昨日の「赤旗」テレビ・ラジオ欄に、隣町のいすみ市(大原駅と上総中野を結ぶ)「いすみ鉄道」を舞台にNHK千葉がドラマ製作をしている記事が出ています。
この線は廃止の動きを高校生はじめ、地域住民運動の中で存続させてきた路線です。
NHK千葉がドラマ制作
「菜の花ラインに乗り加えて」
春の房総でロケ舞台は、菜の花畑や田園地帯をのんびり走る房総半島のローカル鉄道。第二の人生を都会から田舎に移し、鉄道運転士を目指すおとなたちの物語がドラマになります。NHK干葉放送局制作の「千葉発地域ドラマ 菜の花ラインに乗りかえて」。10月放送に向けて、ロケが行われました。
ロケ現場は房総の第三セクター「いすみ鉄道」大多喜駅構内の洗車場。
鉄道会社の制服に身を包んだ吹石一恵さんが、さっそうと気動車の乗務員室に乗り込みます。ひょ
んなことから運転士に挑戦するヒロイン・本多かおりを演じます。
「私は女性なので鉄道とか興味がないかと思っていた」と言う吹石さん。ロケで運転席に座ってみると、「こんなに大きなものを自分が動かせる。ブレーキやアクセルに触れることにすごく興奮して、いまは『なんちゃって鉄子』になっています」と笑います。
鉄道運転士に応募鉄道ファンではなく、元は国際線のキャビンアテンダント(客室乗務員)でした。しかし、リストラと失恋に直面。失意の中、ふるさとの大多喜町に戻り、地元の鉄道が運転士を募集していることを知ります。条件は訓練費用700万円の自己負担。かおりは貯金をはたいて運転士免許の取得に挑みます。
実際、ドラマのモデル 「いすみ鉄道」は2010年、訓練費用700万円の負担を条件とした運転士の訓練生を一般から募集。「あなたの夢を実現しませんか」と呼び掛けた全国初の試みは、大きな話題になりました。
かおりと同期の訓練生・神崎和也役の石黒賢さんは、応募して運転士に合格した社員から話を聞
きました。「みんないいおじさんですが、好きなことをしている充実感にあふれた顔が印象的でした」
ほんわか楽しんで
和也も以前は、大手家電メーカーのエリートサラリーマン。石黒さんは 「最近の電器メーカーは、人に夢を与える商品をつくるのではなく、欲しがらせる商品をつくるようになった」と転身の動機を語る和也のセリフに「役柄が集約されている」と言います。
もう一人、運転士に挑むのが、梅宮辰夫さん演じる68歳の謎の老人・鴨川善三郎。若い同期生2
人を引っ張ります。
「テレビドラマは視聴率で戦々恐々としていると思いますが、今回はほんわかほんわかしたお話。楽しんでやらせていただいています」
地域発が元気です
NHKでは、地方局が制作する「地域発ドラマ」が元気です。でも、千葉放送局の開局70周年を記念した「干葉発」は、今回が初めて。行武哲三ディレクターは「千葉県は都会という一面もあるけど、自然も豊か。そんな多様性のある千葉だからこそ、いろいろな生き方も許される包容力がある。それがドラマ作りの出発点でした」。
都会で受けた心の傷を抱える。訳あり”の3人組が、運転訓練や土地の自然に触れながら、新た
な生き方を再発見していきます。
吹石さんは「キャビンアテンダントもローカル線の運転士も、お客さんの喜ぶ顔を見たいと思う心は共通しています。かおりも最後に気付いてくれます」とエールを送ります。果たして、無事に夢を実現することができるのでしょうか。
原作は真柴あずき。出演はほかに、かおりの挑戦を支える母親・頼子役に浅田美代子さん、かお
りに反発する不思議な少女・市原優役に小川涼さんら。放送は10月9日
(BSプレ、後10・O)