁと思って
導入した演出プランだが
思った以上に難易度が高く
どこまで完成度があげられるか…

けど、みんな前向きで

 稽古をすれば大丈夫です!

と言ってくれる。

有難いです、ホントに。

そうそう!
このシーンがより効果的に見える照明も考えねば…

来週は音響さんとの打ち合わせ、そして
再来週はいよいよ照明さんとの打ち合わせ。

8月上旬は、ダンサーの奈美甫ちゃんと淳一君が
長野入りして、ダンサー中心の稽古を行う。

来週の土曜夜には、何としても通せるように…

まだいくつかのシーンが手つかずだが
来週中に全てのシーンを一通り終えて
何とか週末には、全通し稽古が出来るようにする!

これが実現すれば、例年より一週間早い。
ということは…
これまでよりもっと完成度を上げられる…はず(^_-)-☆

役者と表現者

2014年07月24日 15時54分01秒 | 日記
ずっと考え続けていることがある。

それは、役者と表現者の違い。

14年間、夢幻工房が毎週日曜日に開催してきた
MAプログラムの演劇の時間は

 表現としての演劇

という講座名をつけている。

不思議な名称だと思う人もいるかもしれない。

が、私は演劇というジャンルに関して
本来役者が演じるものだという認識がある。

MAは役者ではない一般の人向けのワークショップ。
なので「表現としての」という枕詞をつけたのだが…

役者になりたい!
役者を目指したい!

と思う人の中には、自分を表現するための手段として
演劇を選んでいる人もいる。

別に間違いではない。

演技する媒体は「自分自身」
自分の身体・感情を使って表現するという意味では
広義において、役者も表現者の一つということになる。

昨今、表現したいと思う人は増加傾向にあり
これは喜ばしいことだと思う。

コミュニケーションを円滑に行うにも
表現力の向上は非常に重要なポイントだ。

と前置きをした上で、やはり私は

 役者と表現者は異なる

と考えている。

演劇は、戯曲に沿って創作するものであり
自分とは異なる人間の人生を疑似体験する場でもある。

つまり…

自分とは異なる価値観を持つ人間
異なる環境で生きている人間を演じるのが役者。
そのためには、自分が演じる人間の価値観を知り
感情が動くポイントを探り
どんな身体表現をするのか想像し
自分とは異なる身体性や感情の起伏を発見し
その上で、自分の感情と身体を
最大限活用して演じるのが役者。

そして…

これまで生きてきた環境下で培われた価値観のもと
感情の起伏や感情が動くポイントを発見し
自分の身体と気持ちよくリンクしそうな
自分の物差しで判断し表現するのが、表現者。

現代演劇においては、この境目が
無くなって来ているように思う。

自然な演技を求め、それを好む人も多く
発声や滑舌練習、身体の鍛錬も必要ないと
思っている人も多いようだ。

ドラマや映画の場合、自然な演技が好まれるが
役によって変化させずに、自分に引き寄せて
演じているタレントさんも多い。

故に、尚更キャスティングが重要で
判断を誤ると、台本とは全く異なるキャラクターに
なってしまう可能性もある。

色々な人間の様々な人生を疑似体験できるのが
役者を演じる楽しさであり
多様な表現を発掘&表現するのが
役者の醍醐味だと私は思っているが…

 自己表現をする面白さは
 役者の面白さを知る前段階でもある

 楽器は、美しい音色や音楽を奏でるために
 それなりの練習が必要だけど
 役者が奏でるのは声であり、楽器は身体
 程度の差はあれど、誰もが日常使いこなしているため
 ある意味、誰でもできてしまうため
 必要な技術がわかりにくいし
 必要だと思った技術を鍛錬しても
 評価基準が曖昧なため、比較がしづらい

日本には役者や演出家の免許制度がないので
わかりづらいのは確かだ。 

私も一般向けのコミュニケーション講座で
「人生は演劇であり、誰もが役を演じている」
という話を事例を上げながら話す。

家族、友人、会社の同僚、上司、社長、スター
を想像してください。
そして、その人たちを前にした時の自分を
思い浮かべてください。
しゃべり方や態度に違いはありませんか?…

まれに、誰に対しても同じ、という人もいるが
相対する人物によって態度が変わる人のほうが圧倒的に多い。

役者は、自身の演じ分けを参考にしながら
他者の演じ分けるポイントや表現を
参考にさせていただいているものだ。

私が思う役者とは、そういう職業。
けどねぇ…
異なるイメージを持つメンバーもいて
それはそれで人生を豊かにするためには
良いことだとも思うんだよね~

そんな時

 役者コース
 表現者コース

この二つに分けたほうがいいのかな?
なんて思ったりするわけだが
表現者コースは既に一般向けにMAや企業
学校等で行わせていただいているし…

とすると…

やっぱり夢幻工房は役者を育てる団体でありたい。
そして、夢幻の団員には
役者の醍醐味を知ってもらいたい
味わってもらいたいと思う。

で、早くそれを知ってもらう手法を模索しているのだけど
人によって通るルートが異なるので一朝一夕には見つからない。

で、また、役者と表現者について再考する…
なんてことを繰り返しているわけです。
もちろん、色々な本を読み、事例を研究しながらですけど(汗)

長時間稽古開始!

2014年07月20日 23時47分01秒 | 日記
昨日は、13:00からトアル振付のご依頼をいただき
そのための稽古を行った。
子どもたちが面白がって踊れる振付かつ
高めのクオリティ…
詩の意味を表現するのは得意なほうだが
ご依頼者に気にいっていただけるかどうか…
前夜、歌を聞きながらアレコレ考え
ある程度は決めて稽古場入りしたものの
全て振りつけられるか微妙だったが
ダンスメンバーや劇団員の意見を取り入れて
何とか形にすることができた。
お陰さまで、クライアントの方にも
気にっていただけたようだ。

15:00からはキッズの稽古。
18:00から全体稽古。

そして今日、ついに長時間稽古初日を迎えた。
これから本番まで毎週土・日曜日は長時間稽古となる。

体力勝負だ!

毎年のことながら、初回の疲労度はハンパない。
出演者も相当疲れたことだろう。

不思議なことに何度か繰り返し長時間稽古をすると
体が慣れて、初回ほどの疲れを感じなくなるんだよね。

公演前後は長時間に及ぶ集中力が必要。
そのための訓練でもある。

今日は、劇団員の協力もあり、かなり進むことが出来た。
パーカッションの波田野さんが
この週末、ずっと稽古に参加してくださったのだが
シーン創作に追われ、打ち合わせも出来ず
ひたすら見学をしていただくことになってしまった。
申し訳ありませんm(__)m

今度の土曜日は、演奏隊・声楽隊の
合同稽古を予定している。
それまでに森さんにご相談して
音楽面の詳細を決めねばならない。

今週一週間が勝負だ。

詳細な音楽プランが決まれば
後は皆さんにひたすら練習をしていただくのみ。

夜は、森さんのご指導のもと
声楽隊の練習が行われた。

役者陣に声楽隊の歌声を聴かせたくて
オープニングとエンディングの歌声を
録音させていただいた。

美しく、そして力強いハーモニー!
曲と歌声だけで充分感動できます(^_-)-☆

ということは…
この音楽と美しい歌声に役者の凄い演技と
群衆のエネルギッシュなダンスが加われば
必ずや、お客様に感動していただけるはず!

ああ~早く通し稽古を観たい!

演奏隊と声楽隊、役者陣とダンサー
それぞれのエネルギーが相乗効果となり
巨大なエネルギーに変化していく瞬間が
もうすぐやって来る♪

ワクワク感は疲労を忘れさせてくれるねぇ~

私をワクワクさせてくれる皆さんに
心から感謝です!

特別出演+1名

2014年07月18日 23時42分23秒 | 日記
今日、特別出演のY氏が初めて稽古場へ。

一つだけ役者が決まっていなかった役があり
どなたにお願いしようか、ずっと思案していた。

N社のN氏のご紹介で、某銀行の支店長さんに
ご出演いただくことが決定し
本日、衣装合わせに稽古場へ足を運んでいいただいた。

Y氏は、初めて足を踏み入れた稽古場で
少々戸惑った表情をしつつも
出演すること自体は大変前向きで
喜んでくださっているご様子。
大勢の方に観劇を誘ってくださっているとのこと。
有難いことですね。

Yさん、公演終了までよろしくお願いいたします!

明後日の日曜日から、いよいよ長時間稽古が開始。
来週末までに何とか全体像を仕上げて
繰り返し稽古をしていきたい…

以前は、本番一週間前になっても
まだ仕上がっていない…ということもあったっけ。

それに比べれば、今は随分マシになったが
もっと完成度を上げるためには
更に早い段階で全体を仕上げ
何度も通し稽古を行うことが必要だと
今は思っている。

脳内における舞台イメージはホボ出来あがっているものの
音楽面については、まだ思案不足な感じ。
音楽は空間を支配する。
だからこそ深く思案して、シーンにぴったりな曲やリズムを
選択していきたいと思っている。

演奏隊の皆さま、何卒ご協力くださいm(__)m