連日オープンエアシアターの稽古が続いている。
総文祭の会議やプレ開会式の稽古も重なって
このまま休日なしで本番に突入することになりそう。
先日二泊三日で宮城の総文祭へ行った折に
ホテルの室温調節を怠り、いくらか風邪気味^^;
これ以上、体調を崩さないように気をつけねば・・・
今日は広島に原子爆弾リトルボーイが投下された日…
稽古後、MAを劇団員の頼んで帰宅。
公演パンフレット製作の予定だったが
ここのところ夕飯をきちんと作れない日が続き
明日と明後日も朝から晩まで予定がぎっちりのため
今日ぐらいは夕飯を作ろうと思い
TVをつけて、夕飯を準備。
番組案内を見たところ、21:00からNHKで
『原爆死〜ヒロシマ 72年目の真実』が放送されるらしい。
先程、稽古終わりに原爆と戦争の話をしつつ
「奇想 竹取物語 KAGUYA」は
平和への祈りをこめて創作した作品であることと
今日から終戦の日にかけて
戦争関連のニュースや番組が放送されるはずなので
意識して耳を傾けるようにと伝えたばかり。
公演パンフレットのことが気になりつつ
夕飯を作り終え、TVのチャンネルをNHKに合わせて
パソコンに向かい作業を始めた。
暫くしてNHKスペシャルが始まった。
耳で聞きながら作業をしようと思ったが
広島市 が蓄積してきた「原爆被爆者動態調査」の元データを
初めて入手して分析したという声が聞こえ
これは見なければ・・・
と、作業を止めてTVを見ることにした。
被爆直後、警察が医師とともに作成した検視調書
救護所などがまとめた死没者名簿
戦後、広島市が集めた戦災調査や個人データ
これは超一級データ
そしてこのデータは今も更新が続けられているという。
55万人を超える被爆者の真実に迫ろうという
NHKならでは内容だった。
最新のビッグデータ解析技術を駆使して
時系列に並べて地図に落とし込み
特定の被爆地、死没日、死因を洗い出す。
すると・・・
極端な死者数の偏りがあぶり出された!
“原爆死ホットスポット”である。
なぜ“ホットスポット”は生まれたのか
被爆者はなぜどのように亡くなられたのか
広島市の職員さんの言葉が印象的だった。
被爆者の方一人一人を見ているとわからないことが
数字を見ると見えてくる
と。
多少言葉のニュアンスに違いがあるかもしれないが
確かそんな内容だったと思う。
一方、TVに出演した被爆死された方のご家族や
友人の皆さんは、72年前の原爆投下の日の出来事が
今でもはっきり脳裏の焼き付いていて
ごめんなさい…
助けられずにごめんなさい…
という罪の意識を背負いながら
辛く悲しくやりきれない思いが抱えながら
72年という歳月を過ごしてこられ…
戦争で負った心の傷はどこまでも深く
決して癒えることはない。
私の父は特攻兵だった。
沖縄戦の生き残り・・・
父はどうしても死にたくなくて
飛行機の故障を理由に特攻しなかったとか…
すでに父は他界したが
死の直前、朦朧とした意識の中で
海に散った仲間に話しかけていた・・・
多くを語らなかった父
お酒に溺れることが多かった父
戦争の傷が癒えることなく
あの世に旅立った父を思うと
胸が締め付けられる。
戦時下で亡くなられた方
被爆により苦しみながら亡くなられた方
そして、罪の意識を背負いながら
戦争の悪夢に苛まれながら亡くなられた方…
深くご冥福をお祈りいたします・・・
大勢の尊い命を奪う戦争を
二度と起こしてはならない。
罪のない人間がなぜ
罪の意識を背負って生きなければならないのか・・・
あまりにも酷過ぎるよ・・・
人はなぜ争うのか
人はなぜ奪い合うのか
「人はなぜ殺し合うのか」
これは私が小4の時、抱いた疑問
きっかけはベトナム戦争だった
それ以来ずっとこの命題と格闘し続けて…
私がつくる舞台の根底には
いつもこの命題がある
毎年オープンエアシアターの稽古期間中に迎える
広島・長崎原爆投下の日
そして終戦の日——
今年も平和への祈りを込めて創作しています。
『奇想 竹取物語 KAGUYA』
生の人間の飛び散る汗と
生の人間の奏でる音楽と
生の人間の可能性を
世代を超えた大勢の皆さんに
目撃していただくことができますように…