蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

ホメオスタシス

2012年11月29日 13時39分11秒 | 日記
昨夜、ある本を読んでいたら「ホメオスタシス」という言葉が出て来た。

  聞いたことがあるな…
  何だっけ?

忘れっぽい私は、「何だっけ?」と思った事柄は
ネットで調べるのが習慣となっている。

【ホメオスタシス】
 生体恒常性。
 生物において、その内部環境を一定の状態に保つ働きのこと。

 ホメオスタシスとは、生体の内部や外部の環境が変化しても
 その生体の状態が一定に保たれるという生物の性質や状態のこと。

 恒常性の保たれる範囲は体温や血圧、体液の浸透圧やpHなどをはじめ
 病原微生物やウイルスといった異物の排除、創傷の修復など生体機能全般に及ぶ。

 恒常性が保たれるためにはこれらが変化したとき
 それを元に戻そうとする作用、すなわち生じた変化を打ち消す向きの
 変化を生む働きが存在しなければならない。

 これを負のフィードバック作用と呼ぶ。

これって、身体だけじゃなく、感情の変化にも
似たような働きがあるよね。

心身共にニュートラルな状態に保つためには
この「ホメオスタシス」の働きが正常である必要がある。

もしこれに異常が生じた場合は、身体や心にも異常を来たす。

ダイエットにも有効らしいね、この「ホメオスタシス」
ということは、意識的、あるいは外部操作により
調整することが可能ということになる。


少しずれるが、温度は高温から低温に伝わって行く。
熱伝導現象である。

が、ホメオスタシスの視点から考えると
低温から高温に伝わるケースもある、ということになる。

舞台に置き替えてみよう。

発信側は、ステージ側の役者陣。
役者陣が観客席に熱エネルギーを伝えようとしても
伝わらない場合がある。
観客側の体温(心温?)が低い時、そうなりがちだ。
演技の技術力は別物として考えよう。
観客の温度を上回る高温エネルギーを発信すれば
もっと伝わりやすくなるのではないか…

また、観客席の空気が冷たく凍っているとき
その冷たさが役者に伝わってくる場合もある。

中には、伝わったことを肯定できない人もいたり
感じる余裕がないケースもあるけれど…

演出側としては、あえてお客様に冷や水を浴びせるシーンを創る時がある。
………
なるほど…
今更ながら、腑に落ちた。
この「ホメオスタシス」作用を狙っていたんだ。

用途はわかっていたけど…

やっぱり凄いな、ブレヒトって。。。

人間を知る…
やはりこれが舞台創造上の基本だ。

ついでに、もう一つ。

E=mc2

これは、特殊相対性理論の関係式。
提唱者は、アルベルト・アインシュタイン。

これは、質量とエネルギーの関係を表している。
①質量の消失はエネルギーの発生であり、エネルギーの発生は質量の消失を意味する。
②従ってエネルギーを転換すれば無から質量が生まれる。

①の意味はわかる、大抵のものがそうだから。
が、②に関しては帰納法的解釈で理解できるが
腑に落ちる具体的事例が…
宇宙が無から生じたのであれば
それが一番の事例かもしれないが。

ってことは、そもそも…
無は無じゃないってことじゃない?
目に見えないものを無と言ってるけど
見えなくても有であるってことじゃない?

観客席の温度を感じるのも
役者の温度を感じるのも
皮膚感覚であって、視覚では捉えられない。

感覚が鈍いと、感じることもままならないので
神経を刺激して、呼び覚ます必要もある。

明日への活力になるエネルギーを
放出できたり、受け取ったりできる素直な体…が、いいね。

ホメオスタシスが正常に作用するために
日常心がけることは…

知恵を出し合って・・・

2012年11月27日 15時12分15秒 | 日記


昨日は昼間、音響・照明プランの作成。
夕方から、舞台屋さんとの打ち合わせだった。

メンバーは
舞台監督Iさん、大道具Sさん、音響Kさん、照明Fさん
実行委員長Mさん、補助ケンジ君、そして私。

限られた予算内での最善を見つけていく―

いつものことながら大変だけど
スタッフの皆さんが出来る限りのことを
してくれようと知恵を出して下さっている。

現実的に厳しいこと、危険なことを排除した上で
演出イメージを具現化していく。

大道具面は、舞台図通りで行けそう。

問題は照明だ…
照明そのものに関しては、イメージ通り
あるいはそれ以上を考えてくれるFさんなので心配はないが
篠ノ井市民会館のフェーダーが打ち込みではないため
変化の多いシーンが1人の手では間に合わず
2人若しくは3人の手数が必要となる。

うーむ…
人員配置を再検討してみよう…

音響PAは、ベテランのKさんが
担当して下さることになり大変心強い。

また、周知に関して、事務局の皆さんが
大勢のお客様に足を運んでいただこうと
チケット販売・宣伝に力を注いでくれている。

このようなスタッフに支えられ
出演できるメンバーは幸せだね。

今日は、音響さんに渡す音源製作をしていたのだが
思いのほか時間を取られてしまった。

後は、仕込みからバラシまでのスケジュールを作成すれば
演技面の演出だけに集中できる。

複数の仕事を平行して行うのは難しいことだけど
これも慣れ、だと思っている。
以前よりスピードは断然上がっているし
かと言って、手抜きをしているわけでもない。

挑戦し続ければ、更に作業スピードを上げられる、はず。

仕事とは、そういうものだ。

集中稽古を終えて

2012年11月26日 20時30分59秒 | 日記
三日間連続で行ったシアターWSの稽古を
昨日、無事に終えた。
ようやく全体の流れが見えて、ホッ。
ハードだったが、三日続けて行ったため
メンバー同士の距離が縮まったようだ。

出演者は全部で20人。
十数人で創るシーンがいくつかあり
否が応でも呼吸を合わせる必要に迫られる。
人によって感覚が異なるので、難しい側面もあるが
他者の呼吸や間や身体を皮膚で受取り
発信するという行為は双方向性の基本。
コミュニケーションの基本とも言える。

残る稽古日数は5日。
返し稽古をする中で、シーンの必要性や自分の役割を
体で感じてもらえるように導いていきたい。

ある一人のメンバーが、演技に関する本を読んで

  自分の癖

の話をしていたことを思い出した。

自分が自然だと思う演技は
自分の癖なので、役を演じるには
色々な表現を覚えることが必要だ…
そんな内容だったかと思う。

Xさんが自然だと思う演技は
X役であれば、適切かもしれないが
Yさんだとすれば、不適切かも?

また

  自然な演技=気持ちいい演技

とも考えられる。

自分が「気持ちいい」と思う表現が
適切かどうかを判断するには
気持ちいいと思っている根本が
どこにあるかを知ることが肝要である。

自分の感じ方に疑問を持つことなど
日常実践している人は少ないよね、きっと。

良きにつけ悪しきにつけ、感じ方を否定するのは
自己否定になりかねないので、すべきではない。
否定するのではなく、他の人だったら
役の人物だったら、どう感じるのだろう?と考えてみる。

これって、自分の傾向性や癖を知るのに役立つんだよね、案外。
知ったところで、癖というのは習性だから簡単に修正できないが
知ることで見える世界が違ってくる。

人の感じ方や捉え方は千差万別だ。

だから、人間は面白い、のでしょうね。

想像

2012年11月24日 23時45分01秒 | 日記
昨日から明日までの連休三日間、朝から夕方まで
シアターWSの集中稽古が入っている。
この三日間で、一気に創り上げてしまう予定。

今日、エンディングの演出を参加メンバーに話したところ

  えーっ?!
  なんでそんなことが思いつくんですか?!

と聞かれたので

  想像…かな。

と応えたら

  私も妄想癖があるけど、とても思いつきません!

と。

きっとね、脳の中の跳び具合が、若干おかしいんでしょうね。

とは言っても…

台詞に修正を加えたのは、僅か2行程度。
それ以外は当初の台本に沿った演出でしかない。

台本から演出を想像するのが難しいというのも
あるかもしれないが…

ほんの少しの工夫で

  目からウロコ

のように感じるのかもしれないなぁ…と。

『砂漠のクリスマス』は、僅か45分の作品。
台詞を削りに削り、舞台セットの転換もない。
照明や音響は使うが、基本的に生身の人間の
身体と声とエネルギーで創り上げていく舞台である。
出演者のエネルギーが舞台に直結する創り方。

物語の主役はいるが、観方を変えれば
全員が主役の舞台でもある。

舞台を提出すると考えれば、或る意味怖いとも言えるが
これは発表会。
参加者全員がお互いにコミュニケーションを取りながら
協力し合って、尊重し合って、その上で
今持てる力を存分に発揮出来るのがベストだよね。

実行委員長のMさんも、補助をしているケンジ君も
精一杯協力してくれている。

Mさんは、小道具探しや衣装製作まで手伝ってくれて大助かり。
ケンジ君は、休んだ人がいても次の稽古時に明確に伝えられるよう
配置や出入り、動きまで丁寧にメモを取ってくれたり
劇団から貸し出す衣装・小道具管理をしてくれている。

舞台は、スタッフさんの協力がなければ成立しない。
月曜日は、舞台屋さんとの打ち合わせだ。
スタッフの皆さんが気持ち良く仕事出来るよう
配慮をしながら進めて行きたい。

感謝は舞台でお返しする…
全員が、そんな気持ちで舞台に臨めるといいな。

そうすれば、演技が上手いとか下手とか関係なく
お客様の心にも何かが伝わるはずだから…

どこへ向かうのか・・・

2012年11月18日 14時07分01秒 | 日記
この国は、どこへ向かおうとしているのか…
考えるのを放棄したくなる瞬間がある。
が、諦めてはダメだ…と思い、また考え出す。

それぞれの思惑の出所がどこなのか?

見え隠れする「見えないモノ」を想像してみる。

政治を行うには、まず議員に当選しなければならない。
議員になってようやくスタートラインに立てる。
そのためならば、大同小異という大号令の下
己の信念を曲げずに済む理由付けをして
まずは、選挙戦の勝利を目指す…

わからなくはない。
が、公約とは何なのか?
公約違反にならないギリギリのラインを見つけ
そこでタッグを組み、そして当選した暁には?

……

今のところ、駆け引きばかりが目につく衆議院選挙だが
各党のマニフェストをよく読んで判断していかねば。

大宇宙から俯瞰してみると、瑣末なことが多過ぎる。
大雑把に考え過ぎるのは良くないが
瑣末なことに囚われて、時を無駄に過ごしたくない。

まあね…
この“瑣末なこと”と判断する基準も人それぞれ。
大切だと思うポイントも、幸せだと感じるポイントも違う。

真理は単純なはずなのになぁ…

今のこの命は、いずれ幕を閉じる時が来る。
その時まで、自分に何が出来るか
そして若者に何を伝えられるかを精査しながら
舞台創作活動に取り組んでいきたい―