まだ2つか3つ頃だったのではなかったか。
次女の一人娘が、1枚の写真を見て、
突然「わあわあ」と泣き出した。
母親が自分とは違う幼い女の子を抱っこしていたのだ。
実は、その女の子は母親の姉の娘、
つまりその子にとっては従妹だったのだが、
母親をその子に取られたとでも思ったのだろう、
悲しく嫉妬したに違いない。
僕の可愛い孫娘の小さな、小さな幼き日の思い出である。
時が過ぎるのは本当に早い。
あの写真に泣き出した女の子は、今はもう大学2年生になっている。
そして今年、晴れて成人式を迎えたのである。
加えれば、写真の従妹は今年もう26歳になる。
いやはや早いものだ。
上の孫は東京で外資系の会社に勤務しているから、
今は2人が顔を合わせる機会は少なくなっているが、
母親同士がそうであるように、この2人も実に仲が良い。
上の子が進んだ高校に、下の子はそれを追うようにして
同じ高校に進み後輩となったし、
ともかく「私、○○ちゃん(従妹)をリスペクトしているのよ」と
いつも口にするのである。
逆に上の子は、東京から帰省する時には
必ずブランド品などの土産を持ち帰り、
従妹同士のほのぼのとした光景を見せてくれるのである。
久々に会った今年の正月は2人そろって、
それぞれの母親から譲り受けた着物姿となり、
その美しさを競った。
そして、正月の時とはまた違った着物姿で成人式を迎えたのである。
その昔、2人の娘を社会に送り出し、
そして今また、孫たちを同様に送り出すのである。