色々なことがあった5ヶ月間・・・
今更ですが、記しておきたい貴重な思い出を
いくつかピックアップしておこう(^^)
【台本修正】
大きな流れは変えなかったけれど
新たに挿入したシーンが二つ。
①直虎公が英断し見事な采配を下した藩政改革。
②直虎公が行った軍制改革。
最終的に2幕3時間の超大作となったが
一昨年上演した時よりも
直虎公の凄さと素晴らしさを
感じられる作品になったはず。
【音楽修正】
舞台音楽を見直して、羽毛田さんに
新たな曲を作っていただいた。
私はどの曲も好き。
直虎公が若年寄兼外国総奉行の任命を受け
鳥羽伏見の戦いが勃発し
江戸城大評定が行われ
親友・豊福夫妻が自害して
直虎が将軍慶喜に諫言することを決意。
大評定の席にて、居並ぶ幕臣の眼前で諫言を行い
江戸城内で自害を果たす一連のシーンの中
流れる音楽の変化も素晴らしく
特に自害直前の演奏→演奏+歌→アカペラ→演奏+歌は
非常に劇的で、夢幻の舞台の中でも
最高傑作シーンの一つだと思っている。
【演奏】
今回は、前回以上に気合の入った演奏でしたよね(^^)
演奏隊がステージ上にずっといる演出にしたのが
これまで以上に奏者のやる気を引き出したのかも??
ギター・バイオリン・フルートは高台下の紗幕裏に
パーカッションとベースは下手高台の上に
声楽隊はかみて高台の上で演奏していただいた。
演奏と芝居の一体感を感じられた舞台でした。
【ダンス】
一昨年の振付を元にリニューアル。
振付の青木淳くんとしては
2人組の振付を入れたかったようだけど
何しろ大所帯。
全員揃うことが少ないのです。
前回、相方が欠席でダンスの稽古が出来ないと
いうこともあったので、それを防ぐために
2人組の振付を修正してもらった。
結果として、やはりこれで良かったと思う。
ダンスの振付を2月始めに行えたことも幸いした。
また、制作発表を3月に行うことになり
約1ヶ月でダンスの完成度を強引に上げたことも
本番でのダンスのクオリティが上がった要因だろう。
ダンスを踊ったことがないメンバーでも
踊りこめばここまで出来る!という証明にもなった。
常々気をつけていたことだが、改めて
「ダンス振付は一日でも早いほうが良い!」と痛感。
一昨年出演してくれたダンサーのナミホちゃんが
諸事情で出演できなくなり、悩んでいたところ
東京在住の藤原千佳ちゃんが出演してくれることになり
大変助かった。
淳くんと千佳ちゃんのダンスは息がピッタリで
見ていて安心感もあり、ステキでした(^^)
【舞台美術】
今回は、紗幕を多用した舞台。
大道具に設置した紗幕のデザインは
十勇士に続いて君島しょうたろう氏に依頼。
そのデザイン画を実際に描いてくれたのは
夢幻の美術班・シンヤ君。
昨年から塚田理事のご好意で夢幻にアトリエができて
シンヤ君は連日そのアトリエに通い
あの大作を描いてくれたのでした。
照明効果でイメージが変化する
素敵な舞台美術となりました♪
一番難関だったのは四枚の襖。
当初、バトンに吊る予定だったけど
3月に入って重量的に危険ということが判明。
野外劇の時はずっと置きっぱなしだったので
最初からそのつもりであれば、置きっぱなしでも
良かったのだが、演出を大幅に変えてしまったため
3月の時点での変更は厳しく、悩んだ末
可動式にして、ソデから出し入れすることに決定。
苦肉の策だったけど、想像以上に場面転換の効果があり
置きっぱなしよりは数段良かったと思っている。
以前から感じてはいたが・・・
舞台演出に関して、例え思い通りにならなくても
必ず代替え案が閃き、それが返って功を奏す!
今までもいくつもそんな経験をしてきたが
ある数式のようなものが私の脳に宿った感がある。
今まではボンヤリしていたんだよね^^;
これは一つの自信に繋がりそうです♪
困難を乗り越えることが成功への鍵!
【小道具】
手こずったのは甲冑、兜。
真田十勇士の時は本番前日まで
睡眠を削って製作せざるを得なかった。
今回はそうならないように・・・と
思っていたが・・・
どこかで手違いがあり、指示が遅れて
またもや直前でバタバタすることになってしまった。
それでも団員たちが一致団結して製作。
よく頑張ってくれたと思う。
提灯は、私が注文をしそびれ
本番前日に配送されるという事態に。
提灯の中に電球を仕込む予定だったが
いくらなんでも無理だよね・・・と諦めかけていた時
サンジュニアさんのスノとタイセイ君が
製作を引き受けてくれて見事提灯に灯りが灯った!
更に・・・
花吹雪!
これは大道具係の勘違い^^;
三光さんが用意してくれると思い込み
作っていなかったことが、ナント…
本番直前に判明。
もっと早くわかっていれば…と思ったが
そんなこと言っても始まらない。
念のため用意してあった赤い花吹雪を代用し
無事初日を終えたが、量が少なすぎる・・・
次の日、朝からボランティアスタッフさんと
手のあいているキャストにお願いして
花吹雪を製作するという事態に。。。
お手伝いいただいた皆さん、大変お疲れ様でした。
ありがとうございましたm(_ _)m
お陰様で千秋楽のエンディングは
物凄い量の花吹雪、まさに圧巻でした!
が・・・
DVDに残っているのは初日の映像のみ。
それが残念でなりません。。。
4ヶ月も準備期間があったのに
再演ということで緊張感が不足していたのかも…
今後の反省材料として、しっかり心に留めておきます。
【衣装】
再演なので、もう少し楽に準備できると思っていたが
とんでもなかったですわ。
全員和服というのが、想像以上に大変で・・・
和服は中古で購入すれば安価で済むが
中古の和服は、小さいサイズの衣装が多く
体格のいい男性の着物はなかなか見つからない。
ネットの和服探しでいったい何日潰れたことか・・・
また、子どもの日常着のような和服もなかなか見つからず
いっそ作ったほうが良かったんじゃないかと思うくらい
来る日も来る日もネット検索の日々。。。
最終的にどうしても見つからない羽織は
新品を購入することになり、予算オーバー^^;
和服は小物も必要で、衣装係のまゆりんは
マジ大変そうでした。
ホントにお疲れ様でしたm(_ _)m
製作した衣装は少なかった・・・
あ、一つだけ大物がありました。
それは、軍服!
甲冑派と軍服派が対決するシーンがあり
どうしても必要で製作してもらったが
日の目を浴びたのは僅か2分^^;
あ、甲冑を着用したのもこのシーンだけだった…
僅か2分のために・・・と考えると
そこまでする必要があったのか?
という考えも湧いてくるが
何度考えても、やはりあの軍制改革シーンには
絶対に必要だったと思うのです。
実はこのシーン、初演時は入れなかったんだよね。
なぜ入れなかったか・・・
それは男性役者が少なかったのと
甲冑や軍服を用意する時間がなかったから。
直虎公の素晴らしさを際立たせたいならば
是非とも入れるべきだと思いつつtも
現実的に可能かどうかを考えて諦めたシーンだった。
今回は、実行委員長さんからのご要望で
入れることになったのでした。
【稽古】
子どもたちの稽古がなかなか進まず・・・
欠席が多くてね・・・
当然テンションも上がっていかない。
うーむ。。。どうしようか。。。
悩んだ末、欠席続きのキッズの台詞を
いつも来ているキッズに割り振ってみたところ
いきなりテンションが急上昇!
初参加のキッズの変わりように驚かされ
みんな演じたくて稽古に来ているということを
改めて痛感した出来事だった。
いくら台詞を言える子でも
欠席が多い子は要注意^^;
今後は出席率で台詞を割り当てることにしょう。
一般の稽古は、基本的にみんな前向きだった。
ただ稽古が進んでいくうちに
長野班と須坂班の色の違いがはっきり出はじめて
少々悩んだ覚えがある。
長野班は江戸の民、須坂班は須坂の民の設定。
だから違っても良いといえば良いんだけど・・・
3月第3週から合同稽古に突入。
徐々に2班のテンション差が縮まっていくのがわかった。
人は人の影響を受け、支え支えられているんだよね(^^)
アンサンブル稽古の分割し過ぎは要注意!
稽古で一番良かったのは、これまで以上に
主要陣の稽古に時間をかけられたこと。
いつもね。。。
主役に手をかける時間が不足して
ある程度芝居が出来るキャストも後回しになり
もっとアドバイスをすることができれば
もっと素敵な演技に至ったかもしれない・・・と
思うこともシバシバ。
今回はそれが少なかった。
これが完成度が確実に上がったと思える筆頭要因(^^)
まあね、もっと手をかけられれば
もっと上はあると思うので再演の折には
更に主要陣に手をいれていきたいと思います。
【演出】
初演とは相当違う演出となりました。
野外とホールでは空間が全く違う。
大ホールの機構を存分に生かした演出を…と工夫。
バトンを多用し、紗幕効果を使用。
野外では絶対出来ない照明のサス効果も。
私の閃きの中で一番良かったと思うのは
人を桜に見立てた演出。
一番美しいシーンだと思ったのに
DVDには映っていなくてガッカリ^^;
それと、ラスト間際の家族のシーン。
円形の陣を組んでもらい
直虎の心情が浮かび上がるように
細かい演出を施した。
オーケストラピットを張り出し舞台として
使うか否かを相当悩んだ。
悩んだ理由は客席数。
オーケストラピットを使わなければ
キャス席数は140席程度増えるのです。
大勢の市民にご覧いただきたい・・・という思いと
演出効果の間で相当悩み、最終的に
実行委員さんの了承を得て
オケピを張り出し舞台に使うことに決定。
結果的には、空間の区切りが出来たし
総ダンスも伸び伸びと踊ることが出来て
やはり使って良かったと・・・
【周知&動員】
夢幻の営業担当・杉本さんと夢幻の応援者・N氏が
チケットを200枚以上販売してくださり
実行委員さんも周知活動に力をいれてくれたし
キャスト陣もチケット販売に協力してくれた。
夢幻では出したことがない新聞広告も
実行委員会さんのお力で何度か掲載していただき
TVにも出演させていただいたことが
動員に繋がったと思います。
夢幻単独では広告に経費をかける余裕がなく
TV出演に関しても同様で今後の課題だと思います。
【指導方法】
技術的な差はあれど
「嘘のない演技」
これに尽きますね。
それと・・・
台詞がお客様に届くこと
ふわふわしない足取りで歩けること
そのための基礎訓練の重要性を
もっと多くの演劇人に知ってもらいたいな。
発声・滑舌・ストレッチ・筋トレ・体感を鍛えること。
バレエダンサーがバーレッスンを欠かさないように
役者も自分の状態を保つための基礎訓練が必要なのだ。
それと、強い意思・明確な感情・豊かなイメージ力。
これが「嘘のない演技」の根っこになるアイテム。
役者が想像出来ていなければ、お客様に伝わるはずもない。
本当に想像出来てる?
本当に心が動いている?
本当に見てる?
初参加のメンバーでもこれが出来る人は
伸びが違う。
嘘か真か、真か嘘か…
虚実皮膜論(きょじつひまくろん)ですね(^^)
コレ、近松門左衛門(もんざえもん)の演劇論♪
近松門左衛門とは、江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎の作者。
興味のある人は調べてみてね。
実行委員会さんから直虎公演の
正式なご依頼をいただいたのが
昨年の春だったけ・・・
上山田町の劇団「演劇グループ21」さんとの合同公演で
四苦八苦している頃だった。
合同公演を好評のうちに終了し
児童劇「手のひらのオズ」を芸術館で上演。
その後、新作「奇想 真田十勇士」野外劇を上演して・・・
十勇士の公演の時、公演パンフレットに直虎公演の
キャスト&スタッフ募集チラシを折り込んだことを思い出した。
長かったな・・・
この一年は、異なる稽古方法を体験できた一年だった。
どんな手法も一長一短があるんだよね。
どんな状況でも心の持ち方次第で結果は変わる。
人の本質・・・と言えるかも。
まだまだ書き足りない気がするが
ひとまずこれにて終了(^^)