続いてきたのは成城みつ池緑地にある旧山田邸(1937年)。
先ほどの旧猪俣邸住宅と同じく、
2015年、世田谷区に寄贈された邸宅を、
世田谷トラストまちづくり(財団)が、管理運営しています。
アメリカで事業を成功させた楢崎定吉さんの邸宅で、
アメリカの影響を受けたスパニッシュスタイルの洋館です。
また、隣接する成城みつ池緑地は、国分寺崖線上にあり、
一部は楢崎さんの土地だったそうです。
(注:緑地は、特別保護区のため、立ち入ることはできません)
柱のない玄関ポーチ、
2種類のスクラッチタイルが使われています、
この表玄関は来客用で、かわいいステンドグラスも付いています。
立派な梁がログハウスのようですね、
見どころは、部屋だけではなく廊下まである寄せ木の床
お部屋によって寄せ木のデザインが異なっています。
(基本的に、来客エリアは凝っていて、生活エリアは簡素なデザイン)
一部が寄せ木な家はあるけど、全てが寄せ木なのは、とても珍しい。
階段は、お客さん用、家族用の2つあります。
そして、全ての窓が上げ下げ窓で統一されているので、
外から見たときのデザインがスッキリしています。
洋館の中で、唯一の日本間(書院造り)は、
日本間と外壁の間に、縁を置けています。
が、かなり無理矢理感漂っています
ただ、そのお陰で、障子を閉じてしまえば中からは和風に、
外側からは、上げ下げ窓の統一された洋館に見えるのです
戦後、GHQ(進駐軍)に接収されたときの名残は、
青いペイントで塗られた壁や、花柄の壁紙、に見ることができます。
ただ、それ以外の大幅な改造はなかったようで、
1960年、山田盛隆さん(画家)が住まい&アトリエとして購入、
世田谷区に寄贈するまで、ご家族と住んでいました。
旧猪俣邸住宅でも、旧山田邸でも、
ボランティアの方や財団の方から、
さまざまお話を聞くことができて、とても楽しかったです
みなさんの、生き生きとした明るい表情が印象的でした。