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「赤旗」の(朝の風)欄は、時々の芸術・文化の状況を短く解説されている、とても好きな記事です。専門的で分からないものあるのですが、今回、この記事を見て早速読みました。
これまで、読んだ加藤周一論とは違い、海老坂氏は、加藤周一の理論を検証している。
加藤周一を読んで、戦後直後の勇ましい発言が好きですが、その後客観的な落ち着いた発言になり、晩年は、それまでの姿勢を変え、「9条の会」の代表の一人として、組織に加わり行動する人となり、死の直前クリスチャンの洗礼を受ける。
その一貫性と発展性はどこにあるのかが、私には疑問でした。
海老沢氏は、加藤氏のその時々の理論の基本を端的に解説するだけでなく、海老沢氏の疑問や反論のようなものもずばり述べています。
加藤氏の考え方を全面的に時系列的に解明しようとしてる点で大変勉強になる本です。
ただ、変化発展のつながり的な解明の仕方も欲しかったです。
海老坂さんはご自分をどこに位置づけてらっしゃるのでしょうか。
そこが、わからなかったのが残念。