水蛭は伝統的な活血化於の中薬の一つで、俗称「螞蟥」と言い、
破血逐於・通経消*徴の功能がある。
近年は医学界でも水蛭の研究が盛んに行われ、その心脳血管病の治療に於ける
独特の作用が見直されている。
薬理研究では水蛭にはタンパク質・ペプチッド(多肽)・ヘパリン(肝素)・
抗血栓素・ヒルジン(水蛭素)等の成分が含まれ、
ヒルジンは熱やアルコールによって破壊されず、血液凝固を阻止する。
水蛭が分泌するアミン物質の一種は血管を拡張し、動脈の痙攣を緩解し、
血小板の凝聚を抑制し、血液の粘度を下げ、微小循環を改善する。
動物実験によれば水蛭はラッテに実験的に作った脳血腫の吸収を促進する作用や
実験的に作った急性脳虚血模型の血流量を増加させ、
脳水腫を小さくし、脳の酸素欠乏に対する耐性を高め、
血小板凝聚に抵抗する等の良い作用がある。
報道によれば水蛭粉あるいは水煎剤を脳出血・頭蓋内血腫の治療に用いて
48例中、有効率91.7%に達し、且つCTスキャンで血腫の吸収が加速され、
脳組織が圧迫されることから守られ、再出血を引き起こさないことを証明した。
脳梗塞 305 例の治療中に於いても有効率は98%に達した。
治療前後の血液流変学的測定として、
赤血球の体積、全血の粘度比、赤血球の電気泳動の三項目で降下と短縮が顕著で、
水蛭が虚血性中風の「濃」「粘」「聚」現象を改善することを証明した。
心血管疾病の方面では水蛭片で冠心病の心絞痛30例を治療してニトロを漸減させた。
有効率90%以上、心電図が正常に戻ったのは59%だった。
この他にも水蛭は高脂血症・血小板増多症・脈管炎・動脈硬化症などにも
良い結果を示している。
このように水蛭は臨床上、心脳血管の疾病の治療に一筋の道を開いている。
(中国中医薬報 1994.9.26.より)
追加:急性心筋梗塞への中医治療
(1)気陰両虚証
〔太子参・麦冬・当帰・赤芍・紅花・水蛭・黄耆・生地・黄精・生甘草〕
(2)気滞血於証
〔香附子・白檀・鬱金・黄耆・当帰・赤芍・紅花・水蛭〕
(3)痰湿陽滞証
〔陳皮・半夏・茯苓・瓜呂・当帰・赤芍・紅花・水蛭・薤白・菖蒲〕
(中国中医薬報 1994.9.23.より)
http://youjyodo.la.coocan.jp/geocities/mycoment/42.html?fbclid=IwAR1P2X2483EqRH4uSXqjStyMylhxnCk0NEAQmX4uHyHbg4YPhHPKhckHhI8
※乾血と呼ばれる陳旧瘀血は動物性駆瘀血薬でないと取れない, 水蛭製剤