ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

民族友好祭2012の内幕(下)

2012-03-08 00:00:00 | 日本語教室・日本文化
 きょうは国際女性デーです。日本じゃ休日ではありませんが、ロシアでは2月23日(祖国防衛の日または男性の日)とセットで休日です。
 国際女性デーの日は家の男性陣が女性に代わって炊事洗濯清掃したり、プレゼントなどをして女性のご機嫌をとります祝います。もし忘れたり祝わなかったら、半殺しの目に遭いますよ、ロシア人女性は世界最強ですから。悲しみますよ、ロシア人女性は「自分は愛されている」「大事にされている」ことをこの日に確認したいのですから。

 さて、昨日書きました「民族友好祭」の続きです。

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 結局当日来てくれたのは歌い手2人と、応援に来た3人の合計5人。歌い手はもっと来てくれるはずだったが、心を折られたよう。トップバッターで「さくらさくら」を披露し、昨年の大震災におけるロシアの温かい支援に感謝して、宮殿を後にした。
  実は暴言の後日本語生徒たちに事情を話したところ、宮殿関係者と知り合いである生徒が件について既に知っていて、理由をゆっくりと話し始めた。

  先にあったロシア大統領と旧ソ連邦国との間で会談があり、これまでの関係を改善強化することが決定され、
    それを体現するようムルマンスク行政にことづけした。
  ムルマンスク行政も中央政府から自州の改善と資金的援助を願うため、これをことづかった。
  国立文化宮殿開催の国際行事に出場するグループ選抜にムルマンスク行政が関与、示唆した。(宮殿側は
    国際行事を行なう際、何も決めることはできないそう。)
  民族友好祭の催行時間は固く決められていて、延長はできない。

  上編で書いたように、実際出場したのは旧ソ連の国々(連邦国内共和国を含む)とイスラエルとドイツ計21グループ)。出場条件が「協会登録」「その民族がいること」だったが、3~4名といった人数が少ない出場グループもいくつかあり、「協会」登録しているとは思えない様子だった。

 またその生徒は、「日本が排除されたのは北方領土問題未解決による」との考えを示した。民族友好祭の開催は今年1月29日。前日には日露会談があり、祭の1週間後は北方領土の日だった。

 文化行事への政治介入-ソ連時代を長く経験していて未だ旧制度が随所に残るかの国では大いにありえそうな話である。だとしたら、いやはや怖い国である。自由って当たり前じゃないんだ、とひしひし思う毎日である。翌年にはムルマンスク初の日本文化週間を開催しようとしているところへ、場所代だけではすまない問題が大きく立ちはだかりそうだ。
(おわり)


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