ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

地球温暖化がムルマンスクにもたらす弊害と恩恵

2007-11-23 07:21:18 | 北極海航路
 夏に日本にいたときは殺人的猛暑だったし、猛烈に強い台風がよく直撃してくるようになったし・・・。こちらに来てからは、雪の降り始めが1月も遅れ、そういや最近曇りの日多かったよなぁ・・・。暖かいからかな~?こんなに多いとオーロラ観望に影響でて来るんだよなぁ。今は太陽活動極小期だからまだいいけどさ。なんとかならないのかな~。

 なんてボヤキながらこの原因をしばし考えてみると、どうも怪しいと早速槍玉にあがる「地球温暖化」。もう、昨今の気象現象の変化を表し私達の生活を悪化させる諸悪の根源として定着してしまい、良い言葉として活用されたことは未だ嘗てお目にかかったことはありませんでした。

 そんな中、gooブログの中で「ムルマンスク」の言葉が登場するものをpickUPしてみたところ、興味深い記事を見つけることができました。お題は「北極海航路と地球温暖化」。執筆者は日本財団(前・日本船舶振興会)会長の笹川陽平氏。団体名と苗字で「・・・ん?」と来たので調べたら、昔懐しの初代会長・笹川良平氏(*)の3男とのこと。

 現会長は自身のブログの中で、15年位前から始動し6年もの年月をかけて共同研究した「北極海航路の可能性」について触れています。このテーマに挑んだ背景には、現行航路における治安の悪化(海賊の襲来による)を挙げています。そういえば、ニュースで時々報じられてますよね。当時参加した機関はこの日本財団の他に、フリチョフ・ナンセン研究所(ノルウェー)、中央船舶海洋設計研究所(露)、海洋政策研究財団(日)。

 結論は「夏場は可能であり、通年航行には砕氷船が必要」ということが論じられたそうです。さらに、横浜~ムルマンスクまでの実証航路を実施したとか。もう10年も前にそのような有益な研究をされていたのですね。

 さらに、2007年09月18日付WIRED NEWSが報じたニュースによると、「欧州宇宙機関(ESA)による衛星観測の結果、カナダやアラスカの北極海沿岸の氷が解け、欧州とアジアを結ぶ北西航路を船が通れるようになったと発表したが、ロシア沖を通る北東航路も部分的に開通した。完全に通れると、日本とヨーロッパの行程は半分になる。」

 北西航路が開通したことにより、米国vs加国間で早速政治的な対立が勃発しているそうな。
 北東航路は一部凍結があるものの、ゆくゆくは地球温暖化がもたらした思わぬ『恩恵』にあずかることに近未来的にはなりそうですね。海域は殆どロシアなので領海権の問題はなさそうだけど。勿論、これを実現するには
 ・北東航路(露沿岸)航路航行の許可
   ....露はなかなか許可を出さないキビシクおカタイ国で有名ですから。
    或いは特別な賄賂が必要かもしれませんね。
 ・沿岸地帯の利用許可および整備
   ....沿岸は軍事基地が多く、外国人は勿論進入禁止、露人でさえも
    通行許可証が必要ですから。
 ・砕氷船の活用と責任分担
   ....資金、船舶及び原動力(砕氷船は原子力です)、マンパワー、保険云々。
など、まだまだ問題をいっぱい抱えているわけで・・・。

 ムルを想うといつもアンビバレントな気持ちに苛まれますな・・・。

(*)余談ですが・・・笹川初代会長といえば、つい思い出すインパクトあるCM。どんな歌だったか無性に思い出したくなったので、サーチ。
「戸締り用心火の用心」の歌 へのリンク:
 http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q103280240 (歌詞のみ)
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1942/sskw/youjin.htm (歌詞、楽譜と初代会長顔写真付)
 月曜から日曜バージョンまであったんですよね。ちなみに私は、アニメ「一休さん」を欠かさず見ていたため、月曜と水曜バージョンが強く記憶に残っています。みなさんはどのバージョンを覚えていてますか?
    戸締り用心♪火の用心♪
    戸締り用心♪火の用心♪
    水は命のお母さん♪スイスイスイスイ水曜日♪
    人に親切に!一日一善!!